【高校受験2014】横浜翠嵐高校<特色検査>講評、「速く正確に」処理し推理する難問

 神奈川県公立高等学校の入学者選抜が開始された。神奈川県内で多数の塾を展開する湘南ゼミナールの協力を得て、2月17日に実施された横浜翠嵐高等学校の特色検査の講評を速報する。

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 神奈川県公立高等学校の入学者選抜が開始された。神奈川県内で多数の塾を展開する湘南ゼミナールの協力を得て、2月17日に実施された横浜翠嵐高等学校の特色検査の講評を速報する。

◆問題の概要:問題は複雑で大型、文理全分野におよぶ広く深い難問

 課題1:学者梅原猛氏の発言を引用し、文明のあり方、生命のつながりなどについて論じた文章を読み、地殻運動の推理、和歌の解釈、発電装置の面積計算、英語読解を兼ねた要旨把握がならぶ。

 課題2:前半・後半に分かれる。前半は、江戸時代の怪談を素材にした英語読解と社会科の資料を用いた推理問題。最後に今年最大規模の「光の性質」の説明問題がある。

◆設問の特徴:大量の情報を速く正確に、深く処理して理由を推理

 例年どおり県下最大の情報量。英文中の学習していない単語は別紙の単語集にあるので、読解に大きな手間がかかるため、速度はまず必須。ただし、表面的にさっと解答するような浅い手段は通用しないように作られている。

 唯一の選択問題は「すべて選ぶ」形式で、多くの英文を読まねばなならない。また、主流は理由を推理する問題だが、理由を3つ書かせたり、6つの資料をできるだけ多く用いるよう指定するなど、深く読み込むことを求めた。なお、これらの推理問題は、理科・社会のテストにありそうな題材だが、教科の知識はあまり重要でなく、ほぼ推理だけで解決できる。

 全体のテーマは推理と情報処理の徹底だ。

◆課題と対策:全方位的思考力+時間配分の適切な戦術

 大量のデータを処理することと推理することが翠嵐の示す課題。

 まず、英語について。語彙力強化は当然として、推理力も重要。語注が単語集となっているため、すべてチェックしていると時間が足りない。文脈から推理して意味をつかむ練習が必要だ。

 翠嵐の問題は情報が多いため、テストとしてみると大変だが、現代の情報化社会ではいくらでもあること。教科や分野に関係なく「なぜ?」「どのように?」と疑問を見つけ、解決する過程を楽しむこと、そしてそれを箇条書きで手際よく説明できることが重要だ。学習でも日常生活においても、以上を心得てほしい。

 2月14日に実施された共通選抜の学力検査5教科の正答と問題は、東京新聞「2014年首都圏公立高校入試」サイトにて閲覧することができる。
《田村麻里子》

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