日本出版販売は12月25日、大学向けに教科書のデジタル配信サービスを開始すると発表した。京都造形芸術大学が2013年4月に新設する通信教育部芸術学部芸術教養学科の学生に向けに提供開始し、2013年度中に5大学の採用を目指すという。 コミック・ライトノベルなどのジャンルを中心に電子書籍の市場が拡大する中、学術・専門書のデジタル化は遅れている。日販では、既存の総合電子書籍販売サイトではなく、確実に需要が存在する教育機関へ提供することにより、出版社がデジタル化を進めやすい環境を整える。配信プラットフォームは、京セラコミュニケーションシステムの電子書籍配信サービス「BookLooper」を採用する。 同サービスは、2013年4月に京都造形芸術大学が新設する通信教育部芸術学部芸術教養学科の学生を対象に、総合教育30科目で使用する市販書籍のタイトルをデジタル化し、PC・スマートフォン・タブレット端末に配信する。 また、大学側が用意をするオリジナル教材(専門教育科目30科目)もデジタル化を行い、同じシステム内で管理・閲覧ができるようにして、学生の利便性向上を図る。順次科目を開講し、初年度には東大出版会・岩波書店・平凡社・春秋社・同成社などの出版社が提供を予定しているという。 なお、京都造形芸術大学通信教育部新学科は、スクーリング(対面授業)を撤廃し、全単位を通信教育のみで取得できる。