【大学受験】薬系学科の就職動向、6年制は薬局43%

 旺文社教育情報センターは2020年1月16日、薬学教育協議会がまとめた薬学出身学生の就職動向調査結果報告書をもとに薬系学科生の就職動向の概要をWebサイトに掲載した。6年制卒業生の43%が薬局に就職し、国立大学の4年制卒業生は9割が進学していた。

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 旺文社教育情報センターは2020年1月16日、薬学教育協議会がまとめた薬学出身学生の就職動向調査結果報告書をもとに薬系学科生の就職動向の概要をWebサイトに掲載した。6年制卒業生の43%が薬局に就職し、国立大学の4年制卒業生は9割が進学していた。

 薬学教育協議会の就職動向調査結果報告書は、2019年3月の薬学部薬学科の卒業生と大学院修了者の就職状況などをまとめたもの。旺文社教育情報センターが、概要をWebサイトで紹介している。

 これによると、6年制薬系学科の卒業生1万400人(男子4,063人、女子6,337人)のうち、就職したのは8,826人。就職先は、薬局4,455人(卒業者に占める割合42.8%)、病院・診療所勤務2,240人(同21.5%)、企業1,043人(同10.0%)など。進学者は177人(同1.7%)だった。

 6年制薬系学科卒業生の93.1%を占める私立大学卒業生9,687人に限ってみると、就職先は薬局4,268人(同44.1%)、病院・診療所勤務2,028人(同20.9%)、企業872人(同9.0%)。進学者は152人(同1.6%)。

 一方、4年制薬系学科の卒業生1,421人(男子891人、女子530人)のうち、進学したのは1,047人(男子723人、女子324人)。進学率は、前年より1.5ポイント減の73.7%。就職したのは、21.7%にあたる309人(男子124人、女子185人)だった。

 進学者数を大学設置別にみると、国立大卒585人(国立大卒全体の90.1%)、公立大卒109人(公立大卒全体の95.6%)、私立大卒353人(私立大卒全体の53.6%)。

 6年制卒業者の薬剤師国家試験の状況(2019年2月実施の第104回)は、新卒受験者総数9,508人、合格者8,129人、合格率85.50%。新卒者の合格率は前年(84.87%)とほぼ同率だったが、新卒者の8.58%が国家試験未受験であることを加味すると、新卒者の薬剤師資格取得者の割合は78.2%に低下。未受験者への対応が課題だという。

 薬学系では、6年制学科の新増設が続いており、2020年は国際医療福祉大学が福岡薬学部(薬学科120人)、岐阜医療科学大学が薬学部(同100人)を開設。2021年には和歌山県立医科大学が薬学部(同100人)、湘南医療大学が薬学部(医療薬学科130人)を設置構想中。4年制をなくし、6年制のみとする大学の流れもあり、2019年には大阪大学、2021年には徳島大学が6年制のみとなる。

 旺文社教育情報センターは「薬学の進路にかかわる環境も大きく変化している。薬学系を目指す受験生も単に資格志向だけではなく、さまざまな教育・研究内容・進路などを考えて大学・学部・学科の選択をしてほしい」とアドバイスしている。
《奥山直美》

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