学生が語る明治大学 理工学部の魅力と、入試制度から就職まで

 リクルート進学総研が7月に発表した、現役高校生が志望したい大学ランキングで、関東地方の第1位となった明治大学。明治大学の学生に、志望動機から大学の魅力、進路までを聞いた。

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実験室にて
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◆レポートは大変だが設備や環境が充実

 理系に進学する女子が増えており、進学後の満足度も高いという調査結果がある。そんなリケジョの川室さんは、「高校時代から数学や化学が好きで、ここを選びました。理由は大学の知名度とオープンキャンパスで知った大学の雰囲気や環境です。」という。明治の応用化学科では約30%が女子学生だそうだ。

 理工系の場合、実験環境や研究設備などは重要な選択ポイントなのだろう。そして、オープンキャンパスが、授業の雰囲気や実際の設備などの絶好の情報収集の場となっているようだ。

 4名とも、積極的に同大を評価して受験・入学しているが、入学後もイメージどおりの勉強や研究ができているようだ。「失敗してもトライできる環境が『明治魂』を育てているかもしれません」とは、伊藤君の言葉だ。しかし、授業環境が思ったとおりだとしても、楽ではない。理工学部の場合、実験やレポートがあるため試験勉強だけではない忙しさ、厳しさもあるという。正司君は「理工学部は就職で有利ですが、その分レポートは大変ですね。」と本音を語る。

◆多様な入試制度に合わせた受験戦略

 4人の入試はどうだったのだろうか。明治大学は一般入試のほか、センター試験、AO入試、指定校推薦など多様な入試制度を採用している。どんな対策を行ったのか、入学後、入試制度による違いが気になることはあるのだろうか。

 正司君は「一般入試の学生がやはり一番多いですが、入学後に入試の違いを意識したり差がでるようなことは感じません。」という。たとえば永井君は指定校推薦で入学したが、成績上位で、来年度、大学院に進学する。伊藤君はAO入試だが、入学試験を受けていないという自覚から一般教養科目などを独自で勉強したという。実験や専門課程に自信がある分、他でも負けないという意識が働いたのだろう。伊藤君も大学院進学が決まっている。

 今回、話を聞いた4人のうち2名は、ともに企業の研究職への就職が決まっており、あとの2名は大学院への進学が決定している。なお、明治大学の理工学部では、およそ半数が大学院に進学するのだという。

◆合格=ゴールではない

 最後に川室さんに、女性としての意見を聞いた。応用化学科は女性比率が高いとはいえ、学部全体では少数派になってしまう。学校生活で困ったことはないのだろうか。「特に困った経験はありません。むしろ更衣室など女子が少ないのでゆったり使うことができますし、居心地はいいです。小田急線で都内も近いし、周辺の環境は住宅地も多く住みやすいと思います。」と研究活動と学生ライフをバランス良く充実した日を過ごしているようだった。

 取材を通じて、研究室の雰囲気の良さからどの学生ものびのび実験や研究をしている印象を受けた。また、大学の選定にあたっては、一般的な評判を参考にしつつも、最終的にはオープンキャンパスでの施設見学や模擬授業など自分の判断を決め手にしているように、自分の意志でしっかり選んでいるのも特徴的だった。

 入試についても、試験を受けないで済む推薦やAO入試という考え方ではなく、大学に入って好きな勉強や研究を実現させるため、自分に合った入試制度を戦略的に選んだ学生がいたのも興味深かった。大学に入ることが目的やゴールではないということだ。
《中尾真二》

中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。エレクトロニクス、コンピュータの専門知識を活かし、セキュリティ、オートモーティブ、教育関係と幅広いメディアで取材・執筆活動を展開。ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から使っている。

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