【高校受験2023】神奈川県公立入試<社会>講評…昨年並みからやや難化

 リセマムでは、湘南ゼミナールの協力を得て、「社会」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても、同様に掲載する。

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高校受験2023 神奈川県 社会
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 2023年2月14日(火)、令和5年度(2023年度)神奈川県公立高等学校入学者選抜共通選抜が実施された。全日制課程の確定志願状況は、募集人員4万930人に対し4万8,082人が出願し、競争率は1.17倍となった。

 リセマムでは、湘南ゼミナールの協力を得て、「社会」の講評を速報する。この他の教科(全5教科)についても、同様に掲載する。

<社会>講評
(湘南ゼミナール 提供)

 昨年度と比べて難易度は昨年並みからやや難化といえる。全県平均は2点ほど下降するのではないか。全体の大問構成がすべてマークシート式であったことも昨年度と同様であった。問題数は昨年度より1問多い33問。昨年度増加した6択や8択の問題がさらに2問増加した。

 問1・問2の地理は、基本的な知識を問う問題とともに、資料を読み取る問題が多く出題された。日付変更線をまたぐ問題が4年ぶりに出題された。過去の問題と同様の地図が出題されていることからも、過去問を繰り返し解くことが重要であるといえる。特徴的であったのは問2の(エ)。雨温図の読み取りではなく、気候区分の特徴を説明した文章を選ばせる問題であった。難易度は高くないが、学習内容を図式化する力だけでなく、言語化する力も求められる。

 問3・問4の歴史は、全体的に難易度がやや高い。出来事の時期を覚えているだけでなく、その出来事が起きた背景やその結果まで正確に学習していないと、自信を持って正答を導けないだろう。問4の(エ)は、資料の傍線部のみで判断して設問を見落とすと、誤答の選択肢に引っかかってしまうおそれがある。情報の取りこぼしをしない正確な読解力が求められる。

 問5・問6の公民は、資料読み取りが中心で、かつ細かな知識と組み合わせて判断する問題が見られた。問5の(イ)では、資料を読み取りつつ、一人世帯の増加や労働基準法に定められた週の労働時間が40時間であるという知識と組み合わせなければ判断できない問題であった。

 問7は、昨年度と同様に、地理・歴史・公民の融合問題が出題された。今年度は「沖縄」をテーマにした出題であった。歴史や公民の問題同様、傍線部だけを読んで判断しようとすると引っかかる可能性がある。マングローブとは何か、琉球王国の貿易、GDP上位国、核兵器の保有国など、細かな知識を必要とする出題が見られた。

 全体を通して、資料読み取りの問題において複数の情報を取りこぼしなく把握し、かつ知識を組み合わせて正確に解く必要がある問題が複数出題された。

 今後の対策としては、教科書の知識を定着させることはもちろん、語句を正しく説明できるようにすることを普段から意識して学習するとよい。また、教科書本文以外の資料やグラフにも目を通しておく必要がある。さまざまな問題パターンに慣れるためにも、神奈川県以外の全国都道府県の問題を解くこともよいだろう。

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 このレポートは令和5年2月14日(火)に、速報として湘南ゼミナールにより作成されたもの。協力:湘南ゼミナール(執筆:教務支援部 社会科責任者 久野 哲史氏)


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《編集部》

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