【大学入学共通テスト2022】平均点大幅ダウンの試験データを分析…旺文社

 旺文社教育情報センターは2022年3月10日、「共通テスト2年目 平均点大幅ダウン!」と題した2022年度大学入学共通テストのビジュアルデータ分析をWebサイトに公開した。多くの科目で平均点が下がった試験を振り返り、科目別平均点や出題傾向等を分析している。

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2022年共通テスト志願・受験状況 (c) 2022 旺文社 教育情報センター
  • 2022年共通テスト志願・受験状況 (c) 2022 旺文社 教育情報センター
  • 2022年度大学入学共通テスト(本試験)平均点等一覧(確定) (c) 2022 旺文社 教育情報センター
 旺文社教育情報センターは2022年3月10日、「共通テスト2年目 平均点大幅ダウン!」と題した2022年度大学入学共通テスト(以下、共通テスト)のビジュアルデータ分析をWebサイトに公開した。多くの科目で平均点が下がった試験を振り返り、科目別平均点や出題傾向等を分析している。

 「2022年共通テスト ビジュアルデータ分析」は、2回目となった2022年度共通テストの結果について、旺文社教育情報センターが概況とともに、過年度実績からの推移データを示したもの。「全体状況(志願、受験、平均点)」「科目別の平均点」「主要科目のスタナイン」で構成している。

 全体状況によると、2022年度共通テストの志願者は前年度比99.1%の53万367人。追試験の受験許可を受けた者は前年度より61人減の1,660人だったが、コロナ(感染、濃厚接触)を理由に追試験受験を許可された者は465人と前年度から倍増した。

 受験率(受験者数÷志願者数)は92.08%。過去最低だった前年度より1.63ポイント上昇したものの、依然として低い水準となっている。前年度と同様、総合型選抜や学校推薦型選抜ですでに合格している者が、コロナ感染拡大を受け「無理して受けない」という動きをしたと考えられるという。

 科目別平均点は、30科目中19科目でダウン。もっとも平均点があがった「英語(R+L)」のアップ幅6.29点に対し、「生物」23.83点減、「数学I・A」19.72点減、「数学I」17.22点減、「数学II・B」16.87点減等、下がった科目のダウン幅は総じて大きい。文系型・理系型ともに国公立大志願者が受験する「基幹3教科(国+数I・A+数II・B+英)」の平均点合計(600点満点)も37.55点減の312.53点(得点率52.1%)となっている。

 出題傾向全般では、前年度同様、複数の資料が提示されその情報を整理・統合して解答する問題、必要な情報を抽出して解答する問題、知識だけでなく知識を活用して解く問題、学習の場面(生徒のメモや生徒同士の会話等)が設定された問題の出題が目についた。思考力だけでなく、読解力や情報処理能力も問われ、読む分量が増えた科目も少なくなかったという。

 共通テストから導入された成績表示方法「段階表示(スタナイン)」では、各科目の受験者を得点順におよそ4%、7%、12%、17%、20%、17%、12%、7%、4%の群に分割する。平均点大幅ダウンで話題となった「数学I・A」のスタナインをみると、得点上位4%の幅が71~100点と広い。上位23%の高得点者層が得点50点まで分布し、残りの77%の受験生が49点以下にひしめきあっている。「受験者の60%は40点以下に分布していることも読み取れる」としている。
《奥山直美》

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