「情報」で教育の地域格差を乗り越える…松野知紀さん×SpesDen久保山皓平さん対談

 「いつでも、どこにいても、自分のペースで学べる」ことが大きなメリットとされるオンライン学習は、教育の地域格差を解消する手段となり得るのだろうか。茨城県の公立校から米ハーバード大学に進学する松野知紀さんとSpesDenの久保山皓平さんに話を聞いた。

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「情報」で教育の地域格差を乗り越える…松野知紀さん×SpesDen久保山皓平さん対談
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  • SpesDen久保山皓平さん
  • 2021秋からハーバード大学に進学する松野知紀さん
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  • SpesDenが提供する学習支援アプリ
  • 米ハーバード大学
  • 海外では社会生活における学びが重要視される傾向にある
 未だ収束の兆しの見えないコロナ禍において、生活様式と同様に教育環境も大きく変化している。GIGAスクール構想の早期実現に向けたICT環境整備の前倒しをはじめ、学校・家庭を問わずオンライン学習が急速に浸透しつつある。

 「いつでも、どこにいても、自分のペースで学べる」ことが大きなメリットとされるオンライン学習は、教育の地域格差を解消する手段となり得るのだろうか。以前リセマムで取材した、松野知紀さんとSpesDenの久保山皓平さんに対談形式で話を聞いた。

--本日はよろしくお願いいたします。まずお互いに自己紹介をお願いします。

松野さん:松野知紀と申します。茨城県出身で、中高一貫校の県立日立第一高等学校に通っていました。初めてリセマムの取材を受けたのは、国際学生サミット「MG20」に出場した高校2年生の時です。今は、2021年春に合格した米ハーバード大学での9月からの授業開始に向けて準備をしているところです。

久保山さん:久保山皓平と申します。福岡県出身で、中学入学と同時に親元を離れて鹿児島県の中高一貫校で寮生活をし、大学は東京大学に進学しました。2020年2月に大学の同級生と2人で「SpesDen」というユニットを組み、授業動画検索サービス「okedou」と用語検索サービス「okedic」を立ち上げました。リセマムに取材していただいたのは、新型コロナが騒がれはじめたタイミングで、サービス立ち上げ1か月くらいの時でした。その後、2020年5月に起業し正式に法人化してサービスの拡充に取り組んでいます。

身をもって経験した教育の地域格差



--松野さんは以前のインタビューで教育の地域格差に関してお話されていたのが印象的でした。実際どのような格差を感じていたのか、当時の気持ちも含めて具体的に教えていただけますか。

松野さん:私は高校3年間、英語のディベートや課外活動の履歴を提出する必要があるにも関わらず、そういった催しの参加者が首都圏の学生に偏っていたことに、違和感を感じていました。ディベートの大会や課外活動自体も東京・神奈川・埼玉南部あたりだと数多く行われていて、茨城などの地方ではがくっと数が下がる。そこの差がなぜ生まれているのだろうと思っていました。

 首都圏と地方では教育のリソースの量に差があって、必然的に教育の種類や内容にも差が出るなと感じました。そのせいか「東京とは違うから仕方ない」と、自分の限界を決めつけて、卑屈になってしまっている学生も多い気がします。

 こうした状況は海外大学の受験者人数にもつながっていて、海外の大学を受験する際、課外活動での実績を積んでおくことが必要にもかかわらず、地方の学生はそうした情報を知らない、または積極的に参加しないので、いざ海外大を目指そうと思った時になかなか行けないという現状があるのかなと感じました。

2021秋からハーバード大学に進学する松野知紀さん「首都圏と地方では教育のリソースの量に差がある」と話す松野知紀さん

久保山さん:ところで、松野さんが海外大を目指したきっかけは何だったんですか。

松野さん:小さいころから海外旅行に何度か連れて行ってもらううちに、漠然と「海外」そのものに憧れるようになりました。ただ父はシステムエンジニアで母は専業主婦のごく一般的な家庭なので、両親ともに海外居住経験もなく、もちろん帰国子女でもないんです。海外旅行から芽生えた憧れが、海外大進学に具体的につながったのはなぜだろうと自分で振り返った時に、私の元来の性格としての無謀なまでの思い切りの良さが鍵だったのかなと。憧れと関心の赴くままに、小さなころからいろいろな場面で「もしかしたらできるかもしれない」「できた」という成功体験を積み重ねたことで、地方特有の劣等感を抱くことなく、地方公立校出身でありながらも、もある意味無謀にも海外大に挑戦できたのだと思います。

格差解消のキーワードは「情報」



松野さん:久保山さんの前回のインタビュー記事も拝読しました。久保山さんも教育の地域格差に苦しんだ経験があるとお話しされていましたね。

久保山さん:私は中学高校と鹿児島で寮生活をしていて、当時は高校生活が楽しくて、外に視野を広げようという発想はありませんでした。格差を実感したのは東京の大学に進学してからです。

 1つ目は、その時々の自分のレベルに合った内容を学べる環境が首都圏にはあるということです。中高一貫校在学当時の私は、応援団の団長になることに憧れてたんですが「応援団長は現役で東大には受からない」というジンクスがあって(笑)。高校3年の9月に最後の体育祭があるので、それまで受験勉強の時間が確保できないという意味です。「体育祭の準備が本格化するまでに東大に受かる力を付けておけば、心置きなく応援団長を全うできる」と切り替えて、学校の勉強と並行して自力で受験勉強を始めました。

 塾や予備校の種類も少なく、学校としても「学校の授業やテストについていけば大学合格できる」という方針だったので、苦しみながら自力で突破しなければならないという状況でした。いざ東京に出てみると学校以外でも学びたいことを学びたいときに学べる環境があることにとても驚いて、格差を痛感しましたね。進度、レベル、学び方など個別のニーズは無限にあるので、学校の先生がすべてに対応するのはなかなか難しいと思います。

 2つ目は、地方には大学に関する「生」の情報が少ないという点です。大学の友人に塾や予備校でチューターのバイトを始める人がいたのですが、塾に行けばチューターとして自分の憧れる大学の先輩がいて、何でも相談できるという環境はすごく恵まれているなと感じました。身近にロールモデルがいれば、入学後に何をするか、学校生活の実態について気軽に聞くこともできるし、それゆえ具体的な進路を描きやすく、逆算して行動できるのは、地方ではなかなか得られない状況だと思います。自分の世界を広げてくれる存在に、触れようと思えば触れられる機会は貴重ですね。

SpesDen久保山皓平さん「ロールモデルに触れられる機会はとても魅力的」と話す久保山皓平

松野さん:確かに生身の先輩から得られる情報と文字だけで得られる情報は違ってきますよね。偏差値や大学名、学部名とか、パンフレットや学校のWebページだけで情報収集せざるを得ない状況では、文字情報だけでは頭でっかちになってしまう気がします。

久保山さん:そうですね。その点、松野さんはどうやって参加するイベントや大会の情報や進学先の情報を収集されていたんですか。

松野さん:インターネット上の情報をメインに収集していたのですが、特に個人が発信するよりリアルな情報が集約されているTwitterやFacebookなどのSNSを使っていました。Twitterは高校生向けのイベント情報を集めているアカウントがあったり、Facebookは高校生同士がイベント情報を持ち寄るグループがあったりして、基本的にイベントに関する情報はそうしたところから収集して、面白そうだなと思うものには思いきって応募したり、詳細は自分で調べるという流れをとっていました。

久保山さん:地元の同級生も同じようにSNSを活用していましたか。

松野さん:利用している子はかなり多かったですが、フォローしているアカウントは友達とか趣味のアカウントが中心で、自分の学びに活用する感じではなかったように思います。学びに使っていても、勉強用とプライベートのアカウントを分けている場合が多かったです。

久保山さん:なるほど。松野さんが情報収集の際に心がけていたことはありますか。

松野さん:情報の解釈や、自分からの発信・共有の仕方には気を付けていました。高校時代にディベート部のキャプテンをしていて「どうしたら勝てるんだろう」「どうしたらチームメイトのモチベーションが上がるだろう」とずっと考えていました。そこでもSNSを活用して情報を集めたわけなのですが、インターネット上に出回っているディベートのスキルに関する情報やワークシートは専門的な内容や、高度な英語力がある前提で書かれているものが多くて。そのままの内容をチームメイトに共有したところで、おそらく響かないだろうなと思ったので、ネットの情報をそのまま展開するのではなく、自分たちのチームの具体的な問題点に落とし込む等、伝える相手によって情報をパーソナライズするようにしていました。

久保山さん:高校生目線で生の情報を集めるという点と、ネット上の情報を鵜呑みにせずに意義のある情報を噛み砕いて伝えるという咀嚼力と心構えがポイントになりそうですね。

教育の地域格差解消を目指すSpesDenの今



松野さん:久保山さんはどのような経緯で事業を始められたんですか?

久保山さん:教育に関しては、大学1年で東京に出てきてからずっと関心はありましたが、教育関連の仕事を生業にできる自信はありませんでした。なので、まずは自分が社会にインパクトを残せる仕事をして、その後で自らの教育への関わり方を考えたうえで携わろうと思い、大学卒業後はまず財務省に入省しました。

 その後、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の大学院にMBA留学したんです。その時にたまたまYouTube上で自分が受験した年の東大の入試問題の解説をされている方の動画に出会いました。当時自分が解けなかった問題を、めちゃくちゃわかりやすく解説していて、しかも無料で見られる。すごいなと衝撃を受けました。

 それをきっかけに調べていくと、YouTube上には各教科の幅広いレベルのわかりやすい動画があることに気付きました。でも体系的にキュレーション(整理)されている状態ではなく、探しにくくて。これをもっと検索しやすい形にすれば、学びたい気持ちさえあれば全国どこにいても、個別のニーズにそって学べる環境をつくり出せると思い、すぐに大学時代の友人と一緒にサイトをつくってみました。財務省を退職して、2020年5月に法人化し、軸足を完全に移しました。

 昨年10月にもう1人アプリのエンジニアをメンバーに迎え入れることができ、サービスの幅を広げることができました。創立当初から志を共にしている友人は、まだ大阪で会社員をしながら共同経営者をしているので、作業も完全リモートで進めています。まさにニューノーマルな働き方ですね。

SpesDenが提供する学習支援アプリ授業動画検索、用語検索」、勉強情報発信サービスをまとめたアプリ「okke」もリリース

松野さん:きっかけは、たまたま見つけたYouTube動画だったんですね。

久保山さん:YouTubeならではの誘惑は除いて、わかりやすい形で集約して、さらに動画だけじゃなく辞書機能やまとめ記事も付けたりしています。前回取材していただいた2020年3月時点では、2,500本すべて数学の内容だったんですが、現在は全科目全単元を網羅することができ、動画の本数も2万本を超えました。基本的にYouTuberの方がつくった動画を埋め込みして集約している形ですが、新たにコラボ動画を作成したりもしています。「ここに来れば今学びたいことを学べる」というアプリ「okke」をつくっています。動画の構成や話し方で合う合わないがあると思うので、次は2万本ある動画と視聴者の好みとのマッチングを狙いたいなと思っています。

オンライン学習のより良い活用法とは



--コロナ禍を経てオンラインで受けられる教育サービスが増えてきた印象です。それらを学習に活用する際の心構えや、良い活用法について教えてください

久保山さん:自分たちのサービスも含めオンラインの教育サービスは基本的に情報を取り入れる、学力を効率よく上げるためのものが多いですよね。でも学力を上げることは手段でしかなく、将来自分は何がしたいんだろう、叶えるためには何をすれば良いんだろうと考える時間も大切だと思うんです。手段としての勉強を効率化できた分、あとで後悔しないように、目的をじっくり考える時間に充ててほしいなと思いますね。そのような時間を周囲がつくることも大事だと思います。

松野さん:個別最適化された勉強をすることで自分のペースにあった学びができるからこそ、圧縮して空いた時間をきちんと使いたいですよね。

情報を選び取る姿勢



久保山さん:松野さんがアクションを起こすとき、自分の大きなビジョンがあってそれに向かって今この学びを選ぶという感覚ですか。それとも、目の前に立ち現れたものに対して、そこから何が得られるかを掘り下げて選び取っている感覚ですか。

松野さん:感覚としてはたぶん後者に近いと思います。たとえば、大学受験というゴールに向かって何が必要かっていうのを逆算して戦略的にやるのが前者だと思いますが、私の場合は少し違っていて。

 先ほど私の性格として「思い切りの良さ」の話をしましたが、何も考えずにアクションをするという意味ではないんです。ただ、自分のスキルが見合っているか、自分に上手くできるのか、大きな目的達成までの過程のどこに位置づくのかなど、細かいことはあまり考えません。たとえば、帰国子女で英語ペラペラの子たちがたくさん参加するイベントでも、「自分は無理」と一線を引くことなく、そのイベントに参加することで、今自分に不足しているディベートスキルの向上が見込めるのであれば参加してみる、という感じです。

久保山さん:なるほど。情報は吟味するけれど、その際に「自分の実力相当のものであるか否か」という指標の優先度は高くないということですね。松野さんのように、情報を選択する際の判断指標がある子は良いけれど、まだ選ぶ力がない子には難しい。地方は同調圧力が強いように感じますし、「自ら情報を選び取る力」においても地域格差があるように思いますね。

日本とアメリカ、都会と地方の教育の差とは



--留学や入学準備をされる中で日本とアメリカの教育の違いや、差を感じることはありますか。

松野さん:日本の大学生は、教授が教えるクラスが勉強の場で、その日の授業が終わったら、アルバイトなど自分のフリーの時間を過ごすイメージです。アメリカの大学ももちろんさまざまだとは思いますが、入学準備にあたり先輩などに聞いたところによると、ハーバード大では、クラス以外の学びの機会に大学側も学生も重きを置いているようです。クラブ活動はもちろん、授業がない時に街に出てボランティア活動やインターンをするとか、アカデミックとソーシャルライフを区別せず、私生活での活動も学びの一環として捉えている印象があります。

久保山さん:自分が留学した時に驚いたのが、寮で大学4年生が下級生にプログラミングを教えていて。僕はビジネススクールでしたが、コンピュータサイエンスも勉強したかったので仲間に入れてもらってプログラミング等を教わりました。それがすごく良い文化だなと思ったんです。授業とは関係ない内容もコミュニティで勉強したり、周囲のベンチャー企業で修行したり、教わる側も教える側もスキルが蓄積することもできて。そういうところが日本と違ってすごく良いなと感じましたね。

米ハーバード大学「海外では学びと日常との距離が近い」(松野知紀さん)

松野さん:そう考えると日本国内においても、課外活動の機会が豊富にある首都圏の方が、学びと日常の距離が近い気がしますね。

久保山さん:学びたいことがあってもそれを実現できるリアルな機会やコンテンツが、地方は少ないですよね。たとえば、数学好きだなと思っても地方だと学校の授業で学ぶ数学がすべてになってしまう。それが都会だと「数学オリンピック目指すためのプログラムに参加してみよう」といった選択肢も選ぶことができる。そういう差を埋められるようなサービスとして、教育プログラムのオンライン開催も増えてきていますね。

松野さん:コロナの影響もあり、かなり増えた印象がありますね。MIT(マサチューセッツ工科大学)も今年、日本人の中高生のためだけに、確か日本語でサマーコースをやるという話を聞きました。コロナ禍もあってオンラインの流れは明らかに加速しているので、上手く使うことができれば、首都圏も地方も学びの環境へのアクセスのしやすさが変わらない時代が来るんじゃないかと期待しています。

自ら道を切り拓く子供を育てるために親ができること



--先ほど松野さんから「地方特有の劣等感」というコメントがありましたね。前回の取材でも「(地方には)無意識に田舎で暮らす自分たちを卑下してしまっている子が多いように感じる」と仰っていましたが、そういったマインドを払拭するにはどうしたら良いでしょうか?

松野さん:どれだけ情報やリソースがあってもそれを使う気にならなければ何の意味がないと思うので、そういったマインドは変えていきたいですね。ただ払拭するのは、非常に難しい課題です。

久保山さん:まず1つは、外の世界を正しく知るということが鍵だと思います。自分自身に関していうと、中学3年生の時に初めて全国模試を受けた時に目が覚めました。それまでは校内のテストのためだけに勉強していましたが、初めて全国を知った時に「自分には果たして本当に力が付いてるのか」と焦燥感に駆られて、能動的に勉強する姿勢に変わりましたね。外の世界を知ったうえで、劣等感を抱くのではなく、自分自身の可能性の広がりとして、能動的なアクションを起こすことができたのは良かったと思います。

 もう1つは、挑戦して失敗しても応援してくれるという、周囲のサポートでしょうか。私の場合は、地元から鹿児島県の全寮制の中高一貫校に進学を希望した際に、後押ししてくれた両親の存在は心強かったです。「自分で考えろ」がわが家の教育方針だったので、入寮する時の荷物の準備や部屋の整理もすべて自分でやりましたが、それでいて困ったら相談に乗ってくれましたし、すべてを自分に任せられていたことで信頼されている実感もあって、今思い返すとそれが自信につながっているように思います。

松野さん:私も中学1年生から全国模試は受けました。久保山さんと同じく中高一貫校だったので、環境的に恵まれていたのかもしれません。それに加え、家族が自分を尊重してくれたところも共通しているなと思いました。たとえば、小学生の時に自分の興味で「やりたい」とお願いした習い事はすべてやらせてくれて。同時期ではないですが、結果7つくらいやってましたね。地元の商工会議所のイベントで、珠玉や木枠を組み合わせて、そろばんをつくるワークショップに参加した後に、そこから関心をもってそろばん教室に通ったこともありました。

久保山さん:地方であっても、探せば、さまざまな地域の催しがありますよね。そういったイベントへの参加のきっかけはご両親ですか?

「情報」で教育の地域格差を乗り越える…松野知紀さん×SpesDen久保山皓平さん対談家族からの信頼感ゆえ、思いきって挑戦することができたという2人

松野さん:はじめは親が情報を得て「今度行かない?」と誘われた記憶があります。そこで楽しい思い出ができて以降は、チラシなどから自分で探すこともありました。それを積み重ねたことで、自分からいろいろな場へ参加することへの抵抗が他の人に比べて少ないのかなと思います。

情報で描いた「地図」を片手に飛び出す勇気を



--とても参考になるお話ありがとうございます。最後に全国の高校生にメッセージをお願いします。

松野さん:私は楽観的で、思い切りが良いところが根底にあって「とりあえずやってみよう」という気持ちで今まで生きてきました。それが意外にも良く働いている気がします。「自分には無理」と一線を引くのではなく、とりあえず軽い気持ちでも何か始めるというのが大事なのかなと思います。もちろん、結果がどうなのか、過程で何をすべきか考えたり、結果を深く想定することも良いとは思いますが、そこにあまりこだわりすぎて動けなくなるよりも、まずはポンと飛び込んでみる思い切りを大切にしてほしいなと思います。

久保山さん:私は高校卒業して10年経ちますが、高校3年間はすごく楽しかったし良い時間でした。なので、3年間という時間をまずは大事にしてほしいと思います。何気なく惰性で日々を過ごしてしまっている高校生がいたら、何かしら自分が好きなことに打ち込んでみてほしいですね。そうするうちに行動力が身に付くようになります。

 一方で、その行動力を使って目的地まで歩くには、地図が必要です。私は情報こそが地図に値するものだと思っています。行動力と情報は両輪で、どちらも必要。どちらが先ということもなくて、動いていれば情報量は増えるし、その地図を書き換えながら歩くこともできます。大学入学、就職などの節目で、目的地は変わってきます。自分で情報を集めて、選択して、地図をつくった経験がないと、目的地が変わるたびに進むべき方向を見失ってしまいます。自分が楽しいと思えるものを切り口に情報を得て、実際に行動してみるという経験をぜひしてみてほしいですね。

--ご自身の経験や歴史を踏まえたリアルなお話ありがとうございました。
《編集部》

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