新型コロナウイルスの感染者が国内で増加する中、文部科学省の萩生田光一大臣は2020年11月27日、緊急事態宣言が出された場合でも大学入学共通テストは予定通り実施する考えを明らかにした。小中高校の全国一斉臨時休校の実施は考えていないとした。 11月27日に会見した萩生田大臣は、新型コロナウイルスの全国の新規感染者が2,500人を超え、重症者数も過去最高を更新しており、学校でも感染拡大に最大限の警戒をする必要があると指摘。感染症対策の点検、地域の感染状況の把握などを求めたうえで、「新型コロナウイルスに関しては児童生徒の発症や重症の割合は引き続き低く、また学校中心に感染が広がっている状況ではないことから、現時点において春先のような全国一斉休業を要請することは考えていない」と述べた。 緊急事態宣言が出た場合の小中高校の対応については、「自治体等の学校設置者が休業の必要性を判断することになるが、新型コロナウイルスの特性を考慮すれば、地域一斉の臨時休業は学びの保障や子どもたちの心身への影響の観点からも必要な場合に限定し、慎重に判断すべき」とした。 大学入学共通テストについては、「厳格な感染予防を講じたうえで、予定通り実施する方向で準備している」と述べた。10月15日開催の新型コロナウイルス感染症対策分科会において、専門家から「入試はほかのイベントと異なり、感染リスクが低い」「大学受験は人生にとって重要であり、感染拡大のステージが上がった地域でも実施できるよう準備してほしい」などの意見があったことを伝えた。 また、11月19日に各大学団体と意見交換を行い、各大学の個別入試について感染症対策を含めて入念に準備するよう要請したと説明。「地域ごとの感染状況や各大学の実状などを踏まえて、受験生にとって不利益な事態が生じないよう最大限の配慮や工夫を行ってほしい」と語った。 11月27日の萩生田大臣の会見映像は、文部科学省のWebサイトで公開されている。◆萩生田光一文部科学大臣会見映像(2020年11月27日)
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