【大学受験2024】熊本大、理工系の新学部に女子枠

 熊本大学は、2024年4月に設置を構想している「情報融合学環」の学校推薦型選抜に女子枠を設置する。データサイエンスや情報学に関心をもつ優秀な女子学生の入学を促し、女子学生比率を高めるのが狙い。理系分野の女子枠導入の動きは近年、国公立大学でも増えている。

教育・受験 高校生
熊本大学の新教育組織
  • 熊本大学の新教育組織
  • 情報融合学環
  • 情報融合学環の募集人員

 熊本大学は、2024年4月に設置を構想している「情報融合学環」の学校推薦型選抜に女子枠を設置する。データサイエンスや情報学に関心をもつ優秀な女子学生の入学を促し、女子学生比率を高めるのが狙い。理系分野の女子枠導入の動きは近年、国公立大学でも増えている。

 熊本大学は、学生が所属する新しい学部組織(学士課程)として、DXや数理・データサイエンスの素養を身に付け、DX課題に対応できる人材を育成する学部等連係課程「情報融合学環」、半導体デバイスの製造・評価・開発ができる人材を育成する「工学部半導体デバイス工学課程」の2024年度新設を計画している。

 情報融合学環の推薦入試では、数理・データサイエンス・AIに関心をもち、高い志と将来展望をもった優秀な女子学生の入学を促すため、女子枠を設置する。学校推薦型選抜IIの募集人員15人のうち、女子枠は8人。残り7人は性別を問わない。大学入学共通テスト、推薦書、調査書、志願理由書、面接(口頭試問を含む)の成績により総合的に判定する。

 熊本大学によると、理工系学部の2022年度入学者のうち、女子学生は理学部が約29%、工学部が約19%にとどまり、学部を構成する学生の人的比率に偏りがあることが課題の1つになっている。女子枠の設定は、単に女子学生の増加を図るだけでなく、これまで以上に男女が共に学びあい、さまざまな課題の解決に向けて切磋琢磨する環境が醸成されることで、多様なものの見方や考え方を知り、理解することが広がるのを期待するものだとしている。

 理系分野の推薦入試に女子枠を導入する動きは、東京工業大学や名古屋大学、富山大学、島根大学、名古屋工業大学、兵庫県立大学等、国公立大学でも広がりつつある。

《奥山直美》

【注目の記事】

特集

編集部おすすめの記事

特集

page top