【MOOCs-1/3】一流大学の講義を無料受講できるMOOCsとは

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 世界中の誰もが、インターネットにさえつながっていれば一流大学の講義を無料で受けられる、という学び手にとって夢のような学習環境が普及しはじめている。大学レベルの講義を誰でも無料で受講できるオンラインコース「MOOCs(ムークス)」について、3回にわたり解説する。

◆MOOCsとは何か

 MOOCsはMassive(ly) Open Online Coursesの略で、「大規模公開オンライン講座」と訳される。2013年現在、米国を中心としたさまざまな企業や大学が、全世界へ向けてMOOCsを開講している。

 大学講義のショーケース、とも言えるMOOCsにはいくつかの特徴がある。

・学習コースの無料公開
 MOOCsはインターネット上で大学の講義をバーチャルに再現するために、オンライン講義を公開するウェブサイトを開設し、それぞれの講義のシラバスや配布資料、講義ビデオやクイズ、シミュレーション教材などを受講者に提供している。受講は無料である。

 それぞれの講義について、教材を配列した学習コースが設けられていて、受講者は学習コースに提示された手順に従い自学自習を進める。講義はあらかじめ示されたスケジュールに従って進められ、担当の講師によって運営される。受講者は定期的にテストへの回答やレポートの提出が課され、レポートの相互評価(ピアレビュー)が求められる場合もある。講義の期間は短いもので数週間、長いものだと数ヶ月にわたる。

・認定証の交付
 学習コースをすべて受講し、講師によって到達目標に達したと評価された受講者には、受講完了を示す「認定証」が与えられる。認定証は講師から、または講師の所属する大学から与えられる。この認定証はあくまで学習成果の「認定」であって、大学教員による講義だったとしても、大学の単位は与えられない(一部に例外あり)。認定証の交付は有料の場合もある。

・自主的なコース受講
 MOOCsでオンライン講座を受講するには、MOOCsが開講されるウェブサイトで受講登録をすればよい。入学資格も求められないため、インターネットに接続する環境さえあれば誰でも受講できる。また学習コースを最後まで受講する義務もないため、コースの内容が期待はずれだったり、求めていたレベルに合わなかったりした場合には、途中で止めることも自由である。一般的な受講者のMOOCs修了率は1割程度だと言われている。

・世界に広がる学習コミュニティへの参加
 MOOCsの受講者は学習コースに従って自学自習を進めるだけでなく、同じ学習コースを受講している学習者と共に学ぶ。MOOCsには世界中から受講者が集まっているため、全世界に広がる学習コミュニティに参加することになる。MOOCsには電子掲示板が設けられていて、講師やTA(ティーチング・アシスタント)との質疑応答や、学習者同士のコミュニケーションが行われる。電子掲示板では講義内容について尋ねるディスカッションや同じ国から受講している学習者同士の自己紹介など、さまざまな交流がなされる。

 世界中の学習者が24時間、それぞれの地域からMOOCsを開講するウェブサイトにログインしているため、電子掲示板での質問に対する回答も非常に早いと言われている。このような受講者同士のつながりはオンラインに限らず、オフラインで受講者が対面で出会う「ミートアップ」というオフ会のようなイベントが世界各国で行われている。

 これらの特徴から、これまで大学が取り組んできた「eラーニング」との違いも明らかになる。大学によるeラーニングは基本的に所属する学生に向けた学習機会を提供するが、MOOCsを受講するために学生の資格は必要ない。また、MOOCsの受講に学費は不要であるほか、修了したとしても大学の単位は基本的に与えられないという違いもある。

 このようなMOOCsを公開する企業や大学コンソーシアムが、2012年頃から欧米を中心に数々設立されている。いくつか事例を紹介する。

《重田勝介》

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