メタバース空間で子供たちの国際交流の実証実験を実施

 大日本印刷は、steAmと協同で、カンボジアのプノンペン日本人学校と徳島県上板町立高志小学校をつなぎ、メタバース空間で国際交流を通した子供たちの学び合いの可能性を検証する実証実験を行った。

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実証実験のようす:メタバース空間「京都館PLUS X」
  • 実証実験のようす:メタバース空間「京都館PLUS X」
  • 実証実験のようす: カンボジアプノンペン日本人学校
  • 実証実験のようす:徳島県上板町立高志小学校

 大日本印刷は、steAmと協同で、カンボジアのプノンペン日本人学校と徳島県上板町立高志小学校をつなぎ、メタバース空間で国際交流を通した子供たちの学び合いの可能性を検証する実証実験を行った。

 実験では、大日本印刷(以下DNP)が構築し京都市が提供するメタバース空間「京都館PLUS X」を活用して両国の児童がそれぞれの地元を紹介するプレゼンテーションを実施、また京都の魅力に触れながら、2回に渡って交流を深め合った。

 学校教育では近年、GIGAスクール構想の推進等によってICT教材の需要が高まるとともに、学習者が主体的に学ぶ「アクティブラーニング」が注目されている。今回の実証実験では、DNPが構築した「京都館PLUS X」を活用し、メタバース空間における子供たちの国際交流と学び合いの可能性について検証した。

 海外との交流については通常、場所の確保や通信環境の整備、機材の調達等、物理的な条件や制限等の課題がある。PCやスマートフォンのブラウザで利用できるDNPが構築したメタバース空間を活用することで、こうした課題の解決につながるという。また、利用者は自身の分身となるキャラクター(アバター)を選んで、同時に参加しているユーザーと音声で会話できる他、同じ空間内でプレゼンテーション用のポスターや動画を見ることもできる。

 実験は、2023年2月22日と3月6日に実施し、徳島県上板町立高志小学校6年生の児童18名、カンボジアプノンペン日本人学校生の児童4名が参加した。1日目は、双方でメタバース空間「京都館PLUS X」内の実証空間に接続し、京都市が「京都館PLUS X」や京都について紹介した。ついで、両国の児童がそれぞれ10分程度、事前に制作したポスターを使って日本語で地元を紹介した。2日目は、ボイスチャット機能を活用して、お互いのプレゼンテーションに関する質問や感想等で交流した。

 実際に体験した子供たちからは、アバター同士の距離次第で声が聞こえない・聞こえるといった臨場感を味わえた、離れている都道府県や国との交流ができ、身近に感じられた、アバターだとリアル映像よりも話しやすいといった感想があがっている。今回の実証実験以降もDNPは、子供たち自身が設定した「問い」に沿った交流等について、メタバース空間を活用して継続的に支援していくという。

《中川和佳》

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