東大が1位、英THE誌が初のアジア大学ランキングを発表

 英タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)は日本時間の4月11日、同誌初となる「アジア大学ランキング」を発表。東大は、学生への教育力と教員の研究力が評価され、第1位を獲得した。

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 英タイムズ・ハイアー・エデュケーション(THE)は日本時間の4月11日、同誌初となる「アジア大学ランキング」を発表。東大は、学生への教育力と教員の研究力が評価され、第1位を獲得した。

 THEは、英国の高等教育専門週刊誌。これまでも「世界大学ランキング」や「世界大学評判ランキング」などを毎年発表しており、上海交通大学の「世界大学学術ランキング(ARWU)」と英国の大学評価機関が公表する「QS世界大学ランキング」とともに、世界の大学を評価する主要3社のひとつとされてきた。

 同誌の編集者フィル・バティー氏は、高等教育機関を分析する上でアジアはもっとも興味深いと話す。欧米に比べ、これから高等教育に進む学生が増加する地域であると同時に、世界の中心的存在として知識経済を生み出す研究に力を入れる大学が増えてきているという。

 同誌としては初の試みとなる今回のアジア大学ランキングでは、アジア諸国をはじめ、トルコ・中東の大学を含めたランキングを発表、アジアの上位100大学を決定した。

 ランキングの評価指標となったのは教育、国際性、産学連携収入、研究、論文引用の5項目。5項目それぞれを100点満点で評価された上で総合点を算出した。東京大学は、総合点100点満点中78.3点で第1位。その後をシンガポール国立大学の77.5点、香港大学の75.6点、北京大学の70.7点、韓国の浦項工科大学校の69.4点が続き、トップ5は東アジアの大学が独占した。

 そのほか、京都大学が7位、東京工業大学が13位、東北大学が15位、大阪大学が16位と、トップ20に国内の5つの大学がランクインされた。日本の私立大学でもっとも評価が高かったのは慶応大学で53位。そのほか、早稲田大学が57位、順天堂大学が60位となった。

 評価指標別に見ると、東大は「研究」と「教育」の指標がそれぞれ100点満点中89.9点と87.9点と高く、総合点を押し上げた。京大は、「教育」で77.1点、「産学連携収入」が76.4点、「研究」で74.8点だった。その一方で、もっとも低かったのが「国際性」。東大は100点満点中27.6点、京大は26.3点と、第2位にランクインしたシンガポール国立大学の92.3点や第3位の香港大学の81.7点を大きく下回った。

 さまざまな世界大学ランキングで指摘されてきたことだが、日本の大学の国際性はほかのアジアの大学と比較しても大きく劣ることが改めて明らかになった。それでも総合的に東大がアジアで第1位になったのは、大学の研究と教育の質の高さが評価された結果だ。大学ランキングの結果で進学先を選ぶ大学受験生は少ないだろうが、今後日本の大学が世界での競争率を上げるための改善点が改めて明らかになったことは、各大学のメリットとなるだろう。
《湯浅大資》

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