ヒューリック、リソー教育、コナミスポーツは、新たな子育て・教育施設「こどもでぱーと」ブランドの第1号施設「こどもでぱーと中野」と第2号施設「こどもでぱーとたまプラーザ」を2025年4月1日に同時開業する。開業に先立って行われたメディア向け記者発表会のようすをレポートする。
「こどもでぱーと」は、子供と保護者のためのサービスをワンストップで提供する教育と子育ての複合ビル。発表会前半では、ヒューリック、リソー教育、コナミスポーツの3社の代表者から、事業における各社の立ち位置と、開業に際しての意気込みが語られた。はじめに登壇したヒューリック・代表取締役会長の西浦三郎氏は「3年ほど前から3社で協議をしてきたプロジェクトが、ようやく形になった。感無量」と振り返った。

完全1対1個別指導塾TOMASを展開するリソー教育・代表取締役社長の天坊真彦氏は「ヒューリックとの資本提携を経て、この日に備えてきた。『こどもでぱーと』は、新たな子育て支援の形。社会的意義のある事業だ」と力強く述べた。「こどもでぱーと」内には、既存のTOMAS中野校の移転リニューアルのほか、同社グループの伸芽会から「伸芽'sクラブ学童」が入居する。

「こどもでぱーと」内で、子供向けの体操・ダンス教室だけでなく、女性向けのピラティススタジオを展開するコナミスポーツ代表取締役社長の室田健志氏からは「子育てをしているご家庭が、より充実した毎日を過ごしていただくことを祈念している。夢中になって、楽しく通えるような場所をつくりたい」と意気込んだ。

同施設内には、学習塾や学童・保育、運動・英語といった習い事教室、小児科・アレルギー科のクリニックおよび病児保育サービス、カフェ等が常設される。これに加え、施設最上階の「こどもでぱーと Studio(スタジオ)」では曜日や時間帯ごとに多彩なプログラムを体験できる。2025年3月24日現在、中野では花まる学習会による学習サービスや産後ケアサロンなど、たまプラーザでは探究学舎による興味開発教室や、SMILE TECHによるプログラミング教室などが予定されているという。送迎機能や教育相談窓口となるコンシェルジュ機能も導入され、子育てにおける親の負担や不安を軽減する。
ヒューリック 新事業創造部 こども教育事業室長の中原雅範氏は、同社が2020年に子供教育事業に参入した背景として、共働き世帯の増加や政府の子育て支援策に伴う各世帯の教育費の増加を挙げた。さらに「安心と信頼に満ちた社会の実現に貢献すべく、『つくって終わり』ではなく、運営面でもサポートしていく」とし、同社のこれまでの不動産事業における実績とノウハウをフル活用し、「こどもでぱーと」が子育ての拠点となるよう注力していく旨を語った。

発表会後半では、フェンシング元日本代表で、現在は競技の普及活動と子供向け体験プログラム「TRIDA」の運営を行う太田雄貴氏と、その妻であり、フリーアナウンサー、そして女性のキャリア支援事業を展開する「NewMe」共同創業CCOの笹川友里氏がゲスト登壇。夫婦の子育てのエピソードや悩みも交え、「こどもでぱーと」への期待を語った。

現代日本の子育て世帯の困りごとを解決するには、政府からの補助金や制度だけでは不十分であるように思う。子育てのリアルな「困った」「どうしよう」をワンストップで解決するには、まさに学びと育ち、家族のためのサービスが集まる百貨店「こどもでぱーと」のような、地域の拠点が不可欠だ。中原氏曰く、この「こどもでぱーと」ブランドは中野・たまプラーザの開業に続き、2029年までに渋谷・本八幡をはじめ約20棟の開発を予定しているという。今後の展開に注目したい。