東京都「性教育の手引」を約15年ぶりに改訂、現代的な課題に対応

 東京都教育委員会は2019年3月28日、「性教育の手引」の改訂し、都内の全公立学校に配布することを公表した。性をめぐる現代的な課題を踏まえながら、学習指導要領に示されていない内容を含む授業を行う場合は保護者の理解・了解を得る方法なども具体的に掲示している。

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 東京都教育委員会は2019年3月28日、「性教育の手引」の改訂し、都内の全公立学校に配布することを公表した。性をめぐる現代的な課題を踏まえながら、学習指導要領に示されていない内容を含む授業を行う場合は保護者の理解・了解を得る方法なども具体的に掲示している。

 東京都教育委員会は、2017年小・中学校、2018年高等学校学習指導要領改訂の機会を捉え、2004年・2005年発行の「性教育の手引」を改訂。学習指導要領に示された内容をすべての児童・生徒に確実に指導するとともに、現代的な課題を踏まえながら保護者の理解を得て必要な指導を行うなど、適切な性教育の実施に向けたもの。

 改訂のおもな特徴は、「基礎編」と小・中・高・特別支援学校の「実践編」を一冊に製本し、指導の系統性・関連性を重視したこと。また、性情報の氾濫や性感染症への対応、性同一性障害等に関する正しい理解など、性をめぐる現代的な課題に対応している。

 「基礎編」は、学習指導要領における性教育の取扱い、学校における性教育の基本的な考え方や進め方、性教育(中学校)の実施状況調査結果、産婦人科医等(外部講師)による授業の実施などを掲載。性教育を進めるうえでの留意点にて、児童・生徒の身体的・精神的発達や性的成熟には個人差があり、性に関する情報についてもその質や量の入手に差異があるため、これらの個人差等に十分配慮する必要があること、性教育においては、教職員と児童・生徒および保護者との信頼関係は不可欠であり、 その確立に努める必要があることなどを明示。

 生徒学習指導要領に示されていない内容を含む指導については、在籍する児童・生徒の状況から校長が判断し、指導を行う場合は事前に学習指導案を保護者全員に説明。保護者の理解・了解を得た児童・生徒を対象に個別指導(グループなど同時指導も可)を実施することなどを提示している。

 また、産婦人科医など(外部講師)による授業の実施について、実施に向けた手順例、実施に向けた留意点、保護者会などで配布する通知例、学習指導案、授業後に行った生徒対象のアンケート結果を掲載。中学生639名を対象に2018年11月10日から2019年1月30日までに実施したアンケートによると、93%の生徒が「専門家による説明は効果的だった(とてもそう思う・そう思う)」と答えている。実施に向けた留意点では、授業形態として、授業担当教員や養護教諭などとのティーム・ティーチングが望ましいこと、公開授業として位置付けて保護者の参観を募ることなどをあげた。

 「実践編」では、小・中・高・特別支援学校それぞれの指導事例を体系化。小学校の指導事例では、1年生の特別活動「からだをきれいにしよう」、4年生の体育科「大きくなってきたわたし(思春期にあらわれる変化)」、6年生の特別活動「軽い気持ちのID交換から…」などを掲載。中学校では、1年生の保健体育科「生殖に関わる機能の成熟」「男女の尊重と性情報への対処」など、高校では1年生の情報科「SNS利用によって生じるトラブル」、特別活動「これからの人生とパートナー」などを掲載している。

 各事例は、教育課程上の位置付け、題材や単元設定の理由、本時の指導、指導上の配慮事項、展開などを掲載。また、生物的側面、心理的側面、社会的側面に加え生命尊重の4つの側面で分類されている。

 改訂版「性教育の手引」は2019年3月、全公立小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校、高等学校、特別支援学校などの管理職・教員を対象に配布。東京都教育委員会Webサイトにも掲載されている。
《黄金崎綾乃》

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