iPadは教育革新の原動力、広尾学園のICT教育事例を紹介

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広尾学園の沿革について説明する金子教諭
  • 広尾学園の沿革について説明する金子教諭
  • 広尾学園の学校説明会の様子
  • 実施された公開授業についての説明
  • インターナショナルクラスでのiPadを活用した授業事例
  • iPadはパーソナルな教育を促すデバイスだと解説する
  • セミナー参加者の質問に答える金子教諭
 名古屋教育ソリューションズ主催の「スマートデバイスACADEMIA 2012 Summer」が8月9日と10日の2日間にわたって東京で開催され、広尾学園の金子暁教諭がiPadの教育活用事例について発表した。

 スマートデバイスACADEMIAは、教育分野でスマートデバイスを使うことのメリットや具体的な利用方法を模索している教育関係者などを対象としたセミナー。実際にスマートデバイスを導入している教育機関の教師を講師に招き、事例紹介や意見交換が行われる。

 8月9日に東京で開催されたセミナーでは、広尾学園中学校・高等学校のIT教育責任者を兼任する広報部長の金子暁教諭が広尾学園でのiPadを導入したICT教育事例を紹介した。

 金子教諭は、広尾学園がiPadの導入などに踏み切ることができたひとつの理由は、順心女子学園として中高の女子校を運営してきた学校から、2007年に男女共学の進学校という位置づけで新たなスタートを切ったことにあるという。広尾学園として「ゼロからのスタート」ということもあり、iPad導入という新たな挑戦ができたという。

 iPadを「これから起きる教育革新の原動力」になり得る端末だと考え、これからの生徒にとって、学習スタイルだけでなく、学園生活を根本的に変えるものだと金子教諭は説明する。教師が学生の前に立ち、受験に必要な知識や情報を一方的に教えるような一斉教育とは異なり、iPadはよりパーソナルな教育を促すデバイスとして活用することできるという。

 たとえば、広尾学園のインターナショナルクラスに在籍する生徒は、英語能力や日本語の漢字能力などに差があるという。このような場合には、従来のような一斉教育では個々の能力を伸ばすことが困難になる。広尾学園では、iPadを活用した個別またはグループ教育を行うことで、生徒個人が必要としている能力を伸ばし、学生にとってよりメリットとなる教育スタイルを実現しているという。

 また、中学に入学する生徒は、生まれながらにITに親しんでいるデジタルネイティブだと金子教諭は話す。デジタルネイティブとして入学してくる生徒を育てるうえで、ICTが導入されている学習環境は必須。金子教諭は、情報端末の導入は教育の「仕事」、そして情報端末を与えないという「安心」は次世代にとって取り返しのつかない「損失」だと話す。

 では、学校へのICT教育の導入を妨げているのは何だろうか。金子教諭は、「情報端末導入は『仕事』という感覚が乏しいと、議論では『不安』の声が目立つ様になり、それはやがて『愚痴』で満たされる」と解説する。また、IT導入は誰にでもできることで、肩の力を抜いて考えたほうが、IT導入の道筋は見えやすくなると呼びかける。iPadに学習スタイルを合わせるのではなく、iPadが「似合う場所」「有効な場所」「自然な場所」で自由に使えばよいという金子教諭の意識が広尾学園の学習スタイルに変化を与えているのだろう。

 iPadがすべての授業で使われているわけでもなければ、iPadを使わずに朝の予習を行っている生徒もいる。各生徒ができるだけ自由に、それぞれのメリットとなるように導入されているのが広尾学園のiPad導入事例の特徴だろう。「次世代ができるだけデジタル機器と触れ合う機会を与えたい」という学校としての認識が、広尾学園の取組みに表れている。
《湯浅大資》

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