「イード・アワード2023電子辞書」でシャープ「Brain(ブレーン)」が12年連続の最優秀賞を受賞。合わせて「検索機能が良い」「音声品質が良い」「デザインが良い」「携帯性に優れた」「耐久性に優れた」「コスパが良い」という6つの部門賞を獲得した。シャープ プラズマクラスター・ヘルスケア事業部 スマート事業推進部 部長 笹岡孝佳氏と同事業部 販売推進部 主任 簑原久美氏に、Brainの特徴や選ばれる理由、活用法について話を聞いた。
豊富な辞書・コンテンツと縦型学習スタイルで成績アップへ
--12年連続の最優秀賞受賞、おめでとうございます。受賞の感想をお聞かせください。
笹岡氏:12年という本当に長い間、Brainを選んでいただきありがとうございます。ユーザーの方が実際にご利用いただいた結果であることがとてもうれしいです。この商品の企画・営業・開発、諸々の関係者含めて本当に喜んでおります。
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簑原氏:中学校や高等学校ではICT化が進んで、授業でもパソコンやタブレットの利用が増えていますが、電子辞書は先生・生徒の方々に根強い人気があります。パソコンやタブレットとの二刀流での活用が進む中、多くのご支持をいただけてとてもうれしいです。
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--12年連続受賞の背景には長年にわたっての並々ならぬご努力があったと思います。改めてこのBrainの特徴を教えてください。
笹岡氏:電子辞書に求められる機能は、辞書やコンテンツが豊富にあり、手軽に検索できて、すぐに調べたい情報が手に入ることが第一です。しかし近年、求められているのはそうした機能だけではありません。Brainは画面をクルっと回して縦型にでき、いつでもどこでも学習できる「2wayスタイル」も特徴となっています。
縦長にすることで片手でも持ちやすく、辞書機能としてはもちろんさまざまな学習アプリを利用して勉強を進められます。2024年2月に発売した高校生向けの「PW-S3」では、こうしたハードウェアの使いやすさとともに辞書やさまざまなコンテンツを活用した学習機能の使いやすさに注力し、約260グラムという軽い本体に277コンテンツを収録しています。
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笹岡氏:一般的な電子辞書では、机の上に置いて画面を横向きのまま開いて勉強する場面が想定されますが、Brainは通学時の電車などのすきま時間に縦型にして学習機のようにして学べます。間違ったものだけを繰り返して学習できる機能もあり、高い評価をいただいています。
新製品のPW-S3もそうですが、そもそも紙の辞書でこれだけ揃えると明らかに電子辞書の金額以上になるので、とてもコスパが良いと思います。また英語だけでなく、国語・数学・理科・社会の地歴と公民の学習もできます。
簑原氏:コロナ禍の教育現場ではオンライン授業や、マスク着用や感染防止のアクリル板設置などが課され、英会話の発音練習が難しくなりましたが、その際にBrain搭載の「ATR Call 5000」を非常に良くお使いいただいたと、学校の先生方からも話を聞いています。このATR Call 5000はネイティブスピーカーによる単語や英文の発音を聞いた後に、自分の声を録音すると、その発音を採点してくれるもので、たとえば「RとL」や「SとTH」などの音の違いを学ぶこともできます。
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簑原氏:「暗記ツール」は書籍の単語集と同じように縦型で表示できます。暗記に使う透明シートは4つの色があり、覚えたい内容によってシートを選び、使い分けることができます。自分で書いて覚える機能もあり、単語の後ろにあるマークを押すと内蔵の音声も聞くことができます。Brainでは出版社監修による英単語の音声「ジーニアス・サウンズ」を搭載していることもポイントです。辞書の発音記号に基づいて出版社自らが作成したネイティブスピーカーによる信頼できる発音なので、リスニング力のトレーニングができるとして英語の先生方からも高く評価していただいています。音を聞いているときに画面下部の「音量」ボタンを押すと0から9の数字で音量も変えられます。Brainはボタンが液晶画面にあるので、自分が望む機能やその時に使うものが表示されて直感的にアクセスできて使いやすいというお声を良く聞きます。
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--英単語を覚えるときは紙の書籍を横に置いて赤い透明のシートで暗記、音を確認するにはスマホやタブレットを出してと動作が多くなりがちですが、Brainが1台あればすべてが簡単にできますね。
簑原氏:充電式である点も、高い評価をいただいています。パソコンやタブレット、スマートフォンでも1日使うとまた家で充電する必要がありますが、Brainは1回の充電で140時間表示※1できます。
利用者へのアンケートでは約2週間に1回の頻度で充電して使っているというデータがあります※2。乾電池では電池切れのたびに交換しなければなりませんが、内蔵のリチウムイオン充電池はご家庭で付属のACアダプターを使って充電できます。外では普段スマートフォンなどにお使いのモバイルバッテリーに接続して充電することもできます※3。語句の意味を調べる使い方がメインならば、バッテリーの消耗度も緩やかなので毎日の充電も必要ありません。
調べものから一歩進んだ電子辞書ならではの学びへ
--学校の授業ではPCやタブレットを活用するシーンが増えて、スマートフォンなどの端末を持っている中高生も増えています。PCやタブレット、スマートフォンにはない「電子辞書」ならではの強みを教えてください。
簑原氏:電子辞書は専用機なので起動が早くて、すぐに調べて情報を得られます。また電車の中で取り出すにもちょうど良いサイズです。スマートフォンやタブレットはWi-Fi環境などで利用する場合が多くなりますが、通信速度が環境によって左右されますし、ネットにつなげば広告やSNS、ゲームなどの表示や通知が届くなど、勉強に集中しにくい面もあります。
笹岡氏:スマートフォンやタブレットで語句の意味を調べると、検索結果が広告で占められることも多く、掲載されている情報が本当に正しいのかもわからないですよね。正確な情報で安心して勉強ができる電子辞書は、多くの先生方に調べものに適したツールとして推奨いただいています。
--メニューに「探究学習」とありますが、どのように活用できるのでしょうか。
笹岡氏:単に語句を調べるだけではなく、1つのキーワードをベースに周辺情報も調べられる機能です。たとえば「地球温暖化」と調べると、説明の中に地球温暖化というキーワードが入っている語をすべてリストアップしてくれるので、分野を横断して調べることができます。「地球温暖化」という言葉の意味だけでなく、関連する情報までも調べることができるのです。ブリタニカ百科事典、国語辞書、日本史・世界史事典、生物事典などさまざまな辞書がありますが、それらすべての辞書から関連事項をリストアップしてくれますので、いろいろな視点が得られると思います。
簑原氏:またBrain独自の機能として「2画面検索」があります。紙の辞書であれば、どこかのページで何かを調べ次のワードを調べたいときには、ページに付箋をはさんでさらに調べていたと思いますが、Brainは2つの画面に辞書を並べて表示できます。たとえば英単語で“look”と“watch”といった同じような単語の意味がどう違うのかを調べたいと思ったら、紙の辞書はページを行ったり来たりしなければなりませんが、Brainならば並べて比較できます。同じ辞書でも異なる辞書でも表示できるので、英語の辞書を左に表示しながら、右に国語辞典を呼び出して調べるなども可能です。
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--実際にご利用されている学校の先生方や中高生の方たちからはどんな反響がありますか。
簑原氏:毎年、入学される方たちに向けて、一部の学校様では電子辞書を販売する機会がございます。そこでは、やはり充電式と2wayスタイルが人気です。保護者の方は搭載されているコンテンツの充実度などに関心があるようです。生徒さんはご自身が使う立場でお考えになるので、2wayスタイル、いわゆる片手持ちできるところに評価をいただいています。また先生方の利用方法として、Brainの画面を大きく映して授業で活用していただいているという話も聞いています。
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英語4技能の学習を支えるBrain
--人気の機種とその機種が選ばれる理由を教えてください。
笹岡氏:最近の傾向としては、ハイレベルな英語辞書を収録したモデルが伸びてきていますが、これはやはり世の中で英語が重要とされてきていることの現れでしょう。新商品のPW-S3も英語を強化したモデルです。辞書や参考書を充実させるとともに、英語4技能「話す・聞く・読む・書く」を効果的かつ全体的に学習できるツールになっています。
英語4技能の「読む」には、英語の原書を収録しているので、原書を読みながら、わからないところをすぐに調べることができます。読み進めていくことで勉強が進み、それが全体的に英語の習得につながるといったご意見をいただいています。
簑原氏:搭載している英語の原書「OXFORD BOOKWORMS ベストセラー厳選集」では初心者から英語のレベルごとに選べるようになっています。文章内にわからない単語があれば、そこをタッチして調べられるので多読がしやすくなっています。「連続読上」というボタンを押すと、音声による読み上げもできるので、英語の文章をラジオ感覚で聞くように使用できます。読み上げスピードも簡単に変えられます。
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--中高生の皆さんはどのように活用されているのでしょうか。
簑原氏:中高生はやはり日々の調べ学習や学校の予習・復習で調べる際に活用することが多いと思いますが、暗記学習にもかなりお使いいただいています。暗記ツールは英語以外にも、山川出版社の「山川一問一答 日本史・世界史」などが搭載されています。また英検によく出る単語を級ごとにまとめた旺文社「でる順パス単」が1級から5級まで搭載されていますので、自分が勉強したい単語集を呼び出してきて学ぶこともできます。また、学校の授業でよく使われてる英文法参考書も収録しているので、毎日の授業の理解度のアップにも役立ちます。さらに辞書を追加で加えたいときには「ブレーンライブラリー」からダウンロードできる仕組みがあります。そちらでフランス語やドイツ語、中国語などの第2言語の辞典、専門性の高い用語辞典などをご購入いただけば、大学に入ってから本体を買い替えることもなく使い続けられます。
辞書+学習で多様な学びをサポート
--今後の展望をお聞かせください。
笹岡氏:コロナ禍をきっかけに学校のICT化という環境の変化がありましたが、それらはすべて「子供たちの多様でより良い学びのために」という目的に向かって進んでいます。そして、そうした変化の中でも「正確な意味を調べる」「それを元に学習を進める」といった電子辞書に求められる役割や重要性は変わりません。調べるとともに学習できるツールとして、今後もBrainのさらなる進化を目指したいと考えています。
--ありがとうございました。
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シャープのBrainは、紙の辞書では難しい暗記、語句の意味や音の比較、異なる辞書の横串検索といった学びに役立つ機能をデジタル化によって実現し、日常の学習や受験勉強、英語資格試験、探究学習といったさまざまな学びのシーンに必須なツールに進化している。子供たちにはぜひBrainを学びのパートナーとして日常的な活用を進めてほしい。
※1 使用温度25℃。表示の明るさは標準の3、表示状態になった30秒後に表示が暗くなる設定でカード非装着の状態で、連続表示した場合
※2 『ブレーン』を使用している16~19歳の学生538名へのスマートフォンリサーチによる。約85%が月に3回以下の充電頻度。2021年9月シャープ調べ
※3 使用可能なモバイルバッテリーについて詳しくはホームページをご覧ください