9月24日、朝日新聞朝刊にドーンと掲載され、「教育」カテゴリの話題の中でバズワード化した「反転授業」。「家で動画見て予習、「反転授業」試行へ 佐賀・武雄市」【朝日新聞】(参考)佐賀県武雄市の取組み 佐賀県武雄市は、2013年11月から市内の小学校1校で、児童が自宅に持ち帰ったタブレットを使って従来の授業内容を学習したうえで、学校で発展的な内容を学ぶ「反転授業」を取り入れる。試行的に導入し、他校への拡大を検討していくとしている。 「反転授業」という言葉自体は、昨年くらいから僕の耳にもよく入ってくるようになった言葉で、物理の講師をされている田原真人さんも、今年1月から「反転授業の研究」というブログを綴り、さまざまな実践もされています。 今回の武雄市の取組みについては、田原さんがツイッターで述べています。“反転授業に対しては、賛否いろいろありますが、僕の姿勢は、まずは、「やっている人の話を聞く」そして、「試しにやってみる」。そうすると、想像もしなかったことが次々と出てくる。” --Twitter 田原真人(ネット教育・物理講師・著者)より引用 同感で、「実際に(試験的に)やってみる」ってことが、大事なのではないかと素直に思います。 教育手法はさまざまあり、従来のティーチング型の教授法では、想像力や問題解決力を磨けない、などという欠点の指摘をされる方もいるわけですから、これまで培われなかった力を培うことにチャレンジすることは、素晴らしいことだと思います。 eラーニングの可能性を追求され続けてきた田原さんも、ツイッターで次のように述べられています。“予備校講師として14年間、授業を磨きに磨いてきて、一方で、ネット予備校でE-Learningの可能性を9年間追求してきて、それらの経験を踏まえた上で思う。「反転授業」には大きな可能性がある。” --Twitter 田原真人(ネット教育・物理講師・著者)より引用 反転授業そのものについては、繰り返しになりますが、教育手法はさまざまなものがあって良く、生徒に一番「その先生なら」響く手法を選択すればいい、というのが僕の基本的な姿勢なので、反転授業という教育手法が「在る」こと自体は肯定的に受け止めています。 一方、初めて「反転授業」という言葉を見て、意味を知ったときに「そんなに新しい教育手法かな?」と思ったのも確かです。 なぜかは簡単で、僕自身の小中高校時代の学習スタイルが、自宅で予習をして、学校は自分の理解が正しかったかどうかを確かめる場だったからです。「普通に予習をして、学校で授業を受けるのと何が違うの?」これが以前よりもっている「反転授業」についてのイメージです。 ただ、僕自身、勉強が好きで運動嫌いの、モテないヤサ男という(苦笑)タイプだったので、僕のやり方が万人に通用するとは思えません。また、僕のやり方で進めたとき、僕自身は、授業そのものに不満を感じるときもありました。 そんな自分自身の経験と重ね合わせると、「反転授業」という言葉が「いま」取り上げられ、そして試行されることには、「いま」という時代にマッチし、僕の時代よりも効果が見込める(そしてその効果が時代から要請されている)部分も大きいのではないかと思うところがあります。