【ワークショップコレクション10】カボチャとミニトマトどっちが浮くのか、浮力探検隊

 8月29日に開幕したワークショップコレクションでは、モノづくり、創作、テクノロジーやコミュニケーションの世界に子どもたちをいざなうイベントを多数開催。「浮力探検隊」では、浮き沈みの現象を実験しながら学ぶワークショップが行われた。

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ワークショップコレクション 浮力探検隊
  • ワークショップコレクション 浮力探検隊
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  • 実験の予想と結果を整理するシート
  • 重さと密度を可視化したカプセルで実験。概念をつかむ
  • ワークショップコレクション 浮力探検隊
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  • カボチャとミニトマトの実験で抽象理解を現実に応用する力をつける
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 8月29日に開幕したワークショップコレクションでは、モノづくり、創作、テクノロジーやコミュニケーションの世界に子どもたちを誘うイベントを多数開催。「浮力探検隊」では、浮き沈みの現象を実験しながら学ぶワークショップが行われた。

 「浮力探検隊」は慶應義塾大学の今井むつみ研究室が主催するワークショップ。ものが水に浮いたり沈んだりする現象を、科学的に考察することを目的としているが、子どもたちが遊び感覚で実験をしながら浮力と物の重さや密度の関係について理解を深めるようデザインされたプログラムだ。

 ひと組に2つのテーブルが用意され、最初のテーブルでは基礎的な実験で物が浮いたり沈んだりする現象の概念を学ぶ。ここでは、卵型カプセルに小さい鉄球が入ったものを使って実験を行う。カプセルの大きさや中の鉄球の数によって、重さと密度が視覚化された物体を水槽に入れてみる。カプセルの大きさと、カプセル内の鉄球の数の関係を視覚的に把握し、浮いたり沈んだりする傾向が自然に把握できるというものだ。

 たとえば、中くらいのカプセルに鉄球が10個なら浮くが、15個になると沈む。しかしカプセルが大きくなると15個でも浮かせることができる。この実験を通じて子どもたちは、物体の重さと密度(空気の入り具合)の関係と浮力についての感覚を身につけられるという内容だ。

 次のテーブルでは、対象をより抽象化し、実際のくだものや野菜、プラスチックや木の部品などを水槽に入れてみる。今度は浮き沈みの手がかりとなるカプセルや鉄球はないので、持ってみた重さや自分の知識で結果を予想してみる。予想が外れることもあるが、インストラクターがその理由をフォローし、実際の場面で応用ができるように知識を高めてくれる。

 たとえば、リンゴとナシは、水分の多いナシが沈み、リンゴは浮く。カボチャとミニトマトは多くの子どもの予想を反して、カボチャが浮いてミニトマトが沈むのだが、カボチャの断面で空洞が多いこと、トマトも水分が多く身がしまっていることなどを学ぶ。

 実験を終えた子どもたちはインストラクターから名前の入った表彰状をもらっていた。

 参加した小学4年生の女子に感想を聞いてみたところ「おもしろかった、トマトとカボチャの実験はびっくりした」とコメント。カボチャの大きさは子どもにとって絶対的に重く大きいので予想は難しかったようだが、自分で考えた予想の結果は当たっても間違っても刺激になっていたようだ。
《中尾真二》

中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。エレクトロニクス、コンピュータの専門知識を活かし、セキュリティ、オートモーティブ、教育関係と幅広いメディアで取材・執筆活動を展開。ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から使っている。

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