2022年度京都大学一般選抜における合格者最低点は、前年度(2021年度)から上昇した学部・学科が多く、特に理系学科はすべての学部・学科で上昇した。2022年度は共通テストが大きく難化したが、その影響で最低合格点が下がることはなく、合格者平均点も同様に上昇。京大研究室は「昨年度よりも2次試験が比較的得点しやすかったとみられる」と分析している。
京大研究室によると、学部間で配点等が異なることを度外視して単純比較すると、文系学部のうち、合格者最低得点率がもっとも高かったのは文学部で、過去10年間でもっとも高い得点率。法学部も過去10年でもっとも高い得点率となった。
一方、前年度もっとも高い得点率だった経済学部(文系)はやや低下し、教育学部(文系)についで低い得点率だった。前年度大きく得点率が上昇した総合人間学部(文系)は、2005年度以降でもっとも少ない志願者数だったことも影響してか、ほぼ横ばいにとどまった。
文系学部の最低得点率は、学部間差がかなり小さく、もっとも低い教育学部(文系)ともっとも高い文学部で2%を超えない範囲で収まった。配点等が異なるため正確な比較は難しいものの、結果として合格に必要な得点率に大きな上下関係はみられず、学部間の合格難易度の差は例年より小さかったという。
合格者最低点が軒並み上昇した理系学部のうち、医学部医学科や工学部では約3~4%上昇。特に医学部医学科は過去10年でもっとも高い得点率となった。医学部医学科は2005年度以降最少の志願者数だったが、京大研究室は「合格者のレベル低下につながることはなかったとみられる」と分析。医学部医学科と同様に2005年度以降最少の志願者数だった理学部は、前年度からの得点率の上昇幅が理系学部の中でもっとも小さくなった。
京大研究室では、2022年度一般選抜の合格者データをもとに受験生に向けて、「共通テストの重要性」「2次試験で合格に必要となる得点」等を解説。共通テストと2次試験でそれぞれ目標点を設定するようアドバイスしている。