国土交通省は6月9日、踏切道での安全対策を強化するため「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」を改定したと発表した。
奈良県内で今年4月、視覚に障害のある人が踏切内で列車に接触して亡くなる事故が発生した。これらを受けて今回、視覚障害者団体、学識経験者と検討した上で「道路の移動等円滑化に関するガイドライン」を改定した。
具体的な改定内容は、踏切道での視覚障害者の誘導についての整備内容を明確に規定する。具体的には、踏切手前部での視覚障害者誘導用ブロックの設置を標準的な整備内容とする。また、踏切内での表面に凹凸のある誘導表示の設置を望ましい整備内容とする。
また、特定道路では、歩道の踏切道手前部に、点状ブロックによる踏切道を注意喚起するとともに、線状ブロックを部分的に設置することで、注意喚起する点状ブロックに適切に誘導することを定める。
踏切道内には、鉄道事業者とも連携し、視覚障害者が車道や線路に誤って進入することを防ぐとともに踏切の外にいると誤認することを回避するため「表面に凹凸のついた誘導表示など」(歩道に設置する視覚障害者誘導用ブロックとは異なる形式)を設けることが望ましいとする。この場合、踏切道手前部に設置する線状ブロックで示す移動方向と、踏切内での誘導表示が示す移動方向を直線的に連続させるようにするものとする。