◆電源方式と辞書拡張方式の違い 電源方式には、両者の考え方の違いが現れている。EX-Wordは乾電池式だがBrainは充電式だ。充電式はランニングコストを下げられるが、必要に応じて充電器(小さいものだが)を持ち歩く必要がある。電池の持ちだが、ホームページの仕様表示によれば、EX-Wordが130時間に対しBrainは50時間。レビュー中、10日間ほど使用したが、どちらも電池交換や充電の必要はなかった。 EX-Wordは拡張辞書用にマイクロSDのスロットが2つ搭載されている。SDカードで標準収録以外の追加辞書やコンテンツを管理する形になる。Brainはスロット1つだが、シャープのサイトから電子辞書や電子書籍の「ブレーンライブラリー」を利用できる。「ブレーンライブラリー」は専用アプリをダウンロードして、PCなどでコンテンツを管理できる。辞書を追加していく場合、一般的な管理ならSDカードの保存や差し替えによる方法が簡単でわかりやすいといえるだろう。しかし、PC操作に慣れている人なら、ハードディスクに辞書のバックアップをとったり、本体へのコンテンツの入れ替えが自由にできるほうが使いやすいだろう。 EX-Wordには別売でポケットに入る「デジタル単語帳(EX-Word with)」が用意されている。これは、本体からの辞書データなどを転送し、オリジナルの単語帳や暗記カードを作ることができるもの。Brainにも暗記カードツールがあり、同等なことは可能だが、本体で行うことになる。◆学校指定教材や子ども視点で選ぶのがポイント 筆者が10日ほどレビューした範囲では、ボタンも大きく画面デザインもシンプルで見やすいBrainが使いやすいと思った。またPC連携機能はWVGA対応なども個人的にはポイントが高かった。特に360度開閉でタブレットのような使い方ができるのは、今後タッチパネルをマルチタッチに対応し、フリックやピンチ操作に対応すれば、スマートフォン世代のユーザーにも使いやすいものになるのではないかと思った。 しかし、中学2年の息子に使わせたところ、EX-Wordを気に入っていた。息子には携帯電話やスマートフォンを与えておらず、どちらかというとPC操作に慣れているのだが、EX-Wordのほうが使いやすいと言っていた。 気になる価格だが、1月中旬に都内の量販店で確認したところ、どちらも34,800円という値札表示だった。 普段のIT機器の利用状況や視点などにより、評価が分かれるようだ。入学祝いのプレゼントに選ぶ場合は、本人に意見を聞いたり、学校指定の辞書や教材の情報を把握しておくと、よりよい選択ができるのではないだろうか。