子どもを暴力から守ろう…ユニセフやセーブ・ザ・チルドレンが声明

 新型コロナウイルスの世界的な拡大により、子どもに対する暴力が懸念されている。ユニセフらは2020年4月10日、各国政府に対して暴力を防ぐための措置を求める共同声明を発表。セーブ・ザ・チルドレンらも同日、日本政府に対して要望書を提出した。

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 新型コロナウイルスの世界的な拡大により、子どもに対する暴力が懸念されている。ユニセフらは2020年4月10日、各国政府に対して暴力を防ぐための措置を求める共同声明を発表。セーブ・ザ・チルドレンらも同日、日本政府に対して要望書を提出した。

 「子どもに対する暴力撲滅グローバル・パートナーシップ(GPeVAC)」は、各国政府、国連機関、民間セクター、市民社会、研究者、若者たちが、2030年までに子どもへの暴力を撲滅するという、持続可能な開発目標(SDGs)に掲げられた、国際社会の新たなターゲット達成のために協力する取組み。2016年に始まり、ユニセフをはじめ子どもへの暴力撲滅に取り組む多くの団体が参加している。

 今回の共同声明は、ユニセフとGPeVAC、WHO(世界保健機関)、Special Representative of the Secretary-General on Violence against Children、Save the Children Internationalなど、さまざまな機関が署名。新型コロナウイルスのパンデミックは各国に破壊的な影響を及ぼしており、ウイルスを封じ込める努力は健康を守るために不可欠だが、同時に、子どもたちを虐待、ジェンダーに基づく暴力、性的搾取を含めた暴力のリスクに晒すと危惧している。

 世界の人口の3分の1がロックダウンの状況に置かれ、学校の休校は15億以上の子どもたちに影響を与えている。移動の制限や収入の減少、社会からの隔絶、過密した生活環境など、ストレスや不安が高まる中、特に以前から暴力的な扱いを受けていたり、適切な育児環境になかった子どもたちが、家庭で身体的・心理的・性的虐待を経験したり、目撃したりする可能性が高まっているという。

 声明では各国政府に対し、新型コロナウイルスの感染予防や対応の計画には、すべての子どもを暴力やネグレクト、虐待から守るための年齢やジェンダーに配慮した措置が含まれなければならないと提言。また、子どもの保護の取組みやそれに携わる職員は必要不可欠であると位置付け、適切な予算措置を図るよう求めている。

 ユニセフらは、各国政府をサポートしつつ、メンタルヘルス、心理的サポートを含めた基本的な保健サービスや社会福祉サービスの維持、もっとも脆弱な立場の子どもと家庭への社会的保護の提供などに協力して取り組む考えを示した。

 あわせて、インターネットが多くの子どもたちに、学びやサポート、そして遊びの機会を提供し続けるための中心的な役割を担い始める中、ネットいじめや危険なネット上の行動、性的搾取へのリスクも高まっていると指摘。情報通信技術に関わる企業やプロバイダーに向けて、子どもたちのヘルプライン、年齢に適したサービスや安全なオンライン教育のプラットフォームへの無償のアクセスを提供すること、ネットの安全に関するアドバイスを自社のプラットフォームで共有することなどを要望している。

 ユニセフらは、子どもに対する暴力の撲滅にコミットする組織のリーダーとして、この状況に対する深い懸念を共有し、すべての国とコミュニティーで子どもたちを暴力から守り、新型コロナウイルスによる子どもたちへの影響を減らすための行動を求めるとともに、そうした行動へのサポートを約束するとしている。

 また、セーブ・ザ・チルドレンと子どもすこやかサポートネットは共同で、日本政府および地方自治体に対し、新型コロナウイルス感染症対策下において、子どもを虐待・体罰等から守るための要望書を提出した。一部地域では学校の休校措置や外出自粛が続いており、長期にわたる子どもの自宅待機や親の在宅勤務、収入面での不安、ストレスなどから、家庭における子どもへの虐待やドメスティック・バイオレンス(DV)の増加を懸念する声があがっている。自宅待機により、保護を必要とする子どもや支援を必要とする家庭の発見が難しくなっていることも推察されるという。

 要望書が示した内容は、「子どもの見守りを継続するための緊急的な支援の強化」「子どもの安全を確保した相談窓口の拡充および子どもへの啓発・周知」「親および子ども双方に向けた、ストレスと向き合うための情報提供の拡充」「子育て支援などに際する、民間による取組みに対する支援」「4月1日から施行された改正児童虐待の防止等に関する法律等および『体罰等によらない子育て』の普及」の5つ。これらを含む多くの関連施策が同時に講じられる必要があると訴えている。
《黄金崎綾乃》

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