【大学入学共通テスト2021】数学1の分析…東進・河合塾・データネット速報まとめ

 2021年1月17日、2021年度(令和3年度)大学入学共通テスト2日目「数学1」が終了した。東進、河合塾と、ベネッセコーポレーション・駿台予備校による「データネット」より提供を受け、数学1(数学I/数学I・数学A)の分析速報「科目別分析コメント」を紹介する。

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 2021年1月17日、2021年度(令和3年度)大学入学共通テスト2日目「数学1」が終了した。東進、河合塾と、ベネッセコーポレーション・駿台予備校による「データネット」より提供を受け、数学1(数学I/数学I・数学A)の大学入学共通テスト分析速報「科目別分析コメント」を紹介する。

数学I



東進


 大問4題を解答する形は、昨年までのセンター試験と同様。第1問〔1〕は「2次方程式」の解について、具体的な解を求めたり、解の公式を利用し、有理数解をもつ条件を会話文をヒントに考えたりする問題であった。〔2〕は「集合と命題」の問題であり、ある整数の集合をベン図を利用して考察する問題である。

 第2問「図形と計量」は、三角形の外部に正方形を3つくっつけた形の六角形を利用した問題であり、面積や外接円の半径の大きさを問うている。

 第3問は「2次関数」についての問題で、〔1〕では放物線の頂点、x軸との共有点が存在する条件、x軸が切り取る線分の長さを、〔2〕では陸上競技におけるピッチ、ストライドの関係を分析し、より速く走るための方法を考察する。第4問「データの分析」は、3つの産業の就業者数に関する問題で、箱ひげ図、ヒストグラム、散布図を読み解く。

 時間は60分から70分になったが、ページ数が8ページ増え、多くの受験生にとって時間的な余裕はなかったものと思われる。難易度はやや難化。

データネット


 昨年までのセンター試験の出題を踏襲しつつ、試行調査でも見られたような日常生活に関わる題材や対話形式の問題が出題された。また、第2問のように具体的な数値ではなく、一般的に条件が変化したときに適するものを選ぶ問題形式は目新しい出題であった。大問数は昨年のセンター試験と同様、4問ですべて必答。

 出題形式は、文章選択や図・グラフ選択、語句選択などが例年より多く出題された。昨年と異なり、第2問に図形と計量が出題され、第3問に2次関数が出題された。また、第3問の2次関数が中問形式で出題された。出題分野は、数学Iの全分野から出題。問題量は、昨年センター試験と比較して増加。

 難易度は、昨年センター試験よりやや難化。

数学I・数学A



東進


 必答問題が2題と、選択問題3題から2題の選択、合計4題を解答する形は、昨年までのセンター試験と同様であった。試験時間は60分から70分になったが、ページ数が7~8ページ増え、多くの受験生にとって時間的な余裕はなかったものと思われる。

 第1問〔1〕は「2次方程式」の解について、具体的な解を求めたり、解の公式を利用し、有理数解をもつ条件を会話文をヒントに考えたりする問題であった。第1問〔2〕「図形と計量」は、三角形の外部に正方形を3つくっつけた形の六角形を利用した問題であり、面積や外接円の半径の大小関係を問うている。

 第2問〔1〕「2次関数」では、陸上競技におけるピッチ、ストライドの関係を分析し、より速く走るための方法を考察する。第2問〔2〕「データの分析」は、3つの産業の就業者数に関する問題で、箱ひげ図、ヒストグラム、散布図を読み解く。

 第3問「場合の数と確率」は、複数の箱からくじを引く試行に関する条件付き確率の問題である。中盤からは太郎と花子、2人の生徒の会話に沿う形での出題となり、試行調査の出題形式を踏襲している。第4問「整数の性質」は、動点の移動に関して不定方程式の整数解から考察する問題である。第5問「図形の性質」では、図形の内接円、外接円に関する問題が出題された。

 難易度は、難化。

河合塾


 大問数は5題。第1・2問は数学Iの分野で必答問題、第3~5問は数学Aの分野で2題を選択する形式。試行調査で出題された日常の事象を題材にした問題が第2問に出題された。100メートル走を題材として、数学的に処理する内容であった。また、数学Aの分野についてはセンター試験から大きな変化はなかったが、確率の問題に会話文があった。全体として問題文の文章量については従来のセンター試験と比較して多くなった。

 第1問[2]は角や辺の長さが定まっていない図形を扱う新傾向の問題であった。特に、最後の設問は正弦定理と余弦定理を組み合わせて考えるところが難しい。第2問[1]は文章題で、的確に数式化できるかがポイントである。[2]のデータの分析は昨年のセンター試験と同じ傾向だったが、頻出の変量の変換に関する設問はなかった。第3問の確率は第2回の試行調査とよく似た問題で丁寧な誘導があり、考えやすかった。ただし、計算量は多かった。第4問、第5問は近年のセンター試験と同じ傾向であったが、どちらの大問も後半は難しかった。

データネット


 昨年センター試験と比較すると、大問数、配点は変わらず、一方で試験時間増加に伴い文章量や計算量は増加した。第1問、第3問の一部で会話形式の問題が出題され、第2問「2次関数」で陸上競技のストライドとピッチに関する現実の事象を題材とする問題が出題された。大問数は昨年のセンター試験と同様、5問。第1問、第2問は必答で、第3問~第5問から2大問選択する形式であった。必答の第1問と第2問はどちらも2中問形式であった。

 出題形式は、昨年のセンター試験同様、数値を答える形式が中心であったが、適切な語句や文章を選択する問題が10題程度出題された。必答問題の第1問は、数学の事象に関する問題、第2問は現実の事象に関する問題が出題された。また、第1問〔1〕と第3問で会話形式の問題が出題された。

 出題分野は、集合と命題を除くすべての分野から出題された。ただし、数学Aの3分野からは、2分野選択。問題量は、総ページ数が23~24ページで、昨年のセンター試験より増加した。

 難易度は、昨年センター試験並。

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