原始星と「星の卵」が同居、誕生現場を世界初観測…国立天文台

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アルマ望遠鏡の観測結果をもとに描いたガス雲中心部の想像図に各部位の説明をオーバーレイしたもの
  • アルマ望遠鏡の観測結果をもとに描いたガス雲中心部の想像図に各部位の説明をオーバーレイしたもの
  • アルマ望遠鏡が観測した、塵から放射される電波(緑)とガスから放射される電波(赤)、スピッツァー宇宙望遠鏡が観測した赤外線(青)の疑似カラー合成画像
 国立天文台は7月3日、アルマ望遠鏡による観測から、星の誕生現場において「星の卵」となるガス塊がダイナミックに運動していることがわかったと発表した。星が形成する様子を観測でとらえたのは、世界で初めてだという。

 大阪府立大学の大学院生、徳田一起さんと大西利和教授らの研究チームが、おうし座にある濃いガス雲をアルマ望遠鏡で観測。誕生直後の原始星を取り巻くガスのほかに、2つの濃いガスの集合体が潜んでいることを発見した。このガスの塊は、星が誕生する直前の段階にあると考えられるという。

 また、原始星自体から、噴き出すガス流も発見した。ほかの原始星の周りで見つかっているガス流よりも小さく、広がりと速度から数十年から200年前に原始星から噴き出したガス流であることがわかり、この原始星が非常に若いことが判明。同じ領域に生まれたばかりの原始星と星の卵が同居していることを突き止めた。

 濃いガスの集合体からは、尾のように長く伸びたガス雲の存在も観測した。研究チームでは、この長く伸びたガス雲は、2つ以上のガス塊が互いに重力を及ぼしながら激しく移動した結果ではないかとしている。

 星の誕生をめぐってはこれまで、ゆっくりとガス雲が収縮して星が生まれると考えられてきたが、今回の観測はそのイメージを覆す画期的な観測成果だという。

 研究チームの徳田さんは「星形成直前のガスの塊が、原始星のすぐ隣に隠れているのを見つけた時はとても興奮した。星形成のメカニズムをより詳しく明らかにしていきたい」と話している。

 観測結果は、6月11日発行のアメリカの天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル・レターズ」にも掲載された。
《奥山直美》

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