スマホ・カラコンの普及がドライアイ患者の増加に関係

 ライオンは、眼科専門医を対象に行った「ライオン・スマホ時代の角膜上皮障害実態調査」を2019年11月15日に発表し、6割以上の眼科医が「角膜上皮障害を伴うドライアイ患者」が、スマートフォンが普及し始めた10年前に比べて増えていると認識していることが明らかになった。

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角膜上皮障害を伴うドライアイの患者は、10年前に比べて増えているという印象はあるか。(SA、n=101)
  • 角膜上皮障害を伴うドライアイの患者は、10年前に比べて増えているという印象はあるか。(SA、n=101)
  • 角膜上皮障害を伴うドライアイに関して、具体的にどの年代で増えている印象があるか。(角膜上皮障害を伴うドライアイが増えていると回答した眼科専門医64名が対象、MA、n=64)
  • 角膜上皮障害を伴うドライアイが増えている理由として、スマホが普及してきたことは関係があると思われるか。(角膜上皮障害を伴うドライアイが増えていると回答した64名が対象、SA、n=64)
  • 堀裕一氏
  • VDT(Visual Display Terminals)作業による瞬きの減少
 ライオンは、眼科専門医を対象に行った「ライオン・スマホ時代の角膜上皮障害実態調査」を2019年11月15日に発表した。6割以上の眼科医が「角膜上皮障害を伴うドライアイ患者」が、スマートフォンが普及し始めた10年前に比べて増えていると認識していることが明らかになった。

 「ライオン・スマホ時代の角膜上皮障害実態調査」は、2019年9月25日から9月30日に、ドライアイ研究会所属もしくは、角膜の状態を判断するための生体染色検査「フルオレセインスコア検査」を診療で実施している、眼科専門医101名を対象に、インターネットにて行った。

 「角膜上皮障害を伴うドライアイの患者は、10年前に比べて増えているという印象はあるか」という質問に対し、3%が「とても増えている」、21.8%が「増えている」、38.6%が「やや増えている」と回答し、6割以上の眼科医が、角膜上皮障害を伴うドライアイ患者が増えていると実感していることがわかった。また、「減っている」「とても減っている」と回答したのは0%であった。

 さらに、「角膜上皮障害を伴うドライアイの患者は増えている」と回答した眼科医64名に対し、「角膜上皮障害を伴うドライアイに関して、具体的に10年前に比べてどのくらいの割合で増えている印象か」という質問に対しては、「2割くらい」と答えた眼科医が43.8%ともっとも多く、「3割以上」と答えた眼科医が40.7%。このことから、眼科医が、角膜に傷がついてしまっている患者が10年前に比べて大きく増えていると実感していることがわかった。近年、目は乾くだけに留まらず、傷つくほど酷使されているようだ。

 また、「角膜上皮障害を伴うドライアイの患者は増えている」と回答した眼科医64名に対し、「角膜上皮障害を伴うドライアイに関して、具体的にどの年代で増えている印象があるか」という質問に対しては、全年代において、女性の「角膜上皮障害を伴うドライアイ患者」が男性よりも増加している印象を持っていることが明らかとなった。特に20代は、男性31.3%に対し、女性57.8%と顕著に表れており、原因には長時間のVDT(Visual Display Terminals)作業や、カラーコンタクト、上下のまぶたの内側にある、目に油分を供給する腺を埋めるようなアイメイク、まつ毛エクステンションの普及などがあることが推測される。

 そのほか、「角膜上皮障害を伴うドライアイの患者は増えている」と回答した眼科医64名に対し、「角膜上皮障害を伴うドライアイが増えている理由として、スマホが普及してきたことは関係があると思われるか」という質問に対し、「とても関係があると思う」「関係あると思う」「まあ関係あると思う」と回答した人の合計が71.9%となった。スマートフォンはPCと比較して、画面との距離が近いことから、ドライアイが増えていることに関係していると考えられる。

 同調査の監修者である、東邦大学医療センター大森病院眼科教授の堀裕一氏は、調査結果から、角膜上皮に障害があるドライアイ患者増加している背景として、PC・スマートフォンの利用時間が増えたことで、瞬きが減少してドライアイが進み、角膜に傷がつきやすくなっていることが原因として考えられるとコメントしている。

 また、若い世代の、女性の角膜上皮障害が増加していることについては、比較的ドライアイになりやすいカラーコンタクト、まつ毛エクステンションの流行などが背景にあるとコメントし、角膜を守るためには日ごろから、角膜のケアを意識することが重要としている。
《鈴木あさり》

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