「反転授業」の活かし方を考える…佐賀県武雄市が試行

 児童が自宅に持ち帰ったタブレットを使って従来の授業内容を学習したうえで、学校で発展的な内容を学ぶという武雄市の「反転授業」。9月24日、朝日新聞朝刊にドーンと掲載され、「教育」カテゴリの話題の中でバズワード化した。

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写真はイメージです。本文とは関係ありません
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 その理由は、武雄市の反転授業の朝日新聞の記事で掲げられていた3点に集約できるのではないかと思います。それは「1.子どもがどこまで意欲をもって予習に取り組むかだ。教材の魅力を高めることがカギを握る。」「2.低学年ほど、大人が映像を見るよう促す必要があり、保護者の協力が欠かせないことだ。家庭環境の厳しい子どもには、放課後に学習の場を設けるなどの工夫がいる。」「3.教師が『教え込む人』から、『子どもとともに考え、話し合う人』へという、役割の変化にどこまでついていけるかだ。」の3点です。

1.子どもがどこまで意欲をもって予習に取り組むかだ。教材の魅力を高めることがカギを握る。

 すでに述べましたが、僕自身の学習スタイルが予習型だったわけですが、すべての子どもがやれていたかというと、決してそうではありません。皆さんの経験上もおわかりかと思うのですが、予習に取り組んでいる子ども・生徒は「できる子」に分類される人たちなのです。

 ですから、反転授業の導入を疑問視する人の声では、

・できない子はそのやり方についていけないのでは?
・学力格差が余計広がるのでは?

などがよく聞こえてきますし、その懸念ももっともです。

 一方、「いま」のほうが、子どもたちが意欲を持ちやすい環境が整いつつあります。それが「タブレット教材」というツールなのだと思います。「主体性を育むタブレット授業、千葉県立袖ヶ浦高等学校」でも述べましたが、タブレットそのものに、生徒の主体性を育むことに寄与する側面があると感じています。

 もちろん、タブレットそのものは触媒に過ぎませんが、僕の小中高時代よりも、予習に取り組む意欲に寄与する「道具」が追加されたことは、課題解決に近くなったと捉えることができます。
《寺西隆行》

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