医師1,000人に調査、大学医学部「新設すべきでない」が64%

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医学部新設の是非について
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 医師・医療従事者向け情報サービスサイト「CareNet.com」を運営するケアネットは1月20日、同社医師会員を対象に実施した「大学の医学部新設に関する意識調査」の結果を公開した。

 同調査は、2011年12月30日~2012年1月2日に同社医師会員1,000人を対象に、インターネットリサーチにより実施。

 設問では、2011年12月20日付の日本経済新聞の記事で「新潟、宮城、神奈川、静岡の4件の知事らが文部科学大臣を訪れ、医師不足解消のため、現在は認められていない大学医学部の新設を解禁するよう要望した」というものと、9月22日の読売新聞の記事の中で「茨城県医師会は21日、水戸市の県メディカルセンターで記者会見を開き、教員確保で全国の医師不足に拍車をかけるなどとして、医学部の新設・誘致は不適当と批判した」というものを引用したうえで、「医学部の新設について、いかがお考えですか」と尋ねている。

 調査の結果は、「ぜひ新設すべきだ」(4%)、「新設してもよい」(24%)、「新設すべきでない」(64%)、「わからない」(8%)となった。

 もっとも回答の多かった「新設すべきでない」に対するコメントでは、「医者の数は足りている。救急や夜間の対応を嫌がり、楽な診療しかしなくなっているのが問題である。やる気のある医師がいないのが問題。医者の偏在、楽をしようをしている、楽な疾患しか見ない、そうした責任を取らないのが問題である。医者の数を増やしても都市部や楽な病院に医者がいくだけで、かつ人間的にも低レベルの人間が医者になる可能性が高くなる」(40代・病院勤務)、「現在いる全医師数22万人が日本で少ないとは思わない。有意義に働ける環境を作ることが先決。女性医師の活用など働ける人が働けない状況が多すぎる。一番問題なのが医師の偏在であり、それを管理する自治体、制度整備されていないことを解決することが先」(30代・病院勤務)、「医師不足は医学部新設では解決しない。それどころか、20年後には「医師過剰」が生じ、あくどく医者がはびこる事態にもなりかねません。すでに都会では、内科開業医の倒産も生じています。病院のあり方をもっと研究すべきです。研修医制度の改悪が行われてから、現在の状態になりました。」(60代・診療所勤務)などが挙げられている。

 一方、「新設すべきだ」と回答した人のコメントでは、「初期研修のシステムをはじめて大学の医局制度が崩壊してきている。厚労省の思惑どおりなのだろうが、医師の地方への配分ができなくなってきている。医局(大学である必要はなく民間でもいいと思うが)みたいなもので人を配分するにもそれなりに必要人数を確保する必要がある」(30代・病院勤務)、「医師数確保は医療崩壊を防止するうえで絶対条件。ただし、新設大学の学生には、その県の医療施設で勤務することを受験条件に組み入れるべき」(50代・診療所勤務)などの声が挙がっている。

 また、「わからない」と答えた医師のコメントでは、「現在の施設や教員数では既存医学部のこれ以上の定員増は見込めない」というのが。本当かわからないので」(40代・病院勤務)、「結果は予測しがたいが、明らかなことは現在の6年制の医学部のあり方に問題がある。増やすとすれば4年の大卒者に4年の医学教育をするmedical school増設をするといった別の戦略を議論すべきである」(70代以上・その他)などの意見がみられたとしている。
《前田 有香》

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