マグネットセット・水で膨らむボール…経産省、玩具の販売規制

 経済産業省は2023年5月16日、消費生活用製品安全法施行令の一部を改正する政令が閣議決定されたことを公表した。これにより、子供の安全のため玩具への新たな規制が導入され、強力な磁力を有する複数個の磁石を組み合わせた「マグネットセット」等の販売ができなくなる。

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消費者への注意喚起
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 経済産業省は2023年5月16日、消費生活用製品安全法施行令の一部を改正する政令が閣議決定されたことを公表した。これにより、子供の安全のため玩具への新たな規制が導入され、強力な磁力を有する複数個の磁石を組み合わせて使用する「マグネットセット」等の販売ができなくなる。

 改正された政令は、消費生活用製品安全法の特定製品に新たに磁石製娯楽用品と吸水性合成樹脂製玩具を指定し、技術基準に適合しない製品の販売を規制するもの。これにより、強力な磁力を有する複数個の磁石を組み合わせて使用するいわゆるマグネットセットと、水を吸収することで大きく膨らむ吸水性の玩具は販売できなくなる。政令は5月19日に公布し、6月19日に施行される。

 磁石製娯楽用品(マグネットセット)は、2017年(平成29年)から2022年(令和4年)に、子供が複数個の磁石を誤飲し腸壁を挟んで強力な磁石が引き合うことにより開腹手術による摘出が必要となった事故が11件発生した。また、吸水性合成樹脂製玩具(水で膨らむボール)については、2021年(令和3年)に、乳幼児が誤飲したため腸内で大きく膨らみ開腹手術による摘出が必要となった事故が4件発生。2製品は、事故が発生した場合の危険性が大きく、被害も重大であることから、特定製品へ指定して規制対象とし、技術基準に適合しない製品の販売を規制することとした。

 マグネットセットは今後、技術基準で定める予定の磁力を超えるものであるため、規制により販売ができなくなる。水で膨らむボールも、技術基準で定める予定の膨潤率を超えて膨張するため、規制により販売ができなくなる。なお、マグネットセットはおもちゃとしての販売以外にも「14歳以上向けストレス解消」等の記載で販売されている場合があるが、こうした子供向けではない製品についても、新たな規制の対象になり、販売できなくなる。

 経済産業省は、すでにマグネットセットや水で膨らむボールを購入している人に対し、乳幼児に触らせないよう十分に注意するよう呼び掛けている。また、マグネットセットや水で膨らむボールが販売されていたとしても、購入しないよう求めている。製品評価技術基盤機構(NITE)でも、ポスターを作成し、注意喚起している。

《田中志実》

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