日本の高校生、趣味やバイトへの関心高い…4か国調査

 日本の高校生は、学校内の行事や部活、生徒会活動への関心が高く、学校外では趣味やアルバイト等の私的な事柄への関心が高まる傾向にあることが、国立青少年教育振興機構が2021年6月22日に発表した調査結果より明らかになった。

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日本の若者の社会参加に関する意識の傾向
  • 日本の若者の社会参加に関する意識の傾向
  • 学校でa.~e.の活動に積極的に参加しているか(「積極的に参加している」と回答した者の割合)
  • 学校の生徒自治活動(生徒会活動や学校に要望を出すなど生徒が独自に行う活動)に参加したいか
  • a.~k.の活動にどのくらい関心を持っているか(「とても関心がある」「まあ関心がある」と回答した者の割合)
 日本の高校生は、学校内の行事や部活、生徒会活動への関心が高く、学校外では趣味やアルバイト等の私的な事柄への関心が高まる傾向にあることが、国立青少年教育振興機構が2021年6月22日に発表した調査結果より明らかになった。

 高校生の社会参加に関する意識調査報告書は、高校生の社会参加に関する意識や実態を把握することが目的。米国・中国・韓国でも同時に実施し、諸外国と比較することで、日本の特徴や課題を分析し、若者の社会参加の推進を図る。調査時期は2020年9月(米国のみ10月)~12月(日本のみ2021年2月)。有効回答者数は、日本が4,623人、米国が1,300人、中国が5,019人、韓国が1,526人。

 学校内の活動について、日本の高校生は「学校行事(運動会や文化祭等)」「部活やクラブ活動」に「積極的に参加している」と回答した者の割合がいずれも約6割で、4か国中もっとも高い。しかし、学校の生徒自治活動に「とても参加したい」「まあ参加したい」と回答した割合は40.2%で、中国の79.5%、韓国の72.0%、米国の47.0%に比べてもっとも低い。つまり、学校行事やクラブ活動への参加意欲は高いが、生徒による自治活動への参加意欲は低いことが明らかになった。

 学校外の活動について、日本の高校生は「趣味に関する活動」「アルバイトや仕事」に「とても関心がある」「まあ関心がある」と回答した者の割合がいずれも8割を超えている。一方、「地域の子ども・若者の交流活動(子ども会等)」「政策に対する意見表明に関する活動」に「とても関心がある」「まあ関心がある」と回答した割合が米国・中国・韓国に比べて8ポイント以上低い。

 国立青少年教育振興機構青少年教育研究センター研究員の両角達平氏は、日本の高校生の社会参加に関する意識の傾向について、縦軸を「学校内・外」、横軸を「公・私」として図式化した。図より、日本の若者は学校内の行事や部活、生徒会活動への関心は高いが、学校外では私的な事柄への関心が高まるという特徴がみられた。4か国間で比較すると、日本の高校生は「社会参加志向」の因子得点が他の3か国を大きく下回り、「自分本位」の因子得点が韓国についで2番目に高い。近年の日本の子供や若者は幼少期よりさまざまなストレスにさらされていることから、「自分のことを守りたい」という深層心理の現れかもしれない、と考察している。
《工藤めぐみ》

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