児童虐待、相談件数は過去最多21万9,170件…32年連続増

 全国の児童相談所が2022年度に対応した児童虐待相談の件数は、21万9,170件で過去最多にのぼることが、こども家庭庁が公表した速報値から明らかになった。統計を取り始めた1990年度から32年連続で増えており、前年度より1万1,510件増加した。

生活・健康 その他
児童相談所における虐待相談対応件数とその推移
  • 児童相談所における虐待相談対応件数とその推移
  • 児童相談所における虐待相談の内容別件数の推移
  • 児童相談所における虐待相談の経路別件数の推移
  • 児童相談所における児童虐待相談対応件数(対前年度比較、児童相談所設置自治体別)
  • 虐待による死亡事例等の検証結果

 全国の児童相談所が2022年度に対応した児童虐待相談の件数は、21万9,170件で過去最多にのぼることが、こども家庭庁が公表した速報値から明らかになった。統計を取り始めた1990年度から32年連続で増えており、前年度より1万1,510件増加した。

 2022年度中に全国232か所の児童相談所が、児童虐待相談として対応した件数は、前年度(2021年度)比1万1,510件(5.5%)増の21万9,170件。統計を取り始めた1990年度から増え続けており、過去最多を更新した。

 虐待相談の内容別件数は、心理的虐待が12万9,484件ともっとも多く、全体の59.1%を占めている。ついで、身体的虐待5万1,679件(23.6%)、ネグレクト3万5,556件(16.2%)、性的虐待2,451件(1.1%)。心理的虐待の相談対応件数は、前年度より4,760件増加している。

 児童相談所に寄せられた虐待相談の経路は、「警察等」が11万2,965件(51.5%)と最多。「近隣・知人」2万4,174件(11.0%)、「家族・親戚」1万8,436件(8.4%)、「学校」1万4,987件(6.8%)と続いている。

 前年度と比較して児童虐待相談対応件数が増加した自治体への聞き取りによると、関係機関の児童虐待防止に対する意識や感度が高まり、関係機関からの通告が増えているという。

 また、虐待による子供の死亡事例の検証結果によると、2021年4月1日から2022年3月31日までの間に発生、または表面化した児童虐待による死亡事例は、前年度より3人少ない74人。このうち、心中以外の虐待死は50人、心中による虐待死(未遂を含む)は24人。心中以外の虐待で死亡した子供の年齢は、0歳が24人(48.0%)でもっとも多く、虐待の類型では「身体的虐待」21人(42.0%)、主たる加害者は「実母」20人(40.0%)が最多だった。

《奥山直美》

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