日本私立大学協会は2022年3月28日、「私立大学ファクトブック2022－エビデンスから見た私立大学の社会的役割－」を公開した。グラフや表を交えて私立大学をめぐる現状をわかりやすく紹介している。 「私立大学ファクトブック2022－エビデンスから見た私立大学の社会的役割－」は、日本私立大学協会附置私学高等教育研究所が、2022年3月版として刊行。私立大学の役割と課題を認識するため、具体的な評価指標をもとに特徴をグラフや表を添付してわかりやすくまとめている。 「私立大学の現状と国公私立大学の比較」「私立大学の職業分野ごとの採用状況」「私立大学のガバナンスに関する現況調査の概況」の3部で構成。第1部では、私立大学の在籍者数や補助金の推移、施設の耐震改修状況等を掲載。2021年はコロナ禍の家計悪化の影響もあり入学者数が減少し、定員充足率が全国的に低下している現状等を伝えている。 地域別の定員充足率は、関東（4都県を除く）104.6％、東京100.8％、北海道100.5％、近畿100.3％、中部（三重を含む）99.7％、埼玉・千葉・神奈川99.5％等。東京都に所在する私立大学は、定員管理の厳格化や23区内の定員抑制の影響を受け、実員の定員化を図り、入学者数を絞っているが、「峠は越したようである。これから再拡大する可能性がある」と分析している。 第2部では、職業分野ごとの人材供給について私立大学卒業生が占める国家試験等の合格者数等の割合に注目。合格者に占める私立大学出身者は、司法試験48.8％、小学校教員採用56.7％、中学校教員採用57.6％、高校教員採用58.8％、医師国家試験36.2％、歯科医師国家試験71.6％、薬剤師国家試験92.3％、看護師国家試験69.7％等とまとめている。 第3部は、2021年10月6日～11月2日に全私立大学（株式会社立を除く）622大学の理事長・学長を対象に実施した「私立大学のガバナンスに関する現況調査」の概況を紹介。理事の人数、理事のうち親族の割合、現理事長の在任年数等、私立大学のガバナンスの現状を明らかにしている。 「私立大学ファクトブック2022」は、日本私立大学協会Webサイトから閲覧できる。
