「生活習慣」が定着している子どもほど「学びに向かう力」が高い…ベネッセ調査

 ベネッセ次世代育成研究所が2012年1~2月に実施した「幼児期から小学1年生の家庭教育調査」によると、「生活習慣」が定着している子どもほど「文字・数・思考」や「学びに向かう力」が高い傾向にあることがわかった。

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「入学前に身につけておいたほうがよいと思ったものは何か」生活習慣、学びに向かう力(小1)
  • 「入学前に身につけておいたほうがよいと思ったものは何か」生活習慣、学びに向かう力(小1)
  • 「入学前に身につけておいたほうがよいと思ったものは何か」文字・数・思考(小1)
  • 「生活習慣」と「文字・数・思考」の関連(年長児)
  • 「生活習慣」と「学びに向かう力」の関連(年長児)
  • 幼児期の「学びに向かう力」と親のかかわり
  • 幼児期の「文字・数」に親しむ習慣と親のかかわり
 ベネッセ次世代育成研究所が2012年1~2月に実施した「幼児期から小学1年生の家庭教育調査」によると、「生活習慣」が定着している子どもほど「文字・数・思考」や「学びに向かう力」が高い傾向にあることがわかった。また、親のかかわり方が「学びに向かう力」を育むうえで大切な役割を担っているという。

 この調査は、3歳児から小学1年生までの子どもをもつ母親を対象に行ったもの。「入学前に身につけておいたほうがよいと思ったものは何か」(小1)という質問では、「周りの人にあいさつやお礼が言える」「物事をあきらめずに挑戦することができる」「えんぴつを正しく持てる」といった回答の割合が高かった。これらは幼児期に必要な学びの準備の要素「生活習慣」「学びに向かう力」「文字・数・思考」に当てはまるもので、これらの要素はお互いに関連する傾向があるといえる。

 「文字・数・思考」に当てはまる「自分のことばで順序をたてて、相手にわかるように話せるか」(年長児)という質問で、「とてもあてはまる」または「まああてはまる」と回答した人が、「生活習慣が身についている」と答えた割合は、「とてもそう」92.3%、「まあそう」88.7%の順に高かった。また、「学びに向かう力」に当てはまる「物事をあきらめずに、挑戦することができるか」(年長児)という質問で、「とてもあてはまる」または「まああてはまる」と回答した人が、「生活習慣が身についている」と答えた割合は、「とてもそう」83.5%、「まあそう」69.1%の順に高かった。これらの結果、「生活習慣」が定着している子どもほど「文字・数・思考」や「学びに向かう力」が高い傾向がある。

 一方、「学びに向かう力」には親のかかわり方も関連しているという。「物事をあきらめずに挑戦することができるか」(年長児)という質問で、「とてもあてはまる」または「まああてはまる」と回答した人が、「子どもの質問に対して、自分で考えられるように促している」と答えた割合は、「よくある」80.5%、「ときどきある」70.4%の順に高かった。また「自分のことばで順序をたてて、相手にわかるように話せるか」(年長児)という質問で、「とてもあてはまる」または「まああてはまる」と回答した人が、「子どもの質問に対して、自分で考えられるように促している」と答えた割合は、「よくある」91.2%、「ときどきある」87.8%の順に高かった。これらの結果、子どもが自身で考えることができるような親の促しがある場合には、「文字・数・思考」や「学びに向かう力」が高い傾向が見られた。

 これらの調査結果から、幼児期に家庭でしっかりとした生活習慣を身につけること、親が子どもに上手にかかわっていくことが、子どもの「学びに向かう力」を育み、小学校生活へスムーズに移行することにつながるという。
《荻田和子》

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