「自身がひきこもりになる可能性がある」約2割…東京都世論調査

 東京都民の約7割が、ひきこもりの状態は「誰にでも起こりうる」と認識し、約2割が「自身がひきこもりの状態になる可能性がある」と回答したことが、東京都が2023年に実施した「ひきこもりへの認識に関する世論調査」より明らかになった。

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あなたは「ひきこもり」という状態について、どのような印象・考えをもっていますか
  • あなたは「ひきこもり」という状態について、どのような印象・考えをもっていますか
  • あなたは、社会との関わりを避けて家や自室にこもる「ひきこもり」の状態になるきっかけとして、何が多いと思いますか
  • あなたは、ご自身がひきこもりの状態になる可能性があると思いますか
  • あなたは、ひきこもりの状態にある方やそのご家族を支援するために、都や区市町村がどのような施策を行うことが必要だと思いますか

 東京都民の約7割が、ひきこもりの状態は「誰にでも起こりうる」と認識し、約2割が「自身がひきこもりの状態になる可能性がある」と回答したことが、東京都が2023年に実施した「ひきこもりへの認識に関する世論調査」より明らかになった。

 調査は2023年9月~10月、ひきこもりに関する都民の意識や要望などを把握し、今後の施策推進の参考とするために実施。東京都全域に住む満18歳以上の男女を対象に、郵送法(インターネット回答併用)にて行った。有効回収標本数1,846。

 最初に「ひきこもり」という状態について、どのような印象・考えをもっているか尋ねたところ、「誰にでも起こりうる」との回答が72%ともっとも多く、「ストレスから身を守っている」41%、「他人事ではない」40%、「人に言いづらい」39%と続いた。

 ひきこもりの状態になるきっかけとして、何が多いと思うかの質問では、もっとも多かったのは「不登校(いじめ、学校生活になじめなかったなど)」で84%、ついで「職場における人間関係(ハラスメントなど)」74%、「病気」48%、「受験・進学のつまずき」47%との結果だった。

 社会との関わりを避けて家や自室にこもる人の気持ちについて、「気持ちが分かる」と回答した人は16%、「どちらかと言えば分かる」が45%で、この2 項目をあわせると61%。「どちらかと言えば分からない」が25%、「分からない」が13%をあわせると38%となり、「社会との関わりを避け、家や自室にこもる人の気持ちが分かる」と答えた人が過半数に達していることがわかった。

 つぎに、自分自身や家族に、ひきこもりの状態にある人はいない、またはわからないと回答した人(全体の93.6%・1,728人)を対象に、自身がひきこもりの状態になる可能性があると思うか尋ねたところ、「可能性がある」が7%、「少しは可能性がある」が16%で、この2 項目をあわせた「可能性がある(計)」は 22%。「あまり可能性はない」30%、「可能性はない」が29%で、この2 項目を合わせた「可能性はない(計)」は59%という結果となった。

 性・年齢別にみると、「可能性がある(計)」は男性30 代で約4 割、女性18~29 歳で3 割を超えて多くなっている一方、「可能性はない(計)」は男性60 代から70 歳以上で7 割を超え、女性70 歳以上で7 割近くと多くなった。また、職業別にみると「可能性がある(計)」との回答は学生で3 割半ば、専門・技術職、事務職で3 割近くと多くなっている。一方、「可能性はない(計)」は経営・管理職、自営・家族従業(計)で7 割近くと多くなっており、性別や年代、職業によって差がみられることがわかった。

 最後に、ひきこもりの状態にある人やその家族を支援するために、都や区市町村がどのような施策を行うことが必要だと思うか聞いたところ、「相談窓口の明確化(窓口情報の発信)」が63%ともっとも多く、「当事者と家族への継続的なサポート(状況に合った支援、孤立回避等)」54%、「適切な支援機関の紹介」53%、「相談体制の強化(さまざまな相談方法の展開)」45%などと続いた。調査結果の詳細は、東京都のWebサイトで確認できる。

《木村 薫》

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