【大学入学共通テスト2021】地歴公民の分析…東進・河合塾・データネット速報まとめ

 2021年1月16日、2021年度(令和3年度)大学入学共通テスト1日目が終了した。東進、河合塾と、ベネッセコーポレーション・駿台予備学校による「データネット」より提供を受け、「地理歴史」「公民」の大学入学共通テスト分析速報「科目別分析コメント」を紹介する。

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 2021年1月16日、2021年度(令和3年度)大学入学共通テスト1日目が終了した。東進、河合塾と、ベネッセ・駿台による「データネット」より提供を受け、「地理歴史」「公民」の共通テスト分析速報「科目別分析コメント」を紹介する。

世界史A



東進


 昨年のセンター試験と比べて大問数が1問増加し、設問数も1問増加。出題形式に大きな変化があり、全て10行以内のリード文に基づく出題であったものが、一つを除いて史料・グラフをもとにした出題となった。1990年代のセンター試験世界史Bに見られた形式に近い。設問については従来の下線部に基づく歴史的事項を問う4択文章問題が中心で、基本的な歴史的事項の正誤を判断する力が問われた。年代に関する知識を問う問題として、年表形式のものが姿を消し、リード文代わりになった3つの資料を年代順に配列する形式の問題が出題され、また、従来の絵画に関する問題が作者か題名を問うものであったものに対し、絵画の題材となった出来事を判断したうえで関連する歴史的事項を選択するなど、従来のセンター試験に比べて諸資料の読解を中心とする「思考力・判断力・表現力」を問う問題が目立った。

河合塾


 資料やグラフを多用して、考えさせようという問題が多く出題された。出題内容はセンター試験と同レベルだったが、資料・グラフを読み取って判断する問題が多かった。資料やグラフから読み取った情報と、歴史的知識を合わせて判断させる思考力や判断力を問う問題で、論理的に考えることができたかどうかで差がつく問題であった。

データネット


 従来のセンター試験に比べ、諸資料を丁寧に読み込むことが求められる出題が目立った。単純な歴史用語の暗記ではなく、意味や意義までしっかり把握できているかが問われる問題も増加している。文章の精読 が必要となり、かつ戦後史からの出題が大幅に増加したため、昨年センター試験よりやや難化。

世界史B



東進


 全体として、センター試験と同様、時代・地域・分野ともにバランスのとれた基本的知識を問う問題が多かったが、定番であったリード文を読まずに解ける問題がほとんどなく、曖昧な知識だと試験時間内に余裕をもって解き終わることは難しかったと思われる。難易度は難化。平均点は昨年よりも下がることが予想される。

河合塾


 グラフを読み取る問題を含む第二問以外は、すべての大問に資料の文章を読み取る問題が含まれ、センター試験と大きく異なった。また、授業や旅行の場面を利用した出題や、資料から導いた仮説について問う問題など新たな工夫が見られた。内容はセンター試験と同レベルだが、資料を多く読む必要があり、形式が煩雑であることからやや難度は上がった。

データネット


 これまでのセンター試験と比較して資料を多面的・多角的に考察する問題が多く出題された。試行調査でみられた連動型の問題は出題されなかった。地域は西ヨーロッパと東アジアからの出題が多く、各時代からバランスよく出題された。問題量は、昨年のセンター試験と比べて増加。難易は、昨年センター試験より難化。

日本史A



東進


 全体的に満遍なく、系図・グラフ・年表・史料などの資料を伴う問題が出題され、的確な思考力・判断力が求められた。中でも、史料の読解問題が目立ち、知識偏重からの脱却を意図していることがわかる。難易は昨年センター試験並。

河合塾


 古文書保存や福祉・社会保障など現代社会の諸問題を反映したテーマが出題された。従来のセンター試験から図版・史料・統計などが用いられており、大きく変化したところはなかった。ここ数年のセンター試験と同じくらいの難易だった。

データネット


 昨年のセンター試験と比べて文章選択問題が大幅に減少し、組合せ問題・二文の正誤判別問題が増加した。家系図・新聞記事・グラフ・年表など、さまざまな資料が出題された。近現代史中心の出題。問題量と難易は昨年センター並。

日本史B



東進


 読解を求める傾向はセンター試験日本史Bよりもやや強まったものの、試行調査に比してセンター試験日本史Bの形式に近い設問が目立った。大問数に変化は見られなかったが、設問数、マーク数は減少。史料問題は10問と大きく増加した。難易度は昨年センター試験並。

河合塾


 センター試験と比べると多様な資料を用いて多面的・多角的に歴史事象を考察させる出題がなされていた。また、全体に資料の読解問題や思考力・判断力を問う出題が増加した。

データネット


 試行調査と同様の生徒の学習場面が第1問、第2問、第6問で用いられ、多様な史資料が扱われた。昨年のセンター試験より社会経済史が増加し、文化史が減少。近現代史が重視される傾向は変わらず、現代史が増加した。解答数は昨年のセンター試験よりも減少しているが、資料が増加し、全体の情報量は増加しているため、昨年センター試験並。難易はやや難化。

地理A



東進


 タピオカミルクティーなど身近な題材を用いた出題に特徴があった。常識的に判断しやすい設問も多いが、構成の複雑な組み合わせ式の問題の割合が高く、やや細かい知識を要する設問もあり、前年より難化した。

河合塾


 出題構成は、第1問が「地理の基礎的事項および日本の自然環境と防災」から、「現代社会における地図と地理情報の活用」に変化。マーク数は30で、前年センター試験から4つ減少した。難易度は標準。センター試験と同様に、大半が教科書に準拠した問題で構成されており、図表から読み取りやすい問題が多く、判断に悩むものも少なかった。

データネット


 昨年センター試験と同様、地図・図表・写真などの多様な資料を用いた問題が中心。参照する資料の数は、写真、文章・表がそれぞれ増え、地図やグラフは減少した。複数の資料をあわせて考える出題がみられ、組合せの形式が増加した。解答数は昨年のセンター試験より減少。ページ数は増加し、問題量は昨年センター試験より増加。難易は昨年並。

地理B



東進


 センター試験に比べマーク数は3つ減っているが、設問の文章量や図版が多いため問題のページ数は同程度で、全体のボリューム感に変化はない。用語や地名の知識を問う設問は少なく、理論的な考察力や、多面的な理解が求められた。大問数・設問数・マーク数が減少した一方、難易度は難化した。

河合塾


 大問数は減少したが、ほとんどの問いで読み取りに時間のかかる資料が用いられており、時間的な余裕はない。試行調査にあった生徒の探求や会話といった場面設定の問題も出題された。単純な知識問題がほとんどなく、その場での読解力を要する資料や、思考力を要する問題が増え、これまでのセンター試験と比べても難しくなった。

データネット


 ほぼすべての設問において資料が出題され、地図、グラフ、写真など多様な資料が扱われた。昨年のセンター試験と比べ、複数の素材を組み合わせる出題が増加し、特に文章が数多く扱われた。ページ数は昨年のセンター試験並だったが、大問数、解答数は減少し、全体的な問題量はやや増加。難易はやや難化。

現代社会



東進


 出題形式にかなりの変化が見られたものの、政治・経済、現代社会の諸問題についての知識を前提とした判断を求める出題傾向となっている。学習の達成度が点数に反映しやすい内容であった。全体の難易度は前年より難化。

河合塾


 公表された作成方針に沿った内容で、資料の活用や議論の根拠を判別する能力が問われた。一方、知識を前提とする問題も少なくない。前年のセンター試験と比べて、マーク数は36から30に減少したが、設問文や資料の分量は増え、解答にやや時間がかかる。

データネット


 設問ごとに会話文や発表文がはさみこまれる形式が多く出題された。文章選択問題が減少し、組合せの問題と8択以上の問題が昨年のセンター試験より大幅に増加。「現代社会」の幅広い範囲からバランスよく出題された。問題量は、昨年センター試験より増加。難易は昨年センター試験並。

倫理



東進


 2018年の試行調査は従来のセンター試験と劇的に異なる形式だったが、今回の試験は従来のセンター試験型の設問も多く、やや変化を抑えた形になった。知識がなくても読解力・思考力で解ける設問も多かったため、平均点は比較的高かった昨年並みと考えられる。

河合塾


 センター試験に比べて、会話文と資料文を組み合わせるなど、思考力や読解力を問う設問が増えた。知識が問われる設問に関しては、基本から発展までバランスよく出題されており、地道に学習を重ねてきた受験生にとっては取り組みやすいものとなっている。

データネット


 文章選択問題が減少し、組合せ問題が増加した。昨年のセンター試験と比べて、図版や原典資料などが多く扱われた。特定の分野に偏ることなく幅広く出題。問題量は昨年センター試験並。難易はやや易化。

政治・経済



東進


 全体を通して見ると、問題のテーマは基本的ではあるが、単なる知識を使うだけでは解答を出すのは難しく、知識と知識を組み合わせて解答したり、論理的に思考して粘り強く解答にたどり着くことが強く求められている。難易度はやや難化。

河合塾


 センター試験と比較してマーク数は1割ほど減少したものの、読み取りの必要な資料や図表が多く、解答には時間がかかる。用語の丸暗記ではなく正確な理解が求められており難易度は高い。制度の概要や出来事の背景などについて確実な理解が求められる。

データネット


 「倫理、政治・経済」との共通の設問が4大問中3大問で出題された。基礎的事項の深い理解が求められ、具体的な事象にあてはめる問題や資料を読み取る問題がみられた。問題量は昨年センター試験並。難易はやや難化。

倫理、政治・経済



東進


 大問数が1題増加し、7題構成となった。小問数はセンター試験からは大きく減ったが、これまでになかった新しいタイプの設問は解答に時間がかかるため、全体としては少なくなったとはいえない。試行調査でみられた正解の組合せが複数存在する連動型タイプの設問はなかった。難易度はやや難化。

河合塾


 昨年のセンター試験と比べて、マーク数は1割ほど減少したが、思考力・判断力を試すという共通テストの作成方針を反映して、図や資料が多用されていることからページ数は増加した。すべての設問が「倫理」および「政治・経済」の科目からの流用となっている。

データネット


 昨年のセンター試験と同様、「倫理」および「政治・経済」の各分野から網羅的に出題された。問題量は、昨年のセンター試験に比べ増加。特に政治・経済分野で大幅に増加した。難易はやや難化。

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英語の分析…東進・河合塾・データネット速報まとめ
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《奥山直美》

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