その理由は、武雄市の反転授業の朝日新聞の記事で掲げられていた3点に集約できるのではないかと思います。それは「1.子どもがどこまで意欲をもって予習に取り組むかだ。教材の魅力を高めることがカギを握る。」「2.低学年ほど、大人が映像を見るよう促す必要があり、保護者の協力が欠かせないことだ。家庭環境の厳しい子どもには、放課後に学習の場を設けるなどの工夫がいる。」「3.教師が『教え込む人』から、『子どもとともに考え、話し合う人』へという、役割の変化にどこまでついていけるかだ。」の3点です。1.子どもがどこまで意欲をもって予習に取り組むかだ。教材の魅力を高めることがカギを握る。 すでに述べましたが、僕自身の学習スタイルが予習型だったわけですが、すべての子どもがやれていたかというと、決してそうではありません。皆さんの経験上もおわかりかと思うのですが、予習に取り組んでいる子ども・生徒は「できる子」に分類される人たちなのです。 ですから、反転授業の導入を疑問視する人の声では、・できない子はそのやり方についていけないのでは?・学力格差が余計広がるのでは?などがよく聞こえてきますし、その懸念ももっともです。 一方、「いま」のほうが、子どもたちが意欲を持ちやすい環境が整いつつあります。それが「タブレット教材」というツールなのだと思います。「主体性を育むタブレット授業、千葉県立袖ヶ浦高等学校」でも述べましたが、タブレットそのものに、生徒の主体性を育むことに寄与する側面があると感じています。 もちろん、タブレットそのものは触媒に過ぎませんが、僕の小中高時代よりも、予習に取り組む意欲に寄与する「道具」が追加されたことは、課題解決に近くなったと捉えることができます。