【高校受験2023】京都府公立前期<西京高等学校 エンタープライジング科>講評

 2023年2月16日(木)、令和5年度(2023年度)京都府公立高等学校入学者選抜について、前期選抜が実施された。京進の協力を得て、西京高等学校(エンタープライジング科)の学力検査講評を速報する。

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【高校受験2023】京都府公立高校<講評・前期・西京高校>
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 2023年2月16日(木)、令和5年度(2023年度)京都府公立高等学校入学者選抜について、前期選抜が実施された。全日制は前期選抜募集定員5,207人に対し、1万688人が出願。出願倍率は2.01倍となった。

 リセマムでは、京進の協力を得て、西京高等学校(エンタープライジング科)の学力検査講評を速報する。この他、堀川高等学校(探究学科群)、嵯峨野高等学校(京都こすもす科)についても、同様に掲載する。

西京高等学校(エンタープライジング科)
講評 (京進 提供)

英語

大問1 長文読解(会話文・説明文) 〔やや難〕
大問2 長文読解(説明文) 〔やや難〕
リスニング
 A  ディクテーション(1回読み) 〔標準〕
 B  英文を聞き、質問の答えとして適当なものを選ぶ問題(記号・2回読み) 〔標準〕
 C 会話と資料(1回読み) 〔標準〕
 D 会話と資料(2回読み) 〔標準〕

 筆記は例年通り大問2題構成。大問1の長文は、あるテーマについて意見を交わす「会話」と3つの「記事」で構成。昨年度までは会話の本文中に「資料」の読み取りも含まれていたが、今年度は英作文の問題で参考資料が出題された。設問難度は標準であるものの、本文・設問を含めると読む量がかなり多いため難度は高めである。大問2は「硬貨・貨幣の歴史」という内容の説明文。並べかえ問題や、昨年と同様に内容を日本語でまとめる問題の難度がやや高かった。指定語彙数が55字以上70字以内と昨年よりも減少している。リスニング問題の構成には大きな変化はなかった。全体を通して情報量が多い試験のため、普段から長めの英文を読む練習が必要。

数学

大問1 小問集合 〔標準〕
大問2 関数 〔やや易〕
大問3 確率 〔やや易〕
大問4 平面図形 〔やや難〕
大問5 空間図形 〔標準〕
大問6 整数問題 〔標準〕

 大問6題。問題量や計算量は昨年から大きな変化はなく、幅広い分野からバランス良く出題されている。大問4のように難度の高い問題と、大問2・大問3のように取り組みやすい問題があり、得点すべき問題を確実に正解することが大切。大問1の小問集合は典型的かつ標準レベルで、学習の成果が問われる。大問2の関数は昨年度に続いて解法パターンの決まっている放物線と四角形の問題であり、確実に得点したい。大問3の確率は重複なく・もれなく数え上げることに注意し、実際に手を動かして求めることが必要。大問4の平面図形は直角三角形の相似を利用するのがポイント。証明も出題された。大問6は頻出の整数問題。具体的な整数で試行し、性質を発見しよう。近年は複雑な設定の問題は減少傾向にあり、基本的な解法を理解していればある程度は得点できる構成になっている。記述問題は証明だけでなく、整数・図形の性質の説明などもあるため、解答を導く過程を論理的に記述する練習をしておきたい。

国語

大問一 論説文 阿部公彦の文章による 〔標準〕
大問二 古文  『唐物語』 〔やや易〕

 現代文、古文の大問二題構成。素材文の分量、漢字の選択肢形式での出題は例年通り。現代文での会話文形式の設問が復活した。現代文は「ことばの『断片』が持つ力」について述べられたA・B2つの文章で、内容は比較的読み取りやすかった。記述問題は字数が25字、40字、90字のものが1問ずつ。古文も含めすべての記述問題の字数に「程度」という文言があり、解答欄は+5字分用意されていた。設問の条件の確認や、指示語内容の確認など基本的な解法を大切にしたい。古文では、50字、60字程度の記述問題が1問ずつ。内容理解の問題が多かったが、読み取りやすい文章だった。記号選択問題などが比較的取り組みやすいので、差をつけるためには記述問題での得点が重要になる。

理科

大問1(A)物理 速さ 〔やや難〕
大問1(B)物理 凸レンズ 〔やや易〕
大問1(C)物理 浮力 〔やや難〕
大問1(D)物理 電流・電圧と電力 〔標準〕
大問2(A)化学 炭酸水素ナトリウムの化学変化 〔やや難〕
大問2(B)化学 金属と酸素 〔標準〕
大問3(A)地学 金星と火星の見え方 〔易〕
大問3(B)生物 細胞分裂、植物、動物の特長 〔易〕
大問3(C)生物 〔やや難〕

 物理、化学内容の割合が大きいのは例年通りで、記述解答の問題は2問とこちらも例年と同様である。作図問題では、よく見る凸レンズを題材にしたものの他、あまり問題としてみることがない進化の系統図を描かせるものがあった。計算問題では、物理分野では公式を活用して解くものが目立ったが、化学分野では、小数や分数を扱うなど煩雑なものが多かった。生物、地学分野では、基本的な知識と単元の理解を問うものが多く、確実に得点したいところである。物理、化学で問われる範囲が広いので、特に物理で苦手単元を作らないことが大事である。

社会

大問1 地理・歴史・公民融合 〔やや易〕
大問2 地理・歴史融合 〔やや難〕

 問題の構成は例年通り。大問1は、移民に関するリード文から地理・歴史・公民と幅広く問われた。取り組みやすい問題が多く、正誤判定問題は誤りの内容がわかりやすかった。大問2は歴史の経済に関するリード文から問われた地理・歴史の融合問題で、多くの設問に難度が高いものが見られた。複数の正答を組み合わせて1つの正答となる問題が多く、幅広い知識が求められた。また、歴史の資料は読みにくい文章ではあるが、学習から得た知識を活用することで複合的に考えることもできる。記述問題は80字程度(90字まで)、70字程度(80字まで)のものが1題ずつ。設問から条件を整理し、必要な用語を書き出したうえで、文章にまとめる練習をするとよいだろう。

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 このレポートは2023年2月16日(木)に、速報として京進により作成されたもの。

 京進は関西・愛知を中心に全国で学習塾、個別指導教室を展開している。最新の脳科学に基づく学習法は、自ら学ぶ力を育む学習法として高い効果を上げている。

協力:京進


《編集部》

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