TOEICが大学入学共通テスト撤退、責任ある対応困難

 日本でTOEIC Programを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は2019年7月2日、「大学入試英語成績提供システム」へのTOEIC Testsの参加申込みを取り下げたと発表した。これにより、TOEICは大学入試英語成績提供システムに参加しないことが決まった。

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 日本でTOEIC Programを実施・運営する国際ビジネスコミュニケーション協会(IIBC)は2019年7月2日、「大学入試英語成績提供システム」へのTOEIC Testsの参加申込みを取り下げたと発表した。これにより、TOEICは大学入試英語成績提供システムに参加しないことが決まった。

 2020年4月からの「大学入試英語成績提供システム」の運用開始に向け、大学入試センターは2018年3月、TOEIC L&RとTOEIC S&Wについて、参加要件をすべて満たしていることが確認されたと公表していた。詳細は後日、文部科学省から説明される予定だ。

 TOEIC Testsは英語4技能を測定できる試験で、TOEIC L&RとTOEIC S&Wが別々に実施される形態。IIBCでは、「大学入試英語成績提供システムへの社会的な要請が明らかになるにつれ、それらに対応するためには、受験申込みから、実施運営、結果提供にいたる処理が当初想定していたものよりかなり複雑なものになることが判明してきた」と説明している。

 現時点で、協定書締結に向けた大学入試センターとの協議が完了しておらず、システム運用開始において責任をもって各種対応を進めていくことが困難と判断。これ以上意思決定時期を遅らせ、受験者や保護者、学校関係者に迷惑をかけないために、取り下げる判断にいたったという。

 TOEIC Testsの参加申込み取下げについては、大学入試センターも7月2日、IIBCから6月28日に申し出があったことを公表。「これにより、TOEICは大学入試英語成績提供システムに参加しないこととなりました」と説明している。

 また、2019年3月28日に文部科学省から、一部の例外措置の対象試験にTOEICが含まれていることが公表されていることから、2019年度受験したTOEICの成績については、次年度の「例外措置」の対象に含めるとしている。詳細については後日、文部科学省から説明される予定だ。
《奥山直美》

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