【高校受験】埼玉県公立高入試、改善案を公表…11/17まで意見募集

 埼玉県教育委員会は2023年10月16日、埼玉県公立高等学校入学者選抜方法の改善案を公表した。新しい入学者選抜は、現小学6年生が対象となる2027年度(令和9年度)より導入。10月17日から11月17日まで、意見を募集する。

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埼玉県公立高等学校入学者選抜方法の改善について(素案)
  • 埼玉県公立高等学校入学者選抜方法の改善について(素案)
  • 「埼玉県公立高等学校入学者選抜方法の改善について(素案)」に対する県民コメント(意見募集)の実施について

 埼玉県教育委員会は2023年10月16日、埼玉県公立高等学校入学者選抜方法の改善について素案を公表した。全受検生に自己評価資料に基づいた面接を実施するほか、特色選抜を導入。調査書は、各教科の学習の記録(評定)の記載を基本とした様式に変更する。新しい入学者選抜は、現小学6年生が対象となる2027年度(令和9年度)より導入。10月17日から11月17日まで、県民から意見を募集する。

 現行の埼玉県公立高等学校入学者選抜は、2012年度(平成24年度)入試から全受検生が原則、5教科の学力検査を受検し、1回の募集として実施。部活動の地域移行などによる生徒の学校内外活動の多様化、学習指導要領の趣旨を踏まえた入学者選抜の実現などを背景に選抜方法や調査書のあり方に改善が必要な状況にあるという。

 そこで埼玉県教育委員会では、2022年度(令和4年度)入試改善検討会議の第16次報告の提言を受け、2023年度(令和5年度)埼玉県公立高等学校入学者選抜方法改善協議会で具体的な改善策を検討。「埼玉県公立高等学校入学者選抜方法の改善について(素案)」としてまとめた。

 改善のおもな内容は「選抜」「調査書の様式」「実施時期」。選抜については、受検生の学びに向かう力や意欲、多様な活動などを多面的・多角的な観点から評価するため、受検生のこれまでの活動への取組状況などを自らの言葉で表現する自己評価資料の提出をすべての受検生に求める。自己評価資料そのものは評価しないが、自己評価資料をもとにした面接を全受検生に実施する。

 また、各高校が自校の入学者の受入方針に基づいた独自の検査として、特色選抜を実施できるようにする。特色選抜では、共通の選抜(学力検査・調査書・面接)に加え、実技検査や小論文、傾斜配点などを想定。各高校が目指す学校像、入学者の受入れに関する方針、選抜における評価の観点や選抜資料の取扱いについては、事前に公表し、受験生や保護者に十分周知する。

 調査書については、記載事項を整理。現行の調査書では、各教科の学習の記録(評定)、特別活動の記録、出欠席の記録などを記載事項としているが、新たな調査書では1学年から3学年までの各教科の学習の記録(評定)の記載を基本とする。評定以外は、自己評価資料において、学校・学科ごとに中学校3年間の活動などがわかる内容の記載を求めることができるようにする。

 新しい入学者選抜は、現小学6年生が対象となる2027年度(令和9年度)入学者選抜(令和8年度末実施)から導入する。2026年度(令和8年度)入学者選抜は移行期間とし、現行の入学者選抜の中で、部活動などの実績の記入について見直す。あわせて、各高校が定める選抜基準の扱いも見直す。

 「埼玉県公立高等学校入学者選抜方法の改善について」を策定するにあたり、多くの県民の意見を反映するため、埼玉県県民コメント制度により、10月17日から11月17日(消印有効)まで意見を募集する。提出方法は、郵便、FAX、メールのいずれか。意見を提出できるのは、埼玉県内に住所を有する個人、法人、団体、県内への通勤・通学者のみ。

 素案資料は、埼玉県Webサイトから入手できるほか、埼玉県教育局県立学校部高校教育指導課、埼玉県県政情報センター、各地域振興センター・事務所の窓口でも閲覧・配布を行っている。

 埼玉県公立高等学校入学者選抜の改善については、集まった県民コメントを集約後、12月中をめどに策定・公表予定。

◆埼玉県公立高等学校入学者選抜方法の改善について(素案)に対する意見募集
募集期間:2023年10月17日(火)~11月17日(金)消印有効
対象者:県内に住所を有する個人、法人、団体および県内への通勤・通学者
提出方法:郵便、FAX、メールのいずれか

《奥山直美》

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