【大学受験】大学生協「保護者に聞く新入生調査」入学までの費用135万~309万円

 全国大学生活協同組合連合会(大学生協)は2020年11月5日、「2020年度保護者に聞く新入生調査」の概要報告を公表した。入試制度の変更を意識した一般受験生の受験学部数が引き続き増加した。また、心配事はコロナ以外に「授業や単位のこと」が多かった。

教育・受験 大学生
入学までにかかった費用 国公立(専攻別/住まい別)
  • 入学までにかかった費用 国公立(専攻別/住まい別)
  • 入学までにかかった費用 私立(専攻別/住まい別)
  • 受験料・受験学部数 推移(設置者別)
  • 費用面で準備・工夫したこと
  • 受験大学選定の際に保護者が関心を持ったこと(抜粋)
  • 大学生活で心配なこと(文科系)
  • 大学生活で心配なこと(理工系)
  • 大学生活で心配なこと(医歯薬系)
 全国大学生活協同組合連合会(大学生協)は2020年11月5日、「2020年度保護者に聞く新入生調査」の概要報告を公表した。入試制度の変更を意識した一般受験生の受験学部数が引き続き増加した。また、心配事はコロナ以外に「授業や単位のこと」が多かった。

 大学生協は、2007年から毎年4月~5月に新入生の保護者を対象とした「保護者に聞く新入生調査」を実施。2020年は122大学生協の 2万347人から回答を得た。調査は、受験から入学までにかかった費用をはじめ、受験から入学までに困ったこと、大学生活を送るうえでの不安といった保護者の意識とあわせ、大学生協の事業に対する評価ももらっている。

 受験から入学までにかかった費用では、自宅生の国公立は137万8,100円、私立は169万4,800円。下宿生は国公立203万9,700円、私立は233万2,800円。内訳をみると入学大学の設置者、専攻、住まいなど進路により大きく違い、もっとも少なかったのは国公立・自宅・文科系135万900円で、もっとも高かったのは私立・下宿・医歯薬系の309万4,700円となった。

 費目別では「出願するためにかかった費用」が前年より減少している。国公立は12万7,100円(前年+100円)だが、私立は15万800円(前年-2万3,100円)と私立の減少が大きい。「出願するためにかかった費用」の多くを占める「受験料」は、13万1,800円と前年より1万1,500円減少。国公立12万1,000円(前年-900円)、私立14万5,800円(前年-2万3,700円)と私立の減少が大きくなった。

 2018年、2019年と2年連続増加した「受験料」は減少したものの「受験学部数」は増加している。5学部以上の受験は、国公立25.2%で前年より5.1ポイント増、一般受験生40.2%も同じく6.9ポイント増。2021年度からの大学入学共通テストを前に、現役入学志向の高まりで受験学部数が増加する一方、併願出願などで費用を抑えていることがうかがえる。

 受験から入学までの費用面で準備・工夫したことの上位3項目は前年と変わらず、「学資保険に入っていた」44.9%(前年-3.4ポイント)、「貯蓄を切り崩した」36.3%(前年+0.6ポイント)、「奨学金を申請した(する)」33.1%(前年+0.2ポイント)。「奨学金を申請した」は2017年からの増減幅は1ポイントと小さい。住まい別では、自宅生は「自宅通学にさせた」(28.3%、前年+4.1ポイント)、寮生は「奨学金を申請した」(51.7%、前年+3.9ポイント)の割合が高かった。

 そのほか、子どもの受験大学を選ぶ際に保護者が関心を持ったことは「大学の所在地」54.9%、「設置者(国公立・私立)」47.6%の順に高く、「大学の所在地」は自宅生が63.1%(下宿生46.7%)、「設置者」は国公立が71.0%(私立18.7%)を占め、大学納付金や親元を離れた場合にかかる費用など、家計への影響が大きいことに関心が高い。また、「大学のブランドやイメージ」は30.9%(前回調査18年+9.2ポイント)と関心が高まっている。

 大学生活を始めるにあたり心配なことは、「新型コロナウイルスへの対応」63.5%を除くと、「大学での授業や単位のこと」51.7%がもっとも高く、前年から13.6ポイント増加。ついで「友達付き合いなど人間関係のこと」48.4%が続き、新型コロナウイルス感染症対応の影響による就学環境の変化を心配していることがうかがえる。
《田中志実》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top