凸版印刷、新たな博物館の楽しみ方を提供…高精度AR活用

 凸版印刷は、新たな博物館ガイドシステムを開発し、2021年10月26日より提供を開始する。このシステムはスマートフォンをかざすだけで、実際の展示物にさまざまなコンテンツを高精度に重ね合わせることができるもの。

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新システム イメージ図
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  • 実際に展示物にARコンテンツを重ね合わせたようす
 凸版印刷は、新たな博物館ガイドシステムを開発し、2021年10月26日より提供を開始する。このシステムは、スマートフォンをかざすだけで実際の展示物にさまざまなコンテンツを高精度に重ね合わせることができるもの。

 同システムのコンセプトは「博物館をもっと楽しくする」。スマートフォンのカメラ越しに現実の博物館や展示物を見ると、CG映像や解説情報等の実際には存在しないはずのコンテンツを重ねて表示し、現実の博物館における文化体験を拡張できる。

 近年の博物館には、本来の保存、収集、教育、普及といった機能のみならず、地域振興や観光資源のような地域課題への対応が求められる等、役割の多様化が見られる。また、コロナ禍において、デジタル技術を活用した鑑賞方法の充実、デジタルアーカイブ等のデジタルを用いた博物館の新たな楽しみ方も普及し始めている。

 凸版印刷では、このような博物館の現状を受け、新たな博物館の鑑賞体験を実現するとともに、より多くの情報を伝達、多言語対応することによって、利便性向上、周辺地域への興味波及等を目標としたシステムの開発を行なった。

 このシステムの実現において、VPS技術と呼ばれる、スマートフォンのカメラから取得する画像情報から利用者の位置情報を取得するものが活用されており、誤差数センチ以内で展示物と重ね合わせるコンテンツ表示が可能となった。

 同システムの提供により、データベース上で展示物を説明、管理するため、手作業で行なっていた展示物の更新、多言語対応等が効率的に行えるようになった。

 従来、紙やボードで行なっていた展示説明文等がデジタル化され、面積やスペースの制約はなくなり、より多くの情報伝達が可能となった。

 また、「nomachi」という、施設の混雑状況等をスマートフォンやサイネージからリアルタイムで把握できるサービスを利用することで、センサー情報と連携。利用者の鑑賞導線の管理、誘導も「ARミュージアム」上で行えるため、効率的な博物館運営を実現。

 提供開始に先立って、2021年10月13日より、港区立みなと科学館で開催されている企画展「未来とつながる5G展~社会の多様性を支える通信技術~」内「4G/5Gの速度比較コーナー」にて、体験ができる。

 凸版印刷は、同システムの他に遠隔体験技術「IoA仮装テレポーテーション」等、XR技術を活用したサービスをパッケージ化する予定。これによって博物館、文化施設の価値をさらに高めるとともに、博物館運営をはじめとしたコミュニケーションビジネス全体で、2025年までに約30億円の売り上げを目指す。
《高垣愛》

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