待機児童、受け皿拡大で過去最少1万2,439人

 厚生労働省は2020年9月4日、4月1日時点の保育所の状況などを公表した。待機児童数は前年比4,333人減の1万2,439人となり、過去最少を更新。待機児童は都市部に多く、都道府県別では東京都の2,343人、市区町村別では埼玉県さいたま市の387人が最多だった。

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全国待機児童マップ(都道府県別)
  • 全国待機児童マップ(都道府県別)
  • 保育所等定員数・利用児童数の推移
  • 保育所等数の推移
  • 保育所等待機児童数・保育所等利用率の推移
  • 保育所等の利用定員・利用児童数等の状況
  • 待機児童数50人以上の市区町村
 厚生労働省は2020年9月4日、4月1日時点の保育所の状況などを公表した。待機児童数は前年比4,333人減の1万2,439人となり、過去最少を更新。待機児童は都市部に多く、都道府県別では東京都の2,343人、市区町村別では埼玉県さいたま市の387人が最多だった。

 厚生労働省では、全国の保育所などの状況を把握するため、「保育所等関連状況取りまとめ」を毎年実施している。今回、4月1日時点の保育所などの定員や待機児童の状況取りまとめと、2018~2020年度まで3か年計画の「子育て安心プラン」集計結果を公表した。

 保育所などの施設数は、前年比1,307か所増の3万7,652か所。保育所などの利用定員は、前年比7万9,169人増の296万7,328人。保育所などを利用する児童数は、前年比5万7,708人増の273万7,359人。定員充足率は、前年比0.6ポイント減の92.2%であった。

 待機児童数は前年比4,333人減の1万2,439人。受け皿の拡大により、2017年の2万6,081人から3年で半数以下に減少し、待機児童数の調査開始以来、過去最少を更新した。待機児童がいる市区町村は、前年比42減の400。待機児童が100人以上の市区町村は、前年比18減の22。

 待機児童数が前年のワースト1位だった東京都世田谷区は、前年の470人から0人とし、待機児童数を一気に470人減とした。このほか、兵庫県神戸市で165人減、神奈川県藤沢市で144人減など、6市区で100人以上減少し、自治体ごとのバラつきも低減している。

 一方、待機児童数が多い市区町村は、埼玉県さいたま市387人、兵庫県明石市365人、兵庫県西宮市345人、岡山県岡山市259人、兵庫県尼崎市236人など。都道府県別では、東京都2,343人、兵庫県1,528人、沖縄県1,365人、福岡県1,189人、埼玉県1,083人の順に多い。待機児童率は都市部で高く、首都圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)と近畿圏(京都・大阪・兵庫)の7都府県(指定都市・中核市含む)、そのほかの指定都市・中核市で、全待機児童の63.5%を占めている

 2018~2020年度まで3か年計画の「子育て安心プラン」については今回、2年目までの実績と3年目の見込みを取りまとめ、公表した。プランでは、女性の就業率8割に対応できるよう、2020年度末までに32万人分の保育の受け皿確保を目標としている。

 今回の調査結果によると、2018年度と2019年度の保育の受け皿拡大量は、市区町村分で約16万4,000人分、企業主導型保育事業で約3万7,000人分の合計約20万人分。2020年度までの受け皿拡大見込み量は約31万2,000人分。今後については、上昇傾向が続く女性の就業率に対応していくため、さらなる保育の受け皿確保が必要としている。
《奥山直美》

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