湘南ゼミナールは、神奈川県内に98教室(うち10教室は難関校対策のSHOZEMIアルファ)を展開し、横浜市内人気校・難関校の合格者数トップを誇る。合格実績では、神奈川公立高校最難関の横浜翠嵐は5年連続のNo.1(県内各塾中)、横浜サイエンスフロンティアは2年連続のNo.1(同前)で、2014年度は横浜市内の特色検査実施校の合格者数も最多だという。 神奈川県の高校入試に詳しい湘南ゼミナールに、2015年の高校入試の動向と、神奈川県特有の入試対策、および2016年以降の受験生へのアドバイスなどを聞いた。◆2015年神奈川公立高校入試スケジュール 願書受付:2015年1月28日~30日 志願変更:2015年2月4日~6日 学力検査:2015年2月16日 面接・特色検査:2015年2月16日~18日(各校指定の日に実施) 合格発表:2015年2月27日◆重点化・特色検査など特徴ある神奈川の入試 公立高校の入試は都道府県ごとに異なる。神奈川公立(県立・市立)の場合は、入学試験や内申書の比重、重点化科目、特色検査に特徴がある。まず、基本的な入学選抜の方法は、学力検査(入試)の点数、内申書(2年、3年の9教科の5段階評価の成績点)、面接の点数の合計を1,000点満点として合否を判定するが、学力検査、内申書、面接の評価配分が学校によって異なっている。各要素は最低を200点、最大600点として各校が配点を決める。たとえば、入試500点、内申書300点、面接200点といった具合だ。 そのため、「同じ難易度の高校でも配点によって受験対策が変わってきます」(湘南ゼミナール 高校受験進路指導責任者 金澤浩先生)という。志望校が内申点を重視しているなら、短期的な受験対策より2年、3年の定期試験の成績を底上げするような勉強が必要になるということだ。上位校でも、学力検査を重視する学校もあれば、学力検査と内申書の配点を400点と同レベルにしている学校もある。 重点化は、学力検査の5教科のうち高校が決めた科目の配点が高くなるしくみだ。たとえば、理科と数学の学力検査の点数に2倍の重みをつける(傾斜配分)といった具合だ。重点化はその教科の点数が単純に加算されるということではなく、最終的には1,000点満点に補正される。 特色検査は、トップ校や難関校が採用する各校独自の問題による検査のこと。国語や数学といった教科ごとの問題ではなく、総合的な知識や応用力を試す問題が出される。特色検査を採用している高校の選抜基準は、その分の点数が加算され、満点を1,200点、1,300点などとして評価する。◆入試問題傾向と募集定員減による影響 以上が制度的な神奈川県の高校入試の概要だが、近年の入試問題の傾向はどうなっているのだろうか。 「神奈川県の高校入試は2年前に大きく変わり、現在の方式で3年目になります。最近の傾向ではありますが、2015年の入試で予想されるのは、記述式の問題が多く出題されるだろうということです。配点も増えてきているので、記述対策は重要です」(金澤先生) 問題の7割前後が選択式の問題や計算問題だが、残りの25%~30%は記述式の問題だという。この傾向は全教科共通であるとのことで、十分な準備が必要だ。また、2014年の入試では理科の難易度が高く、平均点が低かった。2015年も同様に理科が難しい問題となるかどうかは不明だが、これも要注意ポイントだという。 特色検査の傾向はどうだろうか。たとえば、理系の高校であっても、出題されるのは5教科すべての知識を応用して解答するような問題になっている(金澤先生)という。問題のベースは理系だったとしても、考察や考えを文章で書かせたり、理系だけの知識やスキルでは解けない難問が出題される。この傾向は特色検査を導入している高校に共通している。 募集定員の増減はどうだろうか。神奈川県教育委員会は10月、2015年度の全日制の定員を455人減らすことを発表した。難関校でも川和、横浜国際、神奈川総合の国際科、希望ヶ丘などは1クラス分、約40人程度の定員減となる。しかし、志願者も連動して減るので、湘南ゼミナールでは、一部の学校を除き、倍率に大きな影響はないと見ている。