ICT機器導入で「ハイテク教育」は実現する…8割の先生が回答

 トレンド総研は、学校の先生などを対象に「ハイテク教育に関する意識・調査」を実施。8割の先生が今後、「ハイテク教育は実現する」と回答するなど、ICT機器導入で「よりわかりやすい授業ができる」と、教育現場での期待が見受けられた。

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今後「ハイテク教育」は実現するか
  • 今後「ハイテク教育」は実現するか
  • ICT機器が導入すると教育はどのように変わるか
  • 赤堀侃司白鴎大学教授
 トレンド総研は、学校の先生などを対象に「ハイテク教育に関する意識・調査」を実施。8割の先生が今後、「ハイテク教育は実現する」と回答するなど、ICT機器導入で「よりわかりやすい授業ができる」と、教育現場での期待が見受けられた。

 調査は、小学校、中学校、高等学校、専門学校、専修学校、短大・大学・大学院、学習塾、予備校の先生500人を対象に、インターネットで今年9月に実施された。

 タブレット端末やスマートフォンなどのICT(情報通信技術)を活用した教育方法はICT教育と言われ、政府でも推進。「2020年までに全国の小・中学校で1人1台のタブレット端末の整備」と目標を掲げている。

 「ICT機器をはじめとする教育機器について、特に関心・興味があるか」の質問に「ある」と答えた人は70%と高い結果になった。興味のある教育機器として「パソコン」「電子黒板」「タブレット端末」が上位に挙がった。関心は高いものの、実際に自身の学校で導入しているかの問いには14%にとどまり、導入が追いついていないのが現状のようだ。

 「ICT機器を授業でどのように使用したいか」には、多様な意見が出された。「動画を使った授業や、海外との交流に使いたい」「電子黒板とパソコンを組み合わせて板書し、保存して次に活かしたい」「理科、数学では動画を使った授業を、社会では歴史上の人物・建造物を写真で示したい」「遠くが見えにくいので、弱視生徒にタブレット端末を持たせたい」など、教育現場の生の声が届いた。

 教育にICT機器が導入されると、「よりわかりやすい授業ができる」(55%)、「学生・生徒の興味・関心が高まる」(49%)、「無駄な時間と手間が省くことができる」(46%)と回答(複数回答形式)するなど、「ハイテク教育」への期待がうかがえた。さらに「今後ハイテク教育は実現すると思うか」という問いには「思う」と答えた先生は81%にのぼった。

 白鴎大学の赤堀侃司教育学部長・教授は、ICT教育には、「授業への関心の継続性が向上」「学生・生徒の表現力の向上」「授業の効率の向上」「授業クオリティの平準化」「遠隔地との接続による新たな授業スタイルの提供」の5つのメリットがあるという。

 また今後、導入は確実に進むが、導入にかかるコストや端末の充電、ネットワーク環境などのインフラ整備、先生間の運用レベルの格差などの課題もある。今後、上手な活用方法を積極的に共有し、取り入れていくことで効果的な「ハイテク教育」は実現すると話している。
《田中志実》

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