【全国学力テスト】中学校英語「話すこと」調査、検証報告書を公表

 文部科学省は2019年9月20日、2019年度全国学力・学習状況調査における中学校英語「話すこと」調査についての検証報告書を公表した。音声録音方式で実施された「話すこと」調査で発生したおもな事象、課題の整理・分析などをまとめている。

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  • 2019年度(令和元年度)全国学力・学習状況調査 中学校英語「話すこと」調査 検証報告書(概要)
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 文部科学省は2019年9月20日、2019年度全国学力・学習状況調査における中学校英語「話すこと」調査についての検証報告書を公表した。音声録音方式で実施された「話すこと」調査で発生したおもな事象、課題の整理・分析などをまとめている。

 検証報告書は、2019年9月20日に開催された全国的な学力調査に関する専門家会議にて、「2019年度英語『話すこと』調査検証ワーキンググループ」が報告したもの。2019年度調査より導入された中学校英語の調査だが、このうち「話すこと」については、初めて学校PCを利用した音声録音方式で行われている。このため、筆記調査では通常起こらない、また予期しない事象が発生しうると想定されていた。

 ワーキンググループは、今回の「話すこと」調査の実施状況について、筆記調査では起こらないものとして実際にどのような事象が発生したのかを整理し、音声録音方式による実施に係る課題を整理。報告書にて、「話すこと」調査の実施方法や実施状況、検証方法、発生したおもな事象の整理、課題の整理・分析などをまとめている。

 実施状況によると、中学校英語調査の実施学校数・生徒数は9,988校・98万2,944人。「話すこと」調査は、その94.3%にあたる92万7,196人(学校数9,489校)で行われた。なお、実施要領に基づき、設置管理者の判断で「話すこと」調査を実施しなかった学校は499校・5万3,462人。このうち、446校・5万3,217人は、学校ICT環境により特例的な措置を適用し調査を実施しなかった

 特例的な措置を適用した理由では、「環境復元機能の一時解除、シンクライアント方式のため必要となった PC台数分の高性能USBメモリの購入、PC等の整備のための予算措置が間に合わなかった」がもっとも多く、全体の約50%程度を占めた。そのほか、約30%が「推奨環境は満たしていたが、事前検証ツールが正常に作動しなかった」、約10%が「推奨環境に満たないOSの使用や、PC台数の不足」をあげている。

 また、「話すこと」調査実施生徒数の1.6%、学校数の17.5%に生徒の音声データ欠損等があった。欠損等の発生の原因と考えられるPCの事象では、「ヘッドセットと内蔵マイクとのハウリングの可能性」「PCの動作スペックに余裕がなくプログラムが正常に作動しなかった可能性」などが考えられるという。また、調査設計上の課題として、「調査時に録音・保存が正常になされているかを確認する機能がなかったこと」「採点システムの制約上、音声データ欠損を理由とする調査のやり直しは当日限りという取扱いになっていたため、やり直しができなかったこと」などをあげている。

 生徒の実施状況に関して、学校や設置管理者からは、「英語4技能の育成の重要性と『話すこと』の意義を再認識した」との意見があった。一方、生徒からは、「調査プログラムの操作方法に戸惑い調査開始が遅れた」「近隣の生徒の声が聞こえ、落ち着いて調査ができなかった」などの意見があった。

 報告書では、次回の調査方法をより丁寧に設計するために必要な検討事項として、「ICT活用の利点を生かした調査方法の設計」「各生徒の調査実施(録音・保存)と解答データの回収の有無の確認」「近接する生徒からの影響の抑制」「生徒が調査方法を体験する機会の確保」「調査環境を整備するための期間の確保等」の5つの点を整理。文部科学省に対して、今回の検証結果を踏まえ、「話すこと」調査の方法のさらなる改善を図ったうえで、次回の中学校英語調査を着実に実施することを求めた。
《黄金崎綾乃》

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