【e絵本】原爆の惨状を伝え継ぐ「二重被爆」

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二重被爆
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 広島に原爆が投下されたのが1945年8月6日、長崎は同年8月9日。忘れてはいけないこの2日間を、今年は絵本アプリで振り返ってみるのはいかがだろうか。

 ご紹介するのは、こえほん「平和祈念文庫」内で配信中の「二重被爆」。iPhone/iPad対応、250円。アイフリークより。

 当時、出張先の広島と地元の長崎で、2度に渡る被爆を経験した山口彊(やまぐちつとむ)さんの、短歌集「人間筏」より数編を抜粋した本作。戦争を知らない世代や子どもたちにもわかりやすいよう、短歌の背景と説明の文章を添えて、再構成されている。

 短歌という余計な言葉をそぎ落とした表現だからこそ、描き出される凄惨な光景に、ひときわゾッとする。「ピカ・ドンに 五体灼かれつつ 仰ぎ見つ 天に拡がり 巨き茸雲」の作にはじまり、原爆投下直後の市中の様子が生々しい。最後は、それからだいぶ時が経った戦後の慰霊「万灯流し」を詠んだ歌で終わるのだが、地獄絵図のような光景に2度も遭い、自身も長らくその後遺症に苦しめられた山口さんの、伝えても伝えきることのない深い悲しみと祈りが、読む者の心にずんと重いものを残す。

 じき30代になる筆者ですら、「戦争」や「原爆」の話は、ありし日の祖父母に少し聞いた程度だ。ましてや今の子ども達には、まったく実感の湧かないことかもしれない。

 けれど、絶対に風化させてはならない人類の記憶である。この機会にぜひ、親子で手に取ってほしい。
《てらしまちはる》

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