英語のアルファベット学習、絵と音の聞き比べが効果的…早大と東大共同研究

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研究で用いた、アルファベットの形と、その文字で始まる日本語の単語イメージを結びつけた工夫
  • 研究で用いた、アルファベットの形と、その文字で始まる日本語の単語イメージを結びつけた工夫
  • 一般的に用いられている、絵と文字の組み合わせ(左)と図と文字を結びつけるような工夫(右)
  • 実験において得られた群ごとの平均(標準偏差)
 日本人の英語学習において、絵を用いた記憶方略と、音の聞き比べを組み合わせることが、アルファベットの音の学習効果を促進させると早稲田大学と東京大学の共同研究が明らかにした。

 早大理工学術院英語教育センターのエマニュエル・マナロ教授、東大教育学研究科の植阪友理助教と博士課程の関谷弘毅氏による共同研究。研究内容は、記憶認知応用研究学会(SARMAC)の機関誌「Journal of Applied Research in Memory and Cognition (JARMAC)」に掲載された。

 研究で用いた記憶方略は、アルファベットそのものの形と、その文字で始まる日本語の単語イメージを結びつけたもの。例えば、「b」は「ブラシ」、「d」は「電話」のイメージと関連づけることで、アルファベットの文字の形が、物のイメージを思い出すのを助け、さらに文字の音を思い出すことを助けるという。

 音の聞き比べは、英語と日本語の音の違いを意識化させる働きかけ。例えば、「フラワー」という外来語を日本語として発音する場合は、冒頭の音が「fu」と発音され、「f」という音素のあとに母音が挿入されるが、実際の英語では「f」という音で発音され、母音は挿入されない。このような音の聞き比べなどを通して、アルファベットの音素と日本語の音の違いを強調して指導し、音声練習を行ったという。

 研究には、アルファベットについて発音の十分な知識はないものの、名前は知っている状態の小学6年生140名が参加。記憶方略を教示する群としない群、音の比較をする群としない群という、4群のいずれかの条件で、12個の子音について45分授業2コマで指導を受けた。

 その結果、指導を受けたすべての児童がアルファベットの音の学習が促進した。特に記憶の方略の指導を受けた群と、音の比較を行った群での学習効果が高く、その成果が統計的にも確認された。

 共同研究によると、絵がついたアルファベット表に代表されるように、絵と文字を結びつける方法は、英語学習では代表的な工夫であり、決して新しいものではない。だが、一般的に使われているものは、文字と絵がばらばらに示されており、文字の形と物のイメージを思い出す手がかりになっていないため、効果が薄いと考えられるという。アヒルと「d」のように、図と文字を結びつける工夫がされている場合も、英語の単語(duck)を子どもは必ずしも知らないため、文字の形と日本語の単語を結びつけるような工夫の方が効果的だという。

 研究グループでは、「研究で検討したような指導法は、子どもが学校で英語を学ぶ際、効果を高めるために重要であると考えられる」としている。
《奥山直美》

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