「体罰」と認定146校182人、学校名など公表…東京都の最終報告

 東京都教育委員会は5月23日、都内の全公立学校を対象に実施した体罰の実態把握調査についての最終報告を公表した。この報告によると、平成24年度の教育活動において、「体罰」と認定したものが146校182人となった。

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 東京都教育委員会は5月23日、都内の全公立学校を対象に実施した体罰の実態把握調査についての最終報告を公表した。この報告によると、平成24年度の教育活動において、「体罰」と認定したものが146校182人となった。

 同調査は、都教委が大阪市立高等学校の体罰による生徒の自殺事件を受け、都内公立学校において、体罰の疑いがあるような事例も見逃さずに迅速に対応することを含めて、体罰の根絶に向けた取組みを行うため実施したもの。調査期間は平成25年1月21日から3月15日で、4月11日に第一次報告を公表した。

 今回は、「体罰」が行われた学校について、行為の内容とともに学校名を公表。外部有識者を含めた「体罰調査委員会」は、体罰の発生原因や背景、解決すべき課題、課題解決への提言についてまとめた。

 今回の最終報告では、平成24年度の教育活動において、暴力による体罰、精神的・肉体的苦痛を感じる体罰の疑い例があるとして報告のあった502校983人の行為について確認を行ったところ、「体罰」と認定したものが146校182人、「不適切・行き過ぎた指導」が335校542人、「指導の範囲内」が85校117人、「非該当」が88校142人となった。

 行為者別では、「中学校の教員によるもの」(69校92人)がもっとも多かった。場面別では、中学校および高等学校では「部活動中」(75校87人)が多かった。回数別では「1回」(115人)がもっとも多かった。また、傷害を負わせる体罰を行った者は31人であった。体罰に対する認識では、「感情的になってしまった」(55校65人)がもっとも多かったが、「人間関係ができているので許されると思った」(16校18人)というように、体罰を許容する認識を持つ者もいた。

 都教委は、今後の対策として、「部活動指導の在り方検討委員会」において8月までに総合的な対策を検討する、7月を体罰防止月間として都内全公立学校において体罰防止研修に取り組む、体罰根絶に向けて来年度以降も調査を実施する、といった取り組みを行っていくという。
《荻田和子》

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