就職=ゴールではない。「キャリアの立教」を掲げる立教大学では、大学1年次から参加できる多彩なプログラムを展開し、就職という“点”だけでなく、その後のキャリアまで見通した“線”で徹底伴走する。こうした環境の下で、学生たちはどのように「納得のいく自分らしい進路」を実現できるのか。公務員、研究、外資系企業、日系企業という多彩な道を歩む4名の立教生に話を聞いた。
インタビュイー:
多田元輝さん(2019年卒):コミュニティ福祉学部コミュニティ政策学科出身 埼玉県庁勤務
河野天音さん(2025年卒):理学部生命理学科出身 理学研究科生命理学専攻前期課程1年
冨所蒼空さん:文学部キリスト教学科4年 BMW Group Japan内定
渡邉瀬菜さん :経済学部経済学科4年 JR東海内定

進路の可能性を広げる学びの環境…立教が選ばれる理由
--数ある大学の中でなぜ立教大学を選んだのか。その理由をお聞かせください。
多田さん:高校生のころから、公務員として働くことを漠然と思い描いていました。公務員志望者は法学部や経済学部に進学することが多いイメージですが、立教大学のコミュニティ福祉学部では、行政の仕事に直結する社会福祉や公共政策を学べる点に魅力を感じました。また、埼玉県民である自分にとって、池袋キャンパス、新座キャンパスともに通いやすく、都会ながら落ち着いた雰囲気の環境も決め手になりました。
河野さん:僕は理系志望でしたが、文理融合の総合大学である点に魅力を感じました。卒業後は多様なバックグラウンドをもつ人と働くことを考え、理系だけの思考に凝り固まらないよう、大学時代から視野を広げる必要性を感じたからです。実際、池袋キャンパスでは文系・理系が一緒に一般教養の授業を受け、共同でプレゼンを行うプロジェクトがあり、大いに刺激を受けました。
渡邉さん:立教大学には2つのキャンパスがあり、自分の専門に加えて、興味のあることを幅広く学べる制度が整っている点に魅力を感じました。経済学部と観光学部の両方に興味があったので、池袋キャンパスの経済学部に通いながら新座キャンパスの観光学部の授業も受講していました。私の所属している吹奏楽のサークルは池袋を中心に活動していますが、新座キャンパスの学生も多く所属しており、電車1本で両キャンパスの学生が交流できる環境が素晴らしいと思いました。
冨所さん:グローバルな視点を養い、多文化への理解を深められるカリキュラムに惹かれ、立教大学を志望しました。キリスト教学科は珍しいかもしれませんが、世界で3人に1人が信仰するとされる宗教の本質的な理解は、将来グローバル企業で活躍するために不可欠だと感じました。留学生も多く、英語教育に力を入れているので、東京にいながら留学しているような体験ができる点も魅力でした。

挑戦が「天職」につながる瞬間。キャンパスで明確になった将来のビジョン
--多田さんは、公務員の中でも埼玉県庁という進路の選択には、大学で学んだことがどのように影響しましたか?
多田さん:公務員の仕事に興味がある学生が多く集まるゼミで、新座市長へ政策提言をするフォーラムに参加するなど、行政の政策調査や提言活動を経験しました。こうした活動を通じて、ゼミで学んだ政策立案・実施の知見を仕事に生かしたいと思うようになりました。地元である埼玉県で、市区町村より広域的な政策に関われることから、埼玉県庁を志望しました。
--河野さんが立教の大学院に進むという決断をした決め手はどこにありましたか?
河野さん:大学院に進んだ決め手は、「今の研究を今の教授のもとで続けたい」という気持ちでした。理学部の研究室は1学年4~6人と他大学に比べて少人数で、教授との距離が近い点が心強かったです。また、3年次から生命理学特別演習を履修して研究室に参加し、研究の面白さをいち早く実感することができました。さらに、4年次から大学院の授業を履修できるので、大学院1年目に余裕が生まれ、研究に没頭しながら就職活動と両立できるのも魅力でした。

--渡邉さん、冨所さんは学生生活を通じて、どのように価値観や仕事に求めるものが明確になり、その結果、現在の就職先を選んだのか。進路選択までの過程を教えてください。
渡邉さん:高校時代に訪れたオープンキャンパスで、いきいきと学生生活を送る立教生の姿に魅了され、立教大学への入学を決意しました。この経験から「今度は私が受験生の力になりたい」と強く思い、オープンキャンパスの運営活動に尽力しました。高校生の不安を解決できたときに喜びを感じたこと、また、コーヒーチェーン店でのアルバイトで、接客を通してお客さまの笑顔を見るのがうれしかった経験から、「誰かの生活の基盤を支えることで喜んでもらえる仕事がしたい」という目標が明確になり、インフラ企業への就職を選びました。
冨所さん:僕は幼いころから車が大好きで、英語を理解できれば外国の車の最新情報が最速で手に入るという理由から、大学でも英語の勉強には力を入れてきました。特に「CLIL(内容言語統合型学習)科目」では、専門領域を英語で学ぶ力を養うことができ、理系の学生や留学生など、バックグラウンドが異なる人たちとのグループワークで環境問題やデータサイエンスをテーマに英語でプレゼンを行い、ぐっと視野が広がりましたし、グローバル社会での実践力を高められたと思います。英語に加えて、宗教と政治、経済など、グローバル社会の課題について最前線の研究者のもとで学びを深め、念願のグローバル企業、しかも自動車産業で働く機会を得ることができました。
多様な経験が磨きあげた「判断力」と「協働力」
--大学生活でもっとも人生観やキャリア観が変わった経験を1つあげるとすれば何ですか?
河野さん:僕も学部時代にオープンキャンパスの運営で学生チーフを務めました。受験生に最大限役立つイベントにするため、とことん粘り強く考え、大学側と何度も話し合いを重ねました。この粘り強さが研究にも生かされています。「今の技術では解析できない」とあきらめるのではなく、「既存の技術を組み合わせて何とかゴールに近づけないか」と考え続けられるようになったのは、この経験のおかげだと思います。
多田さん:授業やゼミでのグループワーク、ロードバイクのサークル活動を通じて、お互いの立場を理解して「チームとして協働する姿勢」を学びました。全体を俯瞰し、主張すべきか、調和を優先すべきかを判断する力を養えたことは大きく、現在の職場でも役立っています。社会人として働く中で、立教の卒業生は周りの人たちとうまく関係性を築くことができる優秀な人が多い印象をもっています。
冨所さん:ゼミやオープンキャンパスなどいろいろな経験ができましたが、あえて1つに絞るとすれば、憧れのグローバル企業で長期のインターンに選ばれたことです。これは、カリキュラムの自由度が高く、土曜授業やオンライン授業もあり、大学の勉強と両立しやすい環境があったからこそ実現しました。適性や本当にやりたいことかを確認する貴重な機会であり、入社前にこうしたトライアル期間を経験できたのは大変ありがたいことだと感じています。

渡邉さん:勉強、サークル、オープンキャンパス運営、アルバイトなど、すべてが人生観を変える経験で、1つには絞り切れません。高校までの私は、人前で自分を出せない性格でしたが、大学で苦手を克服して成長しようと決めました。「自分からチャンスを取りに行くんだ」という軸をぶらさずに、少しでも興味があることにはすべて挑戦したことで、自分がやりたいことが明確になりました。その過程で、人にはそれぞれ役割があり、それがチームワークにつながるのだと実感できました。
立教のキャリア支援は“伴走型”、4人が実感した手厚いサポート
--大学のキャリア・就職支援を利用した具体的なエピソードがあれば教えてください。
多田さん:学生時代には「立教型インターンシップ・仕事体験*」という制度を利用し、夏休みに1週間、新座市役所で働きました。窓口業務以外に市役所の職員がどのように働いているかを知ることができ、公務員として働くイメージが膨らみました。また、ゼミでの政策調査や提言の経験は就職活動に大いに役立ちました。公務員試験の面接では、行政の仕組みや役割などについて具体的なイメージをもって質問に答えることができました。
*この制度は、就業体験型プログラム「Rikkyo My Career Gate」として2024年度にリニューアルされている。学部2年生向けの就業体験型プログラムで、立教大学キャリアセンターと実習先(企業・団体・行政)が協働し、夏季休業期間中に 「15時間以上・3日間以上」 の就業体験を実施。応募学生にはキャリアセンターが面談を行い、学生のニーズと実習内容をふまえて丁寧に選考(マッチング)を行う。

河野さん:僕は大学院修了後の就職を考えており、理学部のキャリアサポーターと面談を行っています。立教大学ではキャリアセンターに加えて、学部にも専属のキャリアサポーター※がいるのでとても頼りになります。研究と就職活動の両立の仕方から、エントリーシートの添削、面接練習まで幅広くアドバイスを受けています。当初は研究職だけを考えていましたが、キャリアサポーターとの対話を通して、技術開発や法人営業など新たな選択肢にも目を向けられるようになりました。得意なことや長所を言語化してくださるので、就活へのモチベーションがあがります。
*立教大学ではキャリアセンターに加えて各学部でもキャリア支援を行っており、すべての学部に専属のキャリアサポーターを配置して、学部の特性に合った支援を行っている。
渡邉さん:私はキャリアセンターの面接実践プログラムを活用しました。予約はスマホから簡単にでき、とても利用しやすかったです。また、オンライン面接が増える中、Zoomを使って視線の向け方や間の取り方まで細やかなアドバイスを受けられました。そのほかにもキャリアセンター内の専用パソコンから卒業生の就職情報や連絡先を知ることができ、業種や企業名で検索して卒業生訪問をお願いしたり、立教生のためだけに就職活動の流れやポイントをまとめたオリジナルの「立教就職ガイド」で就活全般の知識を得たり、豊富なリソースを活用しました。
冨所さん:僕はキャリアセンターの個人相談を利用しました。内定承諾の判断に迷ったとき、豊富な知識をもつキャリアセンタースタッフから専門的な観点のアドバイスを受け、大変助けられました。また、卒業生のネットワークが強く、年間100名以上が協力する「RIKKYO卒業生訪問会」では、NG質問なしで何でも聞くことができます。大手人気企業で活躍する卒業生が面接官役を務める「卒業生による模擬面接会」などもあり、働くことについて幅広く知ることができる機会が豊富で、大学のサポートは非常に手厚いと感じています。
立教で得られる自信と挑戦する力--先輩たちからのエール
--これから大学へ入学する中高生とその保護者に向けて、立教大学で学ぶことがどのように未来の選択肢を広げ、自信をもたせてくれるか、メッセージをお願いします。
渡邉さん:やりたいことが決まっている人も、まだ決まっていない人も、ここでは充実した4年間を過ごせると思います。少しの興味から始めたことが、自分の将来につながることもあります。そして、自分ひとりではできないことも、力をあわせてやれば実現できると気付かせてくれる尊い仲間にも出会える場所です。ぜひ、立教大学でさまざまなことに挑戦してみてください。

冨所さん:立教大学は経験値を高め、世界観を広げてくれる大学です。好奇心と向上心を常に絶やさないプログラムやカリキュラムが充実していて、学問はもちろんのこと、留学生を含めた多様な人たちとの出会いもあります。ここで得られる学びや出会いは、将来の選択肢や可能性につながっていくはずです。立教大学は「入学してよかった」と心から思える大学なので、この美しいキャンパスに足を運んで、温かく希望にあふれる雰囲気を体感してください。
河野さん:全学部合同の一般教養の授業やサークル活動が盛んなことからもわかるように、立教大学では、異なるバックグラウンドの人たちと関わることができて、自分と違う価値観や意見を理解するしなやかな心が育まれ、視野が広がります。研究でさまざまな視点や考え方に出会ったときに、素直に受け入れるようになったのも、この環境のおかげだと思っています。理系の単科大学では経験できないことが経験できるので、特に理系の学生には強くお勧めしたいです。
多田さん:立教大学からは毎年200名以上の学生が公務員として新たな1歩を踏み出しているそうで、僕のように公務員を志す学生を大学がしっかりと支え、自信をもって活躍できる力を付け、社会に送り出してくれます。もちろん、公務員に限らず、学生生活を通じて将来を考えるきっかけをたくさん与えてくれて、社会に出るうえで大切なこともたくさん学べる場所です。ぜひ、立教大学での充実した日々を素敵な将来につなげてください。

--ありがとうございました。
インタビューを終えてまず思い浮かんだ言葉は「バランス」だった。経歴は多様だが、4人ともとてもバランスが良い。自分の意見をはっきりと伝えるが、相手の意見にはじっくり耳を傾ける。相手が自分と異なるときも受け入れ、理解し、尊重する。多様な学生がそれぞれの個性を輝かせながら認め合う、とても温かなコミュニティだからこそ、ひとりひとりが自信を得て、自分の未来の居場所を見つけ、羽ばたいていけるのだろう。ぜひ、オープンキャンパスでこの空気感を味わってみてほしい。
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