いつでも家庭でできる、送迎の負担がない、無理なく続けられる料金設定などから根強い人気がある幼児向けの通信教育。どう選んで、どう利用すればよいのか、また幼児期の学びに親はどのように関わればよいのかなど、ともに幼児期からの通信教育を提供する小学館集英社プロダクション(幼児向け:ぷちドラゼミ)とZ会(幼児向け:Z会幼児コース)の担当者に、企業の垣根を越えて語ってもらった。--幼児期の学びのポイント遊びの中から自然に学びにつなげる(ドラゼミ)「できないこと」よりも「できる」ことに目を向ける(Z会)堀越さん(ドラゼミ):幼児期は、まだまだ遊びが生活の中心。遊びの中から、自然に学びへとつなげることが大事です。日常生活の中で、幼児が何かに興味を示す瞬間、集中するときが、そこかしこにあると思います。そのときこそ、まさに学びの入口。そういう時間をたくさん作ってあげることが、子どもの力を伸ばすことにつながります。安西さん(Z会):親はどうしても子どものできないことに目が向きがちです。「これができていないから、やりなさい」となってしまう。そうではなくて、できたことに目を向けて「ここができたね!」と褒めてあげてほしいですね。 子どもが「できる!」と感じることはとても大切です。小さいうちから、たくさんの「できる!」を経験すれば自信になりますし、「自分が好きなようにやっていいんだ!」と自分を信じられるようになります。自分を信じることができれば、将来難しい問題にぶつかっても、くじけずに取り組む力が培われるのです。 難しい問題に挑戦させたい、という親御さんのお気持ちもわかります。ちょっと難しい問題に取り組ませることは、子どものやる気を刺激するためにも大事なことです。でも、難しすぎるとやる気をなくしてしまう。幼児期の学びは、小さな「できる!」をたくさん増やすことのほうが大事です。それが「あと伸び」する子を育てると考えています。石山さん(ドラゼミ):褒めることが大切というのには同感です。お母さまの中には、どう褒めていいかわからない、という方がたくさんいらっしゃいます。でも、たとえば「今日は線が太くしっかり書けたね!」でも十分。些細なことでも「できたこと」に目を向けて褒めてあげてほしいです。 難しい問題を与えて「これできる?」とお子さんを試したくなるお気持ちもわかります。でも、子どもは試されるのは好きではありませんし、できなければ自信をなくしてしまうことにもなります。鈴木さん(Z会):「まわりの子は字が書けるのに、どうしてうちの子は…」と心配される方もいらっしゃいますが、幼児期は個人差がとても大きいのです。数が得意だけど言葉が苦手な子もいるし、その逆もいます。能力のでこぼこはあって普通なので、心配しないでいただきたいですね。--通信教育を取り入れるメリット知りたいをスムーズに学びにつなげられる(ドラゼミ)親子のコミュニケーションが変わる(Z会)堀越さん(ドラゼミ):子どもが何かに夢中になっているとき、お子さんの「もっと知りたい!」という気持ちを「教材」を媒介とすることで、スムーズに学びにつなげられる。それが、ご家庭でいつでもできる通信教材の良さではないでしょうか。安西さん(Z会):「教材」を通じて、親子の会話が広がることが最大のメリットだと思います。親は子どもに対してどうしても、「あれをしなさい、これをしなさい」という指示命令型の一方的な会話をしがちです。でも、そこに「教材」が加わることで、親は子どもの横に並んで、教材を見ながら「これ、何だろう」「どうしてこうなるんだろうね」と興味を分かち合える。上からの一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションが生まれるのです。親との会話が多いことは、難関大学合格者の共通点の一つでもあります。 また、会員様からは、親子で教材に取り組むことで「子どもの成長を実感できた」、「この子はこんな考え方をするんだ!」「こんなこともできるんだ!」とわが子に対する理解が深まった、といったお声をいただいています。