大阪府「読む・聞く・書く・話す」を重視…英語学力検査問題改革

 大阪府教育委員会は、「読む・聞く・書く・話す」の4技能をバランスよく学習するという考え方を、平成29年度の府立高校入学者選抜の学力検査問題の改革の中に取り入れ、具現化することを決定した。

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大阪府立高等学校 英語学力検査問題改革について(大阪府HPより)
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 大阪府教育委員会は、「読む・聞く・書く・話す」の4技能をバランスよく学習するという考え方を、平成29年度の府立高校入学者選抜の学力検査問題の改革の中に取り入れ、具現化することを決定した。

 「読む・聞く・書く・話す」の4技能をバランスよく学習するという考え方は、まさに学習指導要領が理想とする形だ。同教委は、同じく学習指導要領が定める「実践的に使える」英語教育への転換に向けてさまざまな施策を講じている。今回の学力検査問題改革はその施策の中核ともなる取り組みだ。

 同教委では、平成29年度の府立高校入学者選抜から、難易度別に3種類の英語学力検査問題の作成を計画。今回は、グローバル・リーダーズ・ハイスクール10校及び国際文化科やグローバル科の設置校などが選択することを想定し、難易度が最も高い問題を対象として、上記の4技能に対する考え方に基づいた大きな改革を実施しようとしている。

 内容として、まず「読む」問題の比率が高かった学力検査問題を、今後は「聞く・書く」力も重視した内容に変更する。従来「聞く・書く」力を問う問題は、全体の配点の28%に止まっていたが、今後は「聞く」問題への配点を約33%、自分の考えを英語でまとめるような思考力を問う「書く」問題への配点を約20%に設定し、合わせて50%以上にする。

 一方、「読む」力を試すことにも引き続き注力していく。指示文を含めた問題文をすべて英語にするなど、旧来の試験より英文の量は大きく増加。1分間に読まなければいけない英単語数が2.7倍となり、より高度な「読む」力が求められる。それに伴い、府教委は、中学校の検定教科書に使用されている単語を中心として、単語集を編集し、市町村教育委員会に配布する予定。中学生のより効果的な英語の学習を期待している。

 また、同じく平成29年度府立高校入学者選抜にて考慮される英検、TOEFL、IELTS(アイエルツ)も、上記4技能を養うための検定であるため、学力検査問題改革で方向性が同一となり、外部検定との連動性が図られることとなる。

 大阪府ホームページでは、英語学力検査のサンプル問題や、京都大学総長・松本紘氏、楽天株式会社代表取締役会長兼社長・三木谷浩史氏等、有識者からの激励メッセージ等も公開している。
《小林瑞季》

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