世界トップティーチャー正頭先生が、話題のバイリンガル幼児園を訪問

 バイリンガル幼児園キッズデュオインターナショナル(KDI)は、2020年4月に関西初進出し、大阪府豊中市に「KDI豊中」を開園。同園を、2019年「Global Teacher Prize」トップ10に選ばれた、正頭英和先生と訪れた。

教育・受験 未就学児
正頭英和先生、KDI豊中にて
  • 正頭英和先生、KDI豊中にて
  • 年少々から年長までのネイティブ教師による英語の授業風景
  • 年長の運動プログラム「Ninja遊び」。担任のほか専任スタッフが指導する
  • 英語教育やKDIの印象について語る正頭英和先生
  • 「英語ができる人は謎の自信と、謎の行動力をもっているのです(笑)」と語る正頭英和先生
  • 左から小野木文香先生(ネイティブ・バイリンガル保育研修室室長、兼KDI三鷹 園長)、正頭英和先生、KDI豊中の上出直樹園長
  • 年少々クラスの英語(Song & Chants)の授業はネイティブ教師と2名のバイリンガル教師が指導
  • ネイティブ教師の話を真剣に聞く年少の子どもたち
 バイリンガル教育・知能教育・運動指導・職業体験・ライフスキル教育を軸に「自分力」を育むことを教育方針とするバイリンガル幼児園キッズデュオインターナショナル(KDI)は、これまで首都圏を中心に展開し、教育熱心な家庭の注目を集めてきた。

 2020年4月には関西に初進出し、大阪府豊中市に「KDI豊中」を開園。同園を、2019年「Global Teacher Prize(グローバル・ティーチャー賞)」(※)トップ10に選ばれた、正頭英和先生と訪れた。立命館小学校の英語科教諭でICT教育部長も務める正頭先生に、英語を学ぶ価値やこれからの時代に子どもが身に付けておくべき力、そしてKDIの印象などを聞いた。
※ Global Teacher Prize(略称GTP)とは
 イギリスの国際教育機関「バーキー財団」が設立した国際的な賞で、「教育界のノーベル賞」とも称される。毎年、教育分野で優れた功績をあげた教諭・教師・先生が表彰される。2019年は世界約3万件以上のエントリーがあり、トップ10には唯一の日本人教員(小学校教員としては日本初)として正頭英和先生が選出された。


バイリンガル教育・知能教育・運動指導を柱に
真の国際人としての素地を育む



 KDIの対象は、年少々から年長(2~6歳)までの4年間。バイリンガル(英語・日本語)教育、知能教育(目的をもった考える遊び)、運動指導を3本の柱に“真の国際人としての素地を育む”ことをミッションとする。

 子どもたちは、スマートボード(電子黒板)が整備された教室で、ネイティブ教師とバイリンガル教師から指導を受け、4年間で段階的に、国際性・自主性・社会性・協調性・思いやりの心・創造力・運動能力を身に付けていく。

 たとえば、英語の授業では、欧米の同年齢向けの教材を用い、ネイティブ教師が授業を行う。

年少々から年長までのネイティブ教師による英語の授業風景
年少々から年長までのネイティブ教師による英語の授業風景

 運動プログラム「Ninja遊び」では、東京大学名誉教授で日本女子体育大学学長の深代千之氏監修のもとで開発されたカリキュラムに沿って専任スタッフが指導。あらゆる面において充実した環境が目を引く。「インターナショナル」とつく園名から英語教育への期待も高いが、日本の文化を重んじ、日本人としての「しつけ」や「日本語」教育と、早期の英語教育を両立していることが大きな特長だ。

年長の運動プログラム「Ninja遊び」。担任のほか専任スタッフが指導する
年長の運動プログラム「Ninja遊び」。担任のほか専任スタッフが指導する

教育の価値は体験すること
正頭先生の教育とKDIの共通点



 正頭先生は、立命館小学校の地の利とICT環境を生かし「京都の世界遺産の魅力を世界に発信する」ことをテーマに、マインクラフトを用いた問題解決型授業(PBL:Problem Based Learning)を英語教育に取り入れており、Global Teacher Prizeでもその実践が高く評価された。

 マインクラフトは世界中で人気のゲームで、プログラミング教育・協同学習・情報教育のツールとして教育版マインクラフトが提供されている。すでに子どもたちに人気のゲームに注目した正頭先生は、英語を学ぶのではなくマインクラフトを活用した体験に没頭するうちに、英語力と問題解決力を自然に身に付けていく活動に児童たちを導いた。授業では児童たちが主体的に取り組み、英語もマインクラフトの操作も児童同士で教え合う。このような体験のなかで、「子どもたちに、英語を学んでいる感覚はない。自分たちの思いを伝えたいだけなんです」(正頭先生)という。

 正頭先生はこの実践を通じて、「知識を教えるだけの授業がダメだということは頭ではわかっていましたが、マインクラフトを活用した授業は、そのことが腹落ちする重要なきっかけとなりました」と語る。「今は教育の転換点に来ています。知識を教えるのではなく、知識を使えることが大事。そして教育の価値は間違いなく体験することにあると考えています」と、KDIが大切にしている体験の重要性を説く。

英語教育やKDIの印象について語る正頭英和先生
英語教育やKDIの印象について語る正頭英和先生

成功体験の積み重ねが育む自己肯定感
日本のしつけは世界に通用



 KDIでの日常は、ネイティブ教師との英語での対話、五感(視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚)を刺激する知能教育、運動神経の礎が身に付く運動、園内に設置された専用のブース(銀行・パン工場・スーパーマーケットなど)での職業体験など、体験の機会に溢れている。そんななかで、必ずしもすべてのバランスをとらずとも、子どもたちが自ら好きや得意を見つけ、失敗しながらも日々、小さな成功体験を積み重ねていくことで自己肯定感を高め“自分力”を育んでいくことを目指すカリキュラムが組まれている。

 KDIの教育で正頭先生が特に評価したのは意外なことに「英語オンリーではないこと」で、「良い意味でカルチャーショックを受けました」という。図書館には日本語の絵本も並び、子どもたちはネイティブ教師と話すときは英語、バイリンガル教師とは日本語と、日本語と英語を自由に行き来している。さらに、「日本のしつけ」を英語で指導していることにも注目する。「しつけやマナーは国ごとに異なる部分もありますが、日本のしつけは世界に通用します。それを幼児期から、英語を通して教えていることがとても良いですね。しつけというゴールは同じでも、英語で学ぶことで違った景色が見えているはずです」と話してくれた。

 「母国語もきちんと学びながら、自分の国のことを理解し、世界に向けて紹介することができる子に育ってほしいと思っています」と語るのは、KDIの教務研修室室長でKDI三鷹では園長も務める小野木文香先生。この言葉を受け正頭先生は、「グローバルで生きていくためには自分が何者かというアイデンティティが大事です。バイリンガル教育では、日本で成長する者としてのアイデンティティを大事にしながら成長していくことがとても大事だと思います。その意味で、KDIでは使っている言語が英語なだけで、日本の文化を重んじ、個性を伸ばす教育をしていることはとても良いと感じました」と共感した。

英語を学ぶプロセスと体験が重要
自分を好きになれば幸せになる



 世の中はIT化が進み、英語翻訳などの便利なツールが日進月歩で進化している。この時代に英語を学ぶ価値とは何か。

 正頭先生は次のように語る。「英語ができればいいというのはもう弱い時代になっています。かなり前から言われていることではありますが、いよいよその時代が本格的に来ています。英語を学ぶことの価値とは、英語力を身に付けることよりむしろ、それに付随することがらのほうにあると思っています。英語ができる人は謎の自信と、謎の行動力をもっているのです(笑)。英語を学ぶプロセスの中で何を体験し、何を感じたかが重要。英語を通じて海外の友達を増やすとか、世界中からいち早く情報を入手するとか、英語を学ぶプロセスに価値があると考えています。そういう意味で、この園で学んだ子どもたちは幸せになると思います。習得できる英語力には個人差があると思いますが、英語をとおした体験を通じて、失敗を恐れない心が育ち、自己肯定感が高まり、自分のことを好きになれることは幸せにつながります」

 日本人には英語に苦手意識をもっている人が多い。「KDIの子どもたちは、自分は英語ができると思っている。大人たちは英語ができないと思っている人が多い。でも、そんな大人もたいていは園児よりはできますよね(笑)。大人はもっと、『英語ができる』のハードルを下げれば良いと思います」と語る正頭先生は、そのための方法があるという。それは、「英語がすべてにならない」こと。仮に英語が得意でなくても、それでも幸せになれる道はある。そしてその道こそ、KDIが大切にしている「得意をもてること」だと話してくれた。

 とはいえKDIの英語教育に期待して入園を決める保護者も多い。しかし、入園後には英語以外の部分を高く評価する保護者も少なくない。

 小野木先生が「保護者の皆さまの意識も、4年間かけて変化していくのです」と説明すると、「それはすごい、本当にすごいことですね!」と正頭先生は称賛する。「お子さんの成長を通じて、KDIの理念が伝わった、結果で見せたということは大成功ですね。英語ができて、難関大学に進学することに価値を感じる保護者は多い。その反面、自由にさせたいという。こうした保護者の考えが時代に合わせてアップデートされないと、日本の教育は変わっていかないと考えています。自分力がないとどんな武器を手に入れてもダメだと思うのです。そういう意味でも、KDIのお子さんたちは幸せになれると感じました」(正頭先生)

「英語ができる人は謎の自信と、謎の行動力をもっているのです(笑)」と語る正頭英和先生
「英語ができる人は謎の自信と、謎の行動力をもっているのです(笑)」と語る正頭英和先生

自分力こそがこれからの時代に必要な力
人を育てるその理念が魅力



 AI時代やグローバル時代を生き抜く力として昨今「非認知能力」の必要性が話題となっている。「非認知能力はわかりにくい言葉ですが、KDIさんが教育方針に掲げている“自分力”と置き換えると非常にわかりやすくなりますね」。さらに、英語を「包丁」に例え、英語(言葉)で人も自分も傷付けるような人には英語を学ぶ資格はない。その資格のある人を育てることを大事にしないといけないとしたうえで、「KDIさんは、英語だけではなく、ひとつ上にある人を育てるというその理念がもっとも魅力的です。英語と同じくらい、知能や運動能力を育てていることが素晴らしいと感じました」。最後に、「真の国際人とは英語ができることではないのは誰の目にも明らかですが、アイデンティティがあって、思いやりをもって相手と交流し、そのツールとして英語を身に付けることが重要だと考えています」と話してくれた。

キッズデュオインターナショナル(KDI)の詳細はこちら
左から小野木文香先生(ネイティブ・バイリンガル保育研修室室長、兼KDI三鷹 園長)、正頭英和先生、KDI豊中の上出直樹園長
左から小野木文香先生、正頭英和先生、KDI豊中の上出直樹園長

 関東で展開してきたKDIにおいて、KDI豊中は2020年4月に開園した8園目のもっとも新しい園だが、年少々から年長まで多くのお子さんが学んでおり、関西でもKDIへの期待の高さが伺えた。すべての教室にスマートボードが設置され、バイリンガルと充実した設備が当たり前の環境で、先生方はお子さんの興味を最大限に引きつける授業を行っていた。特に、年少々のクラスでも、皆が目を輝かせて先生の話に集中しているようすが印象的だった。

 バイリンガル幼児園であるKDIは、幼稚園と保育園が融合した形態で、基本保育時間は9時から17時までで、延長保育は、朝は7時30から、夜は20時まで対応3~5歳児の保護者対象に月37,000円の補助金が支給される「幼児教育無償化」の対象となっている。
《田村麻里子》

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